• ジセダイとは
  • サイトマップ
ジセダイとつながろう!

ようこそジセダイへ!混沌と変革に満ちたこの時代、あなたは、何と闘いますか?ジセダイとは?

  • Home
  • スペシャル
  • 連載
  • イベント
  • 新人賞
  • 星海社新書
  • ジセダイ編集部
  • twitter
  • Facebook
  • RSS
  • youtube
  • Ustream
  • SlideShare

HOME > スペシャル > ジセダイジェネレーションズ U-25 > 「新しい学びを提供する」森健志郎×...

ジセダイジェネレーションズ U-25

「新しい学びを提供する」森健志郎×中西孝之が贈る、ウェブの学校「schoo」とは──? 【前編】

2012年05月09日 更新
「新しい学びを提供する」森健志郎×中西孝之が贈る、ウェブの学校「schoo」とは──? 【前編】

昨年スタートし、その斬新な「学び」のサービスで業界の話題をさらった
schoo WEB-campus。その創設者である森健志郎、中西孝之の両名から
設立まで、そしてこれからのschooについて伺いました。

取材 柿内芳文・岡村邦寛  構成 岡村邦寛  撮影 尾鷲陽介

ウェブの学校” schoo

柿内 本日はよろしくお願いします。

 

  お願いします!


岡村 さっそくですが森さんが立ち上げた「schoo(スクー)」という会社について伺えればと思います。

 

森健志郎さん

 

  schooは会社とそこで行っているサービスの名前です。サービスは「新しい学び体験を提供する」というコンセプトに基づき、ウェブ上に学校を作りました。毎週木曜日に各分野の有識者の方を定期的にお招きして、ウェブ生中継の無料授業を展開しています。それを運営している株式会社schooは、現在僕と3月1日付で入社してくれた中西。あとインターンのアルバイター10名を加えた12名で運営している会社です。7月でフロントエンジニアとして参画してもらう新メンバーの佐藤も加入します。


岡村 そういったメンバーはどうやって集めたのですか?


  インターンのアルバイターの人達については自分がブログに書いた募集要項をツイッター、Facebookで拡散させて、100人くらいからいただいた応募の中から選考しました。僕は大学が関西で、関東に学生の知り合いが全くいなかったので、インターンの人達は完全にソーシャルメディアを使って集めました。逆に中西と佐藤、つまり社会人のコアメンバーはアナログチックに「サシ飲み」で交渉しました。人間性を見た上で腹を割った会話をしながら一緒にやってくれるよう口説きましたね。僕は前職のリクルートでディレクターという仕事をしていたときに「色々な人を巻きこんでなにかを作り上げる」というのが自分の強みだと認識したんです。だからこそまわりに誰がいるのか、ということが会社とサービスが成功する肝だと思っていたので、メンバーの採用には徹底的に時間をかけました。

 

リクルートで学んだ「人に教わる事の大切さ」

岡村 リクルート時代は具体的にどういったことをしていたのですか?


  まず入社して半年間、SUUMO(不動産仲介ウェブサービス)の法人営業をしてました。ただ担当地域が千葉の本当にド田舎で、地元の不動産会社がパソコンを使ってないんですよ。広告は紙のチラシしか用意がなかったり、ファックスで仕事をしている。そういうところに「SUUMOのwebサイトに広告を出しませんか?」って営業しに行くんです(笑)。


岡村 それは想像するだけでキツい……。


  そこの地域の人達は情報も昔の前まま止まっていて……「リクルートってこないだあのリクルート事件起こした会社だろう? そんな会社信じられるか! 俺はリクルートが嫌いなんだよ!」って初めての営業先で、名刺破られ、灰皿投げつけられましたね……。


柿内 金を出してでも買いたい貴重な経験ですね(笑)。


 で、その半年後に東京の本社に戻って住宅広告のディレクションを担当しました。仕事の内容は一言で言うと、大手不動産会社の地域プロモーションのお手伝いです。例えば麻布にディベロッパーが、1棟300部屋の大規模マンションを建てるとします。大規模マンションというのは建設が決定して用地を取得する段階から、部屋が発売開始になるまでにとても時間がかかる。その期間に麻布の良いところをPRして「麻布ってめっちゃ住みたいよね」といろんな人たちが思うようになったら、より高い値段でマンションが売れるじゃないですか。そういうことをする仕事です。PR会社の競合他社とコンペをして、予算を獲得して、コピーライターさんやデザイナーさんと企画ディレクションをしながらプロモーションを行っていました。

 

柿内 とてもおもしろそうですね。

 

  おもしろいですね。

 

柿内 そういった経験から何を得ましたか?

 

  一言で言うとすごく陳腐なんですけど「人に教わる事の大切さ」ですね。僕がディレクターをしていたときの上司はリクルート社内でMVPをとってしまうようなものすごい人で、同時に超スパルタだったんです。「あの人の下についたらつぶれる……」と言われている部署みたいな(笑)。で、その人の下で働いていたので、もうそれはそれは……。二徹で企画書き直し、とか。金曜の深夜1時くらいに仕事を終えて、「よし、もう疲れたから焼き肉食べに行こう」って一緒に食事をしてたら「あ、新しいアイディア思いついた。もう一回会社戻るぞ!」と言って仕事を朝まで続けたり、とか。

 

岡村 ……あれ、うちの会社にもそういう上司がいるような……。森さんが他人に思えなくなってきた(笑)。

 

柿内 デジャヴだね。

 

  クリエイティブって鮮度がある、すぐ作れるということが大事なので、制作・編集の人はそういうタイプの人も多いのかもしれませんね。とにかくここで業界の厳しさを知りました。めちゃめちゃ大変だったし、ほんと何度こいつを殴ってやろうと思ったことか……(笑)。

 

岡村 ですよねー。

 

柿内 岡村君!?

 

岡村 冗談です(笑)。

 

  今ではその人に教えてもらってことを本当に感謝しています。思いついた事をかたちにする、徹底的に細部にこだわる、妥協しない姿勢、軸をぶらさない……色々なんですけど会社を辞めてみて上司の言っていたこと、やっていたことがビジネスを成功させる上でのすごいエッセンスだと実感しています。だからあの人の下じゃなかったら、絶対schooも設立できなかったし、今の僕はないなってと思っています。

 

柿内 確かに。そういうことは時間差でわかるのかもしれないですね。

 

思いついたら即、退職!?

  今でもその人にはすごく応援していただいています。起業の背中押してくれたのもその上司です。現在のschooサービスの原型、ウェブに学校とかあったらおもしろいなって思った時に、そのアイディアを上司に話したら上司が「それおもしろいからプレストしよう」って。で2人で会議室入ってブレストしている時に「面白いからもう会社辞めて起業してみたら」って言われて。

 

柿内&岡村 (爆笑)。

 

  「あ、わかりました。じゃあ辞めてやってみます」という流れで退職が決まりました。その日のうちに2人で課長に話しにいきました(笑)。


森健志郎さん

 

柿内 その日のうちに!? ザ・リクルートって感じですね(笑)。

 

岡村 漫画やドラマであるような話ですね……。それからschooを始めるまではどういった過程を踏んできたんですか?

 

  退職を課長に伝えたのが去年の 3月初めだったんですが、課長から「お前、ちょっと待て。おととい査定面談で給料上げたばかりだろ」と言われまして(笑)。引き継ぎなどを考慮して半年後の9月に退職することになったんです。だから、その半年間はリクルートで働きながら起業準備してたんですよ。最初の1ヶ月くらいで素案を作りました。そこで僕が思ったのは、ウェブに学校を作るっていうのは、その学校の中のコンテンツを作れる人間と、その学校全体をよりよく作れるエンジニア側の人間が必要だということでした。そこで僕の知り合いの中で「こいつに相談したら面白いんじゃないかな?」と思ったやつがコンテンツ側は中西、エンジニア側が佐藤、彼ら2人だったんです。

 

情熱と計算で説得

柿内 じゃあ、最初の時に顔が浮かんだわけですね。こいつらだって。なんか、三国志みたいじゃないですか。

 

  それはよく言われます(笑)

 

岡村 その2人はどうやって口説いたんですか?

 

  ハートフルな部分と計算でやった部分と2つあるんですけど(笑)。ハートフルな部分で言えば、純粋にウェブに学校を作ったら面白いと思ったんですよ。授業があってウェブで文化祭とかしたら今までになくて面白い、という話をしたら、2人とも「あ、それは面白いね」と。その時点で結構テンション高かったですね。教育とか学びとかって誰も目をつけていない分野だし市場もある。あとこれは中西が言っていたことなのですが、「既存の学び場とは違ったあったかい場所になりそうで、色々な人を受け入れられる。そういう土壌にしたい」みたいな話がありました。私が計算でやった部分は、はじめから「全部自分で作って持っていかなかった」ということですね。コンセプト部分、種だけを持って行って、「一緒に作ってくれ!」というスタンスです。完全に余白を残した状態で声をかけました。なんかもうその後は3人で合宿とかしましたね。本郷の安民宿みたいなところで(笑)。

 

柿内 もしかして鳳明館ですか?

 

  あ! そこです!

 

柿内 僕もそこで合宿したことありますよ。1人合宿!

 

岡村 それ、合宿じゃないです(笑)。

 

柿内 明治時代からあるあの民宿でITベンチャーの企画合宿をするのがおもしろいですね。当時に他の2人は何をやってたんですか?

 

  中西は会社を辞めて、フリーランスで編集を、佐藤は東大工学部を出て、その時からエンジニアをしてました。今は社員25名のベンチャー企業でウェブディレクターやりながら、ホームページ制作やりながら、ユーザー対応、人事をやりながら……。

 

岡村 ほぼ全部じゃないですか(笑)。

 

  ですね(笑)。佐藤は面白い経歴の持ち主で、まわりが官僚とか外資コンサルへ就職しているのを見て、「絶対そっち行きたくない」と宣言して、親の反対を押し切りベンチャー行ったという……。そんな3人です。

 

“あなた”も先生になれる

岡村 そうやって立ち上がったschooですが現状はどんな感じですか?

 

  現在(2012年3月)の会員数が1万7000人。リリース3ヶ月の数字としては順調だと思っています。サービスの軸は毎週一回やるschoo WEB-campusの授業で、毎回大体800〜1000人、多い時は4000人ぐらい視聴者がいますね。schoo WEB-campusの授業は先生がいて、先生の授業が下敷きとなって、宿題が出て、その宿題に対してユーザー達が実名機能を使って「リアクション」をして、コミュニケーションをとるっていうサービスなんですけど、これらのフローを通じて、コミュニケーションする「生徒を前に出す」という取り組みしようと思っています。schoo WEB-campusの先生達が作っているようなコンテンツを生徒の手に委ねるという狙いですね。先生が喋ってそれを生徒がコミュニケーションするっていうフレームだけではなく、このschoo WEB-campusというサービスは色々なフレームを作りながら「学び」というものをポピュレーションしていくチームなんだよ、サービスなんだよ、ということを見せられたらいいなと思っています。

 

森健志郎さん

 

柿内 視聴者の属性は多岐にわたっているんですか?

 

  やはり、20代前半から30代後半の社会人が多いです。全体の6割ぐらいですね。2割くらいが学生さんで、残りの2割くらいが30代後半以上の方々です。男女比は6:4くらいです。もちろん授業の内容によって入れ替わりはありますが1授業だけでなく、毎週続けて視聴する固定ユーザーがかなり増えてきました。最も参加回数が多い方だと、14回(これまでに16回)も参加頂いています。

 

岡村 なるほど。schoo WEB-campusの今後、中長期的なコンセプトや目標についてはどんな考えをお持ちですか?

 

  中期的にはマネタイズの手法ですね。今のウェブ無料生中継の授業を提供し続けるスタンスは崩さず、さらにユーザーにとって便利になれるものをマネタイズしていこうと思っています。現在その準備をしていて、それが秋頃に実働する予定です。あとは僕たちが3年以内でやろうと思っていることが2つあります。1つが誰でも先生になれる環境をつくること。こちら側がキュレーションしている先生だけじゃなくて、その先生のまわりにいたユーザーが自分で例えばゼミや特別授業といったことをできるようにしていきたいです。誰でも簡単に、自分の持っているナレッジを教えることを通じて、例えば、それでご飯を食べられたら幸せなことだと思うんです。

 

柿内 じゃあ、例えば岡村でも何か教えられるかもしれないってことですか? 地上げの仕方とか。

 

  そうです、そうです(笑)。

 

岡村 絶対に教えません。

 

一同 (笑)

 

「schoo」に込められた想い……

ここでschoo中西氏が打合せ先から帰社。インタビューに参加。

 

柿内 「schoo」ってとてもいいネーミングですよね。シンプルで手垢がついていない感じで。

 

  ありがとうございます。手垢がついていない、というのはその通りでドメインもすぐに取れました。SEO(検索エンジン最適化)も順調で、検索エンジンでもすぐトップページに表示されるようになりました。

 

中西 「スクー寺院」というのがインドネシアにあるらしくて、そこがライバルでした(笑)。

 

中西孝之さん

 

一同 (笑)。

 

  ネーミングとしては、「色々な人から卒業をなくしたい」っていう意味で、「school」から学校の終わりの「l」を取りました。

 

岡村 なるほど。ストーリーがありますね。

 

  と、こう聞くとおしゃれな感じがするんですけど実際は周りから「社長、はやく決めてください!」って急かされて、「じゃあschooで!」みたいな感じで決めました。やっつけ仕事だったかもしれません(笑)。

 

一同 (笑)。

 

柿内 とはいえ、いいですよね。ネーミングって全ての顔になるじゃないですか。みんな「schoo行こうぜ」「今日schooの日か」みたいな。

 

  だから、かわいい名前が良かったんですよ。その例えば「〜カレッジ」とかだったら固くて気軽さがない。ウェブサイトのデザインもそういったところを気にして、全部女性のデザイナーにお願いしています。

 

理念とビジネス

岡村 中西さんはschooを始めるにあたってどんなことを考えましたか?

 

中西 理念とビジネスのバランスですね。schoo WEB-campusを始めた時に、森のFacebookやTwitter宛に「実は僕も同じことを考えてました」っていう意見が未だに来るんですね。あとは「次は教育と医療が大事だと思うんですよね」という意見をいただくことも多くなりました。でも「教育」とか「医療」って世間では崇高で難しいものだと考えられすぎていると思うんです。こういうと語弊があるかもしれないですけど、僕らが「面白い事をやろう!」と思ったときにどの分野だったら僕たちができるかと考えた答えが「学びっぽいもの」だったんですよね。それをどんどん掘り下げていったらschoo WEB-campusが出来た。何が言いたいのかというと、理念が先行しすぎるとビジネスに落とし込めなくなるんです。ビジネスと理念って水と油くらい離れてるので、理念を追求しすぎるとビジネスが成り立たず、ビジネスを追求しすぎると理念が置いてけぼりになる、そういうことって往々にしてあると思うんですよ。

 

中西孝之さん

 

 そうだね。

 

中西 だから僕たちはそこからじゃなくて、第一歩として「僕たちが面白いと思うか」というところからスタートしました。そしてできる限りハイコンテクストにならない「学び」を提供したいと思うようになりました。例えばロブションみたいな高級店のディナーって僕たち庶民にとってはなくても困らないものですよね。ファミレスのハンバーグとロブションのハンバーグの食べた時に脳に伝わる「旨い!」「肉!」という感覚ってほとんど変わらないと思うんですよ。ただ「今日は給料日だしロブションみたいなリッチな方に行きたい」というニーズも勿論あると思うので、そういうニーズはハーバードやMITのような最高峰の大学にお任せして、僕たちはその底辺を作りたいと思ってます。年齢や性別、生まれや職業を問わずに、様々な人たちがファミレスのドリンクバー飲むみたいな気軽な感じで学べる環境を創りたいですね。

 

柿内 なるほど。

 

森健志郎さん、中西孝之さん

 

(後編へ続く)

 

ジセダイジェネレーションズU-25の紹介

森健志郎

森健志郎

ツイッターを見る

株式会社スクー代表取締役社長。1986年生まれ。
大学卒業後、リクルートに入社。広告制作のディレクターを務める。
2011年10月に株式会社スクーを設立。
「新しい学びを提供する」をコンセプトにサービス向上に取り組む。

ジセダイジェネレーションズU-25の紹介

中西孝之

中西孝之

ツイッターを見る

株式会社スクー取締役副社長。1986年生まれ。
大学卒業後、学習塾の立ちあげに関わる。上京後、渋谷にある出版社兼書店、
SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERSにてイベント企画・編集を務める。
退職後は、フリーランスの編集として活躍。株式会社スクーの設立に参画し、
企画・広報を担当している。

コメント

ジセダイジェネレーションズ U-25