いつの間にやらU-25も高校生3連発! 12歳から政治家を志し、オバマブーム真っ最中のアメリカに留学。帰国後にチームをつくり、「高校生100人×国会議員」を議員会館で成功させてしまった (第2回が13年3月28日開催予定)早熟の変革者は、どのようにして成ったのか。その情熱の秘密に迫ります。
取材・構成・写真:今井雄紀
今井 今日は、よろしくお願い致します。
青木 こちらこそ、よろしくお願い致します。
今井 以前取材した草野さんに青木さんのお噂を聴いて、今日はお声がけさせて頂きました。
青木 すごく、ありがたいです。
今井 青木さん、想像以上に“とっつきやすい”ですね(笑)
青木 え? そうですか?
今井 いや、プロフィールを見てると、「最年少市長!」とか「常に感謝!」とか書いてあったんで、もっとこう、「まずは僕の話を聴いてくださいよ!!」、「だから日本の若者はダメとか言われるんですよ!」とか、そういう感じの方なのかと……。
青木 あはははは(笑)
今井 かなり警戒して来たんですが、杞憂でしたね。
青木 そう言って頂けて、うれしいです。
今井 今どんな活動をされているのか、簡単にご説明頂いてよろしいでしょうか?
青木 はい。「10代の政治関心の向上、および政治参加の拡大」を目的とする学生団体、「僕らの一歩が日本を変える。」の代表をやらせて頂いています。今、一番力を入れているのは、「高校生100人×国会議員」というイベントの、企画・運営です。
今井 なるほど。「高校生100人×国会議員」というようなイベント、なんとなく既にありそうな気もするんですが、そんなことないんですか?
青木 行政が主体となって行うものはたまにあるようなんですが、高校生側から働きかけて……っていうのは、実はないんです。全政党にお声がけさせて頂いているのも特徴かなと思います。
今井 全政党ってすごいですね!
青木 ありがとうございます。一応それぞれ、党首に出席をお願いしております。
今井 安倍総理来ちゃうかもしれないのか……。いやー。すごいですね。将来は、政治家になりたいと思われているんですよね?
青木 はい。政治家になって、国に貢献できればと思っています。12歳の時からの、夢ですね。地方で結果を出して、実力と志のあるチームを作って、東京に戻ってくるような形が理想です。
今井 18歳にして、そこまでの戦略が……。政治家を志すようになったきっかけは、なんだったんでしょうか?
青木 中学受験をしたんですけど、そのとき、社会が得意な自分に気づいたんです。
今井 社会って、社会科のことですよね?
青木 そうです。小学生の時、人より得意だったのが社会科、とくに公民の部分だったんです。できると楽しいから、どんどん調べて、新聞も読むようになって、なんか一丁前に「◯◯はダメだ!」みたいなことを言うガキになってしまって……。
今井 早めの中二病ですね(笑)
青木 そうだったかもしれません(笑) で、文句言うぐらいなら、自分でやろうと思うようになったんです。それが、政治家を志した経緯ですね。
今井 将来政治家になるための最短の道が、「僕らの一歩」の活動だと思われたんですか?
青木 それはまたちょっと違うんです。自分が政治家になるならないは別として、日本の若い人にはもっと政治に興味を持ってもらいたいと思っています。少し 前、高校を1年休学してアメリカに留学したんですが、その時がちょうど大統領選のまっただ中で……。アメリカ人の政治への参加意欲がほんとすごかったんで す。同世代が政治について語れることが当たり前で、誰もが政治に意見を持っていて……。「自分たちの意見や票が、国の行末を左右するんだ」っていう当事者 意識があるんですよ。これは政治家も気を抜けないだろうなと思いましたし、日本もそうなればいいのにと思ったのが、「僕らの一歩」のきっかけですね。
今井 あー確かにそれは気が抜けないですね。私欲のために政治家になりたいだけならやる必要ないというか、やらない方がよさそうとすら思う(笑)
青木 そうかもしれませんね。先ほどお話させて頂いた「高校生100人×国会議員」の他にも、今は長野県の小布施町というところと共同で、小学生を対象に選 挙のワークショップができないかと計画しています。参院選に合わせて小学生に模擬選挙をやってもらって、町議会場を貸しきって模擬議会をやってもらって と……。そういった経験がこどもたちの政治関心にどんな影響を及ぼすか楽しみですね。そこで結果が出れば、文科省にも、提案に行く予定です。
今井 なるほどなるほど。どれもこれも、戦略があってすばらしいですね。実は青木さんにお会いするまでに、吉田さん、草野さんという、高校生ふたりにお会いしていて、ジセダイ的にはスーパー高校生3連発なわけなんですが……。
青木 すごい光栄です。
今井 ふたりとの一番の違いが、「既にチームを作ってる」ってことなんだと思うんですね。
青木 なるほど。確かにそうですね。
今井 そこが青木さんのおもしろいとこだなと思っていて。今のような活動は、最初からチームをつくってやられていたんでしょうか?
青木 最初は、ひとりでした。ひとりで同じような活動をして、史上最年少で政治塾に入って……ってやらせてもらってたんですけど、ちょっとした事件が起きまして。
今井 事件?
青木 いや、大したことではないんですが、要は、天狗になってしまっていたんですね。政治的なことやってる高校生って珍しいみたいで、色んなメディアに取り 上げて頂いて、Yahooのトップとかにも載って……。で、ある日学校で隣の席のやつと話していたら、「俺さ、お前のやってることよくわかんねえわ。なん となくすごいって言うのはわかるんだけど、自己満なんじゃねえの?」って言われてしまって。その場は反論して平静を装ったんですけど、内心むちゃくちゃ ショックで……。
今井 いい友だちをお持ちですねー!
青木 いや、ほんとうそうなんです。そいつには今でも感謝しています。ほんとそれ図星だったんで、むちゃくちゃ凹んだんですよ。そこから一人でやることの限界を感じて、今のようなチームをつくる方向に動きました。
今井 メンバーはどうやって集められたんですか?
青木 どうせ作るなら最強チーム作りたいなと思って、高校生らしからぬ活動をしている人たちを、一人ひとりスカウトしていきました。「今やってる活動の優先 順位を下げて、“僕らの一歩”最優先で活動して欲しい」っていう、割りと厳しい条件だったんですけど、みんな、納得してくれて。
今井 そう! そこがおもしろいんですよ! なんでみんな、OKしてくれたと思います? だって、やりたいことは別にあったわけですよね?
青木 う~ん (じっくり考えて)。おそらく、メンバーそれぞれにメリットを説明できたのがよかったのかなと思います。「あなたがやってる◯◯は、うちに合流すれば△△ というポジションで役に立って、それは今以上の□□につながると思うんだよね!」みたいな感じで。あと最後は、パッションですね。みんな根負けしたのかも です(笑)
今井 そんな交渉術、普通の高校生は持ってませんよ(笑)どうしてそんなことができるんですか?
青木 ありがとうございます。たぶん、アメリカに行った時に身につけたのかなと思います。ディベートとかあったので。
今井 その力、これからも強い武器になりそうですね。
青木 はい。そこが強みなのであれば、伸ばしていきたいです。
今井 最後に、同世代に対してメッセージを頂いてよろしいでしょうか? どうすれば青木さんのように、“僕はこれをやる”ってものが見つかると思いますか?
青木 私はまだ半人前もいいとこなので偉そうなことは言えないのですが、自分の「面白い」と思ったものを、突き詰めるといいんじゃないかと思います。それが どんなに平凡なものでも、逆に珍しいものでもいいんですけど、自分のアンテナに引っかかったものを恥ずかしがらずにと言うか、怖がらずに、何か1つでもい いから行動してみるといいんじゃないかなと。楽しいことってみんな大体同じだと思うんですけど、面白いと思うものはそれぞれ違うと思うので。
今井 今、「楽しい」と「面白い」を分けて使われましたね。青木さんにとって、その二つは違うものですか?
青木 全然違いますね。“僕らの一歩”はすごく面白いですけど、楽しいことはめったになくて、大変なことがほとんどです(苦笑)
今井 ははは(笑) では、青木さんの同世代へのメッセージはこれですね。
■自分のアンテナを信じて、“面白い”と思ったものについて何か行動を起こそう!
青木 はい。うまくまとめて頂いて、ありがとうございます。
今井 いえいえとんでもないです。今日はありがとうございました。青木さんたちが日本を変えるの、僕も楽しみにしています。ほんとうに。
青木 はい! ご期待に添えるよう、がんばります!!
同じ現役高校生のパワーをもっと感じたいなら!
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