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エディターズダイアリー

瀧本哲史さんからの最後のメッセージに寄せて

太田克史
2019年09月26日 更新

この9月から、東大、京大、早稲田、慶應の各大学生協にて、瀧本哲史さんからそれぞれの大学の学生に向けたエールが綴られたメッセージカードつきの『武器としての決断思考』『武器としての交渉思考』(星海社新書)が二冊組みのスペシャルセットとして限定販売されています。

これらの、東大、京大、早稲田、慶應の学生へ向けたエールであり檄文とも言える瀧本哲史さんのメッセージは、先月惜しくも亡くなられた彼のおそらくは、最後のメッセージです。瀧本さんがお亡くなりになる3日前に、僕が原稿をいただきました。改めて、瀧本さんに哀悼の意を表したいと思います。

瀧本哲史さんは、日本の若く新しい力に熱意と愛情を惜しみなく注ぐ生きかたを、最後まで1ミリたりともぶらさず貫き通しました。デビュー作となった『武器としての決断思考』も、おそらくは絶筆となったこの各大学の学生に向けた文章も、まさにその日本の若く新しい力に向けて書かれたものでした。

これからの新しい時代を、未来を築いていく若い力を全力で応援した瀧本哲史という人間の、その一貫した生き方の有り様に、僕は限りのない美しさを感じます。最後の原稿は、ぎりぎりの状況だったであろう病床から送ってきてくれたはずなのですが、そうした素振りは一切、感じさせませんでした。

星海社新書は、創刊編集長の柿内芳文による立ちあげから10年に満たない若いレーベルですが、その最初の一冊が、当時はまだ無名だった瀧本哲史さんのデビュー作となる『武器としての決断思考』でした。また、おそらくは彼の絶筆となったこのメッセージカードの原稿も、星海社の僕が受け取りました。

瀧本哲史という巨大な才能の、入口と出口を星海社の我々が引き受けた。ここに僕は、大きな縁と責任を感じています。星海社は、瀧本さんの生き方に恥じぬよう、常に若く、新しく、これからの未来の側に立つ存在であり続けたいと思います。また、そうした編集者の一団であるよう、励み続けたいと思います。

「瀧本哲史」の死は、あまりにも現実感がなく、いまだ喪失感でいっぱいですが、そこに原稿がある以上、編集者が為すべきことは一つしか無いと断じ、この『武器としての決断思考』『武器としての交渉思考』の大学生協向けセット販売の仕事は当初の予定通りに進めました。

少し、この各大学に向けた瀧本さんのメッセージカードの内容を紹介したいと思います。

東大には、今の東大は「世界の地方大学」にすぎないと奮起を促し、京大には、「正解があることは、AIと東大生に任せましょう」と超えていくべき高い志とハードルを設定する。慶應には「一身にして二生を経る」との福澤の言葉からその人生の有り様を問い、早稲田には「データのないところで勝負する」のが責務だと改めての在野精神を説く。

日本を代表する各大学の本質と課題と、あるべきその未来の人物像を、誰もが理解できる確かで短い言葉でえぐり出す。これは瀧本哲史という人間がどこまでも明晰な頭脳と、熱いハートを見事なまでに併せ持つからこそ可能な業で、こんな人は今後も滅多には現れないと感じます。

瀧本哲史の死は、今後の日本にとって莫大な損失そのものです。が、彼が配ってくれた武器は、永遠です。その武器を活かすのは、残された、生きている我々の仕事です。

惜しくも亡くなった瀧本哲史さんですが、彼の残してくれた様々な武器としてのメッセージは、これからも、新しい時代を創る若い力を鼓舞しつづけるでしょう。もしあなたが"こちら側"の人間で、まだ瀧本哲史を知らないのならば、ぜひ彼の著作を手に取ってください。

未来を作るのは、きっと、あなたです!

ジセダイ編集長

太田克史

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星海社代表取締役副社長COO兼「最前線」編集長。
1972年岡山県倉敷市生まれ。95年、早稲田大学卒業後、講談社に入社。98年文芸局文芸図書第三出版部(通称「文三」)へ異動し、講談社ノベルスを中心に京極夏彦、清涼院流水、上遠野浩平、舞城王太郎、佐藤友哉、西尾維新、奈須きのこ、竜騎士07等若手小説家を担当。2003年、一人編集部体制で文芸誌『ファウスト』を創刊。06年、新レーベル「講談社BOX」を立ち上げ編集長に就任。2010年、星海社を設立。副社長に就任。

エディターズダイアリー

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