書けば書くほど「オススメしたいものってAmazonに無いかも...」と思えてくる企画でした。ブラウザを立ち上げれば、モノのリコメンと一行の批評と小さな四角に収まった「いいね!」に溢れたこの時代、なにをオススメされても嘘にしか見えないのですが、そんな、スマホのバックライトとパソコンのブルーライトにやられて不感症なのは私だけかな。他人の「いいね」もふぁぼもなんの愛撫にもならないのだけどそれは私のせいかな。「いいね」の後ろの「どうでもいいね」が聞こえちゃうのは私の幻聴なのかな。スタバとユーロスペースの角を曲がってたとえば出会い頭に人から乳首をつままれる、ような刺激とかって今までWeb上で拾ったことってないんですけど、そんな震えるほどの経験って人からリコメンされるもんなのかな。もう何がなんだかわかりませんが最後の一作品です。
「本当にいいものはね、やはり太陽の方を向いているんだと思うよ。(「朝霧」の一節より)」刺激的な事とかびっくりするような事って書けばなにかと面白いし話題を呼ぶしはてブもいいねももらえます。激しいコンテンツと激しい批判とツイッター上の有名人の罵り合いと激しいエロ画像で感性をすりおろして、尖ったブツブツで日々自分を摩耗させて生きていくのは簡単です。2ちゃんねるとか発言小町の無数の書き込みのように、自分の傷を舐め続ければそういうものは簡単に発信できる。そうじゃないもの、人にそうさせないものってどうやったら作れるんだろう。「良いものは必ず太陽のほうを向いている」のではなくて、表現をする人が、日々太陽のほうを向き続けて、人をすりおろすんじゃなくて、本当に明るくて人が喜ぶようなものを作るのってとても難しい。書くのが難しいんじゃなくて、太陽のほうを向き続けるのが本当に難しい。私も向き方がうまくわかんねぇ。何を書いたらいいのか日々悩んでます。でも最近ある人に「悩んでも病んでも、人に何かを与えるためにそれでも太陽のほうを向き続けようと思っているんだったら、それでいいんじゃないの?」と言われた事が心に残っています。
セレクター紹介
小野美由紀(@MiUKi_None)ライターです。主にコミュニケーションや性愛、家族について取り扱うブログhttp://onomiyuki.com/ を書いています。個人活動として、3.11までの原発の歴史を絵本化する「原発絵本プロジェクト」http://live.teamepon.com/#id96を行なっています。
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