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ニッポンのスタートアップ

感動をシェアする旅友(たびとも)は 「trippiece(トリッピース)」 でみつかる!

2013年12月02日 更新
感動をシェアする旅友(たびとも)は 「trippiece(トリッピース)」 でみつかる!

3年後に再会すること(例え路頭に迷っても)を約束して行う、未来アポ付き取材コンテンツの「日本のスタートアップ」インタビュー。今と未来、線でつながる行動の歴史! ここが挑戦の最前線! 

 

第4回目は、ユーザー同士で旅のプランを練り上げることのできるウェブサービスを運営する「trippiece」。決まった旅行プランはなく、ユーザーが企画、提案したものに、一定数の参加者が集まると、旅行が実現される仕組みとなっている。日本初のソーシャル旅行事業を大学在学中にベンチャー企業として立ち上げた石田言行氏にお話しを伺いました。

 

取材・構成:木村真悠子、落合みさこ、今井雄紀 写真:今井雄紀

趣味の旅を軸にして、人と人とが出会い、感動をシェアする


落合:はじめまして、今日はよろしくお願いします。まずは、トリッピースというサービスについて教えて下さい。

石田:トリッピースを分かりやすく説明すると“みんなで旅を作るサービス”を運営している会社です。なので、旅行会社ではありません。旅に行きたい人がサイト上で旅のアイデアを発案して参加者を募集します。例えば「マチュピチュのウユニ塩湖へ行こう!」とか「マンチェスターユナイテッドの香川真司を見に行こう」、「高尾山でピクニックをしよう」など、国内外問わずいろいろな企画が挙がります。そのプランに興味を持ち賛同したユーザーがある一定数集まったら、参加者同士で旅のプランを練ります。プランの大枠が決まった段階で、エイチ・アイ・エスやJTBなどの旅行会社に航空券やホテルの手配を依頼。そこでツアー化が決定するんです。参加者の理想から生まれる旅行プランなので、大手旅行会社のパッケージツアーでは見られないオリジナリティのあるプランやニッチなプランが実現します。“趣味の旅を軸にして、人と人とが出会い感動をシェア”がトリッピースのコンセプトです。社名のトリッピースは「トリップ(旅)+ピース(かけら)」をつなげた造語です。ピースは参加するみなさんのアイデアから生まれた旅行プランのこと。さらに同じ音を持つpeace(平和)の意味もかけています。年齢や国籍、肩書きなどに関係なく、旅で人と人をつないで、世界の人々と幸せを分かち合うためのサポートをしていきたいと思っています。

 

落合:ちょっと気になるのですが、知らない人同士が一緒に旅に出るとなると何か障害はないですか?

石田:ないですね。トリッピースでつながった知らない人同士ですが、会員登録はFacebookアカウントとの連携をしているので実名でのやりとりです。プロフィールの公開もしているので、お互いの信頼性も高いです。実際にトリッピースの旅行に参加した方からは、旅行先でも前から知り合いだったかのような気分になるという感想を多くもらいます。プランを一緒に考えた仲間同士なので、現地に着いてからも安心感があります。旅先でグループ行動ができるのでトラブルなどに巻き込まれにくいというメリットもありますね。

 

落合:なるほど。トリッピースの旅のポイントは“共通の趣味”と“安心感”ということですね。

石田:はい、その通りです。ごく一般的な友達同士の旅行は、楽しさ重視のケースが多いと思うんです。「みんなの休みを合わせると5日間の旅行が可能だから、行き先は●●にしよう」とか、すべてが日常の延長線上になる。トリッピースの提案する旅行は“旅がいかに非日常であるかによって、楽しさやその良さを存分に実感できる”この部分を大事にしています。共通の興味関心ごとがきっかけで旅行に行く。そうして集まった人たちは、年齢やバックグラウンドが違っても、同じ価値観や考え方を持っていることが多いと思うんです。だから、旅行先で体験したことも共感できるポイントがたくさんある。さらにいいところは、事前にどんな人と一緒に旅をするかが分かっていることです。ソーシャルメディアで旅行プランを一緒に考えた仲間同士なので、行く前段階で相手の趣味趣向が見えているケースが多いんです。「Aさんは歴史に興味があるんだ」とか「Bさんはアクティビティ好きなんだ」など、具体的な行動がみえる分、ワクワク感も大きいと思うんです。

 

落合:なるほど! 旅の本質を見た気がしますね。ちなみに今、現在、トリッピースを利用している年齢層を教えて下さい。

石田:年齢層は24~34歳の独身者がメインですね。その次に多いのが大学生です。トリッピースを利用する方の中には、海外旅行は未経験という方もいますよ。海外への旅から国内の1dayのプランもあるので、参加される方はその企画によってさまざまですね。

 

原点はバングラデシュ旅行


落合:石田さんがトリッピースのサービスを始めたきっかけを聞かせて下さい。

石田:大学3年の頃、仲間4人で「うのあんいっち」というNPO法人を立ち上げ運営しました。NPO法人での活動は、途上国の子どもたちにカメラを渡して、その子たちが撮影した写真を日本へ発信するという内容です。写真展示などを開き、そこで得た収益を彼らに還元するという仕組みをつくりました。子供たちの純粋無垢な気持ちが写真に映し出されると同時に、その国のリアルな現状が見える。子供だからこそ、選ぶ被写体は美しいとか、きれいなものだけじゃないんです。気になるものや事が大人とはまったく違う。例えば、ごみの山を撮っていたりするわけなんですね。その目線や視野がとても新鮮だし、気付かされることがたくさんありました。このような活動をしていたこともあり、当時から貧困などの社会的課題をビジネスを通じて解決するソーシャルビジネスにとても興味を持ちました。旅に関しては、幼少期から毎年のように家族で海外旅行をしていました。行き先はハワイ、シンガポール、アメリカなど、いろいろな場所へ連れて行ってもらっていたので、旅は身近な存在でしたね。

 

落合:それがトリッピースの原点ということですね。

石田:NPOでの経験もありましたが、いちばんの起業のきっかけはバングラデシュへの旅でした。バングラデシュの農村で創設したグラミン銀行を見に現地へ行きたいと思い立ったんです。2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏は、ソーシャルビジネスの第一人者。貧しい人々に対して、無担保で少額の融資を行うマイクロファイナンスの仕組みに刺激を受けました。それまでに一人旅の経験もありましたが、バングラデシュへは初めてだったので、Twitterでバングラデシュのグラミン銀行へ行ってみたい」とつぶやいたところ、フォロワーから「私も行きたい」と共感を得ました。そこからその仲間と一緒にバングラデシュの旅行内容を計画しました。そのプランをもって旅行会社にツアー化を依頼し、結果、18人の参加者が集まり、バングラデシュへの旅が実現したんです。

 

木村:見てみたい! 行ってみよう! が実現した瞬間ですね。とても貴重な経験ですね。

石田:はい、バングラデシュでの体験はとても心に残るものでした。現地で仲間と過ごした時間は、自分の旅のスタイルを一変させましたね。帰国後、このニッチな旅の体験をもっと多くの人に知ってもらいたいと思い始めました。そこから、こういった旅行の仕組みをビジネスにできないかと考え始めたことが起業の第一歩ですね。そこから1~2カ月ほどかけて、事業化に向けてブラッシュアップしました。いつくかの出資も受けて2011年3月、ソーシャル旅行サービスをスタートさせました。

木村:このようなサービスはその時点で日本初の企画だったのでしょうか?

石田:はい、そうなりますね。

 

想い続けた起業家という夢


落合:石田さんは大学在学中に起業されていますが、怖さなどは感じませんでしたか?

石田:もちろん、怖さはありましたね。自分が起業してうまくやっていけのか、人を雇って、育てていくために何が必要なのか、考えると不安になりました。でも、起業したいという気持ちの方が強かった。だから、怖さにも立ち向かっていけたのだと思います。祖父が起業家だったこともあって、物心ついたころから起業家は純粋な憧れだったんです。小学生が野球選手やサッカー選手に憧れるような感覚だったと思います。僕自身、慣習にとらわれることが苦手なので“元々ある概念をぶち壊して、スタンダードを生み出す”という姿勢を持っていたいと常に思っていました。

落合:今、石田さんは起業の夢を叶えたということですよね?

石田:いやいや、それは少し違いますね。起業していても体制していないと、起業家とはいえないと思うんです。例えば、スティーブジョブス氏は世界に当たり前を作った人でしょ。誰もが分かる世界の当たり前を作らないと起業家とは言えないと思っています。日本や世界の歴史上でも革命をおこしたり、新しいスタイルを提案した人がいる。その方たちのような“モノのスタンダード”を作った歴史上に名前が刻まれる人になりたいです。だから、そのレベルまで達していない僕はまだまだ起業家とは言い切れないですね。

 

世界を視野に入れた飛躍を続けるトリッピース


落合:トリッピースにおいて石田さんが目標とするところを聞かせて下さい。

石田:トリッピースで年間1000万人がトリッピースを活用し旅をすることが目標ですね。そのレベルになれば、世界の人にとって“みんなで旅を作る”トリッピースの旅行が浸透しはじめたと言えると思うんです。それが僕の起業家での第一歩ですね。その後は社長業をするか、または別なビジネスを始めるか未定ですけど、目標に向かって邁進するのみです。ちなみに来年の予測は1万人超えです。その1000倍が目標ですが、今後は海外にも支店を置き、活動の幅を広げていくつもりなので、決して無理な数値ではないと思っています。

落合:海外進出ですか! 素晴らしいですね! どちらに支店を出すのですか?

石田:2014年2月にシンガポールに子会社を設立します。シンガポールは世界各国へのエアラインが充実していますし、アジア圏の中心として様々な旅行の提案が可能になると思います。トリッピースのツアーに台湾人とイギリス人、日本人がプランを出して一緒に旅を作る! なんてことが現実になると思っています。

落合:夢がどんどん広がりますね。石田さんにずばりお聞きします! トリッピースが評価される最大の理由はなんだと思いますか?

石田:旅だからだと思います。旅には日常の中に存在する出会いとはまったく別のワクワクする新たな出会いがある。普段の生活で新たに人やモノに出会うきっかけを挙げると、仕事や趣味と、どうしても幅が狭くなるんです。具体的な行動パターンは、食べる、料理を作る、運動する。こうした人間のルーティングワークの中で、新しい何かをデザインするというのは非常に難しいこと。でも、旅のいいところは非日常の中にいるということです。トリッピースの旅ならオリジナルのプランと、人との新たな出会いがセットになっている。ここがポイントだと思います。

 

夢への第一歩は「行ってみる、やってみる、言葉にする」

 

落合:石田さんは大学生の頃にNPO法人を立ち上げ、夢に向かって前進されていましたが、今の大学生の中には、目的や夢を持てない学生も多く存在します。そんな彼らに向けてアドバイスをいただきたいです!

石田:まずは「行ってみる、やってみる、言葉にする」ことですね。よくいわれることだと思うんですが、頭で考えていても何も見えてこないんです。

僕がバングラデシュに行こうと思った時も、とりあえずバングラデシュの情報が少ないし、グラミン銀行へどうやってアポイントを取ればいいかも分からなかった。だから、周りに行きたいという意思表示をしました。それによって周りが動いてくれて旅が実現したんです。やりたいことだけじゃなくて、自分がこうなりたいという意思も周りにはっきり伝えておけば、チャンスが舞い降りるというケースもあると思います。ひとりで考えて表に出さなければ、なにも変わらないんです。あと、自分のやりたいことに誰もケチはつけられないと思うので信じぬく力も必要だと思います。例えば、世間的に低迷気味の業界で働くことが自分の夢だったとする。低迷している業界でもスポットで仕事を見つけて努力して残される人材になってやろう! と思っていればいいと思うんです。業界レベルで仕事のよしあしを判断するのは、的を射ていないことなんです。周りに惑わされないことですね。やりたいことが分からないのなら、友人に連れられてどこかに行ってみる、やってみることを繰り返すことがいいと思います。動いていれば、必ず新たな発見や感動に出会えるはずです。

落合:ありがとうございます。とても力強い言葉で励みになると思います。最後に石田さんのネクストアクションをお願いします。

石田:まずはトリッピースのサイトを覗いてみてほしいですね。過去に実施したいろいろな場所の素敵な写真も見ることができますし、海外旅行に行かなくても国内の1dayの企画も季節に合わせて計画しています。僕が担当する企画もありますので、一緒に楽しい時間を共有しましょう!




会社概要

会社名

株式会社 trippieace(トリッピース) 

所在地

東京都渋谷区円山町5-5 Navi渋谷V-10F

HP 
http://trippiece.com/
Twitter
ブログ

NEXT ACTION

ネクストアクション!

まずはトリッピースのサイトを覗いてみて!

過去に実施したいろいろな場所の素敵な写真も見ることができますし、海外旅行に行かなくても国内の1dayの企画も季節に合わせて計画しています。僕が担当する企画もありますので、一緒に楽しい時間を共有しましょう!

HPはこちら→http://trippiece.com/

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