ようこそジセダイへ!混沌と変革に満ちたこの時代、あなたは、何と闘いますか?ジセダイとは?
自分の仕事はセクシャリティに関して書く/喋ることですが、あんまりこう、ライフハック! とか、効率化ツール! とかは持ちません。持ち続けたいのはただ、「レズビアンとはこうだ!」ヅラの自分語りに陥らないため、広く学ぶ態度です。セクシャリティについて、特に勉強になった本をご紹介します。いやらしくないのよ、大事なことだわ。
ガチゴチにかったい文章で書かれてるんだけど、噛みまくって飲み込んでよかった本。「男と女、じゃない人たち(非異性愛)」について、面白おかしくせず学者言葉でがっちり考えるという経験をこの本はくれます。“クィア理論はその消滅を目標とする”。既存の常識だけじゃなく自分自身まで最終的にはぶっこわす、ロックな経験でした。
「同性愛の歴史」と銘打たれているけれど、同性愛者だけじゃない。例えば“女性器に挿入できるくらいの陰核を持つ女性(とされた人)”など、ちょっとでもいわゆる「普通」に見えない人が、同性愛という概念の発明により一緒くたにされ、魔女や犯罪者や異常者とされた――いわば「同性愛という概念とアイデンティティとの戦史」に思えました。
「女子同士の恋愛(百合)に萌えるけど、男子である自分はそこには不要だ」そんな葛藤をコミカルに描きながらも、実は色々含んだ本です。何が普通で、何が変態? 何は出してよくて、何は隠すべき? ヒトサマの恋愛を娯楽として消費する行為の是非は? キモイと思い思われて、結局自分が正しくて……好きなもの好きっていうのも、単純じゃないのね。
セレクター紹介
牧村朝子
タレント、レズビアンライフサポーター。杉本彩事務所「オフィス彩」所属。 フランス人女性と同性婚(PACS)、現在パリ在住。KTV「千原芸能社」へ日本初のレズビアンタレントとしてのレギュラー出演を皮切りに、各種メディアで活動。将来の夢は「幸せそうな女の子カップルに"レズビアンって何?"って言われること」。
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