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イベントレポート

「星海社新書夜話 Vol3」イベントレポート! 北条かや初の単独イベント開催!

2015年06月25日 更新
「星海社新書夜話 Vol3」イベントレポート! 北条かや初の単独イベント開催!


アシスタントエディターの大里(@seikaisha_ost)です。

去る5月31日に下北沢B&Bにて行われたトークイベント「星海社新書夜話 Vol3」

今回は、星海社新書『整形した女は幸せになっているのか』発刊を記念しまして、北条かやさん(@kaya8823)初の単独イベントとしての開催!

北条さんと、ほぼ男子校状態の星海社新書編集部が女性の美への欲望をテーマに語らいました!

そんな当日のイベントの内容をレポート致します。

それではどうぞ!

 

 

集う北条ファン

今井:今日はお集まりいただきましてありがとうございます。僕は今井雄紀と申します。この『整形した女は幸せになっているのか』の担当編集者です。最近は『ジセダイ』というWEBサイトで「会いにいける編集長」という企画をやっています。星海社の編集者には2つ名があるんですが、僕は「リア充エディター」という肩書でやっています。

 

平林:僕は歴史が得意なので「ヒストリーエディター」です。もうほとんど使われることはないですが(笑)。星海社から出る歴史系の本は全部僕が作ってます。ただ、歴史や地理の本は基本的に女性は買ってくれない! 僕が作る本は非常に女性受けが悪いです。

 

今井:今日は、そんな2人でお送りしていきます。最初に聞きたいと思っていたんですが、今日は北条かやさんのTwitterや告知きっかけでいらした方はどのくらいいらっしゃいますか? ……なるほど、半分くらいですね。じゃあ、星海社からの告知を見て来ていただいた方はいらっしゃいますか?

 

(会場、ほとんど手が上がらない)

 

平林:ヤバい! きっとこの北条ファン的に、僕たちは不要な登壇者ですよ!

 

今井:うーん。では、僕らの話はこれくらいにして早く北条さんに登場していただきましょう!

 

北条:北条かやです。よろしくお願いします!

 

今井:今日はほとんど皆さん、北条さんがきっかけでいらしているようです。

 

北条:ありがとうございます。

 

今井:じゃあ、ここはB&Bなのでまずは乾杯しましょうか!

 

一同:乾杯!

 

 

 

「実は私、整形にすごく興味があります!」

今井:ここで、北条さんのご紹介をしたいと思います。同志社大学卒で京都大学大学院の頃に「コスプレで女やってますけど」というブログを書かれていました。今は著述家・ライターで、モーニングクロスというTOKYO MXの番組の準レギュラーです。今年の1月1日には「ニッポンのジレンマ」にご出演されました。2014年の2月に『キャバ嬢の社会学』という本を出版されました。この本も私が担当させていただきました。これがたくさん売れましたし、賛否両論を巻き起こしました。

 

北条:否の方が多かったです!

 

平林:書店向けのポップのキャッチコピーが良かったよね。「いざキャバクラ!」っていう。あれ誰が考えたの?

 

北条:(やや冷たく)80年代のオヤジギャグですよね

 

今井:86年生まれの僕が考えました!

 

北条:私が大学院時代に「キャバクラに勤める人は私とは違う」という発言をしたところ、「そんなことはない。なにも変わらない。その発言は差別心があるから出きたのではないか」と言ってくれた先輩がいました。それを思い切って修論の研究テーマにし、キャバクラとホステスクラブで合計1年半くらい働きました。

 

今井:その中で感じられたことや社会学的な視点から新書にまとめていただいたのが『キャバ嬢の社会学』ですね。それから1年と少し経って本日発売の『整形した女は幸せになっているのか』を書いていただきました。これ、すでに買っていただいたって方はいらっしゃいますか?

 

(会場、たくさん手が上がる)

 

北条:ありがとうございます!

 

今井:この本は、「こういうテーマで書いてもらえませんか」と僕からお願いしたものなんです。このテーマを思いついたきっかけは視力回復手術のレーシックです。レーシックと二重の整形手術が非常に似ているなあと、あるとき思いました。(会場に向かって)アイプチってわかります? 毎朝アイプチをやるってめちゃくちゃ面倒くさいんですよ。それで面倒くさいから手間を省くために整形手術をしちゃおう、と。これはレーシックと非常によく似ていて、毎朝コンタクトレンズをつけるのが面倒くさいから目の手術をしてしまおうという。そんな風に整形手術はどんどんカジュアルになっていくんじゃないかという予測があって、それを北条さんにお話したら「実は私、整形にすごく興味があります!」と言われました。

 

北条:テーマとして非常に興味を持っていた領域でした。中村うさぎさんという方が整形体験をエッセイとして著していて、その方の本が好きでずっと読んでいました。うさぎさんの本を全部読んだ私としては美容整形というテーマに興味があったんですが、実体験のあるうさぎさんの書かれた本を超えるものは書けないと思って、悩んだのですが、結局書かせていただくことになりました。

 

今井:調べると、日本人女性の10人に1人が美容整形をしているというデータがみつかりました。でも、僕からすると基本的には本人のカミングアウトがない限り、誰が美容整形をしているかわからないんですよ。だんだん、整形した人たちは幸せになったのかなということが気になりだしました。例えば、お子さんが生まれたときのことについてどう思っているのかな、とか。それを一緒に調べませんか、とお願いをして北条さんにTwitterなどで整形経験者を募集していただきました。そこに来てくれた方にインタビューをしました。

 

北条:偶然、20〜30代の方が集まったので若い世代の声を拾えたことは良かったと思っています。

 

今井:そして、先ほどお名前が挙がった中村うさぎさんにもお話を聴きに行って3時間近くのロングインタビューをさせていただきました。普通は著者には書くことに集中してもらうため、本に関するインタビューの依頼は編集者がやるんです。ただ、中村さんに関しては北条さんの熱意が異常だったので北条さんからインタビュー依頼のメールを出してもらいました。おかげさまで中村さんは快諾してくださいました。第4章が全部中村さんのインタビューなんですが、ほぼ直しがなかったんですよね。

 

北条:「これだけ私のことを理解してくださる方に書いていただけて幸せです」という文面をメールでいただいたので、早速保存して印刷して家宝にしました!

 

(会場笑い)

  

最古の整形はインドの刑罰がきっかけ

 今井:そんな風にして出来上がった本です。今日は、この本の内容にとどまらず、本には書けなかったことについても話していきたいと思います。

僕と北条さんにとってこの本は我が子のようなもので、客観視できないところもあります。平林に事前に読んでもらったので、思ったところなどをお願いします。

 

平林:まず僕なりの理解について話しましょうか。文章は非常に平易なんですが、内容は高度だと感じました。整理して読まないと難解な部分がある。

 

今井:えっ、そうですか?

 

平林:簡単に言うと、この本には3つの違うテーマが入っているんです。まずは「整形の技術」に関する部分です。整形の歴史から始まって、現状その技術がどういったところまで来ているのか。もうひとつは「整形に対する意識」について。これは整形をしようとする人の意識だけじゃなくて、周りの人とか男性などの意識にも言及している。社会的に、整形をしようと思う人たちがどう見られているか。さらに「整形をした人たちの体験」の話。一般の方と、うさぎさんのインタビューと2章分入っているんですね。「技術」「意識」「体験」という3本の柱があってそれが相互に関係していると。僕は普段から整形について考えているわけではないので、そのあたりを整理しながら読みました。非常に面白かったです。

 

北条:ありがとうございます。

 

平林:ちょっといくつか疑問があるので、そこについてお訊きします。元々は美容整形の技術は美容整形のために生み出されたものではなかった。戦争などで顔に自然治癒しないような傷を負ったひとのための技術が転用されたことから始まります。でも、最古の整形はもっと古いんですよね?

 

北条:最古の整形はインドで、罪を犯した女性の鼻を切り取るということがあり、その女性たちが医者に駆け込んだのが始まりだとされています。麻酔技術などもないので、かなり痛かったはすです。本格的に始まるのは第1次世界大戦後です。接近戦が行われたことで傷を負う方が多く、鼻の再建手術がすごく発展し、はじめはアメリカで広まりました。日本では明治時代に初めて、十仁病院で二重まぶたにする美容整形手術が行われています。これは顔を西洋風にしたいというものでした。二重まぶた埋没法というのはメスさえ入れない簡単なものなので、麻酔技術さえあれば痛くないです。それから戦後に再建手術の応用は日本でもなされて、今に至ります。1978年に当時の厚生省で美容整形外科が正式に認められて、そこから病院や診療所が増えていきました。

 

平林:元々あった外科などの技術が美容整形に入ってくるという流れでしたが、いつからか美容整形の独自技術が発展してきた、という理解をすればいいのでしょう?

 

北条:そうですね、90年代後半にプチ整形がポピュラーなものになって、そのプチ整形のための技術というのが発展しました。プチ整形は「メスを使わない」「ばれない」「(麻酔があるので)痛くない」という3つが揃ったものです。他の例としては、脂肪吸引などがあります。痛みをより少なくしたり、術後の経過をはやくする技術なんかは明らかに整形のためのものです。

 

平林:さらに、その技術の変化とともに意識の変化があったわけですが、この部分が僕にとっては一番追いつくのが難しいところでしたね。具体的に、整形を検討をしたことかないので。

 

北条:男性は恋愛市場で見た目が重視されるゲイの方のほうが、整形したい人は多いそうです。特に、中高年の男性は整形する方が少ないです。うさぎさんの言葉をお借りすると、男性は結婚してしまうと収入がある限り外見で思い悩むことは少ない、ということでした。逆に若い男性で、女性にモテたいから髭を脱毛するという方は、最近本当に増えています。あと、見た目で判断されるホストの方が二重に整形されることは多いですね。

 

浜崎あゆみが「理想の顔」

平林:若い女性を中心に整形に対する意識の変化が起こっていて、以前は隠さなきゃいけないものと思われていたけど、整形をオープンにする人も増えてきたという話が最初に出てきますね。

 

北条:特にギャル系の読者モデルの子たちにその傾向がありますね。彼女たちは読者モデルとして上り詰めるために、ファンを獲得しなければならないんです。そのなかで整形をオープンにするということは、「コンプレックスを持っている私」をさらけ出すという行為になるので、ファンの強烈な共感が得られるんですよね。一般の女性にとってのモデルケースとなって、ハードルが下がるという効果もあると思います。

 

平林:ゼロ年代の半ばくらいまで、浜崎あゆみさんが「理想の顔」だったという話がありましたよね。日本人にはなかなかいないような二重ですけど。

 

北条:おそらく、メイクに関心のある女性であれば、自分の二重がどういう二重なのかは意識していると思います。女性誌に載っているメイクのやり方が二重ごとに違うので。その中で、浜崎あゆみさんの登場はエポックメイキングなものでした。彼女がデビューしたのは90年代後半でしたが、それ以降彼女がギャルのカリスマになり、一大ムーブメントを巻き起こしていきました。高須クリニックのWEBには、いま美容整形の二重手術を希望する女性のうち50%は浜崎あゆみさんのような目になりたいと書いてあります。幅広並行二重が、今の20代から30代にとってはひとつのモデルになっているんですね。

 

今井:ただ、それは男性から「すごくかわいい!」と思われるものとは、少しずれているんですよね。

 

北条:そうですね。石原さとみさんとか綾瀬はるかさんは奥二重なんですよ。全然目が大きくないんです。

 

平林:おそらくですが、女性の方が目にこだわりを持っている気がしますね。

 

北条:インタビューした23歳の女の子は、まず目頭を切開しました。目と目の間を近づけると大人びた上品な感じになるんですね。そのあと、一重だったのを埋没法で二重にしたところ、大学に入ったタイミングで異性から非常にモテるようになったと言っていました。自分でもわかるくらい男性の反応が変わったことで、男って単純だなあと思ったそうです。目の大きさが変わったことがモテるようになった原因だと、彼女は分析をしていました。彼女の目は浜崎あゆみさんよりは石原さとみさん系の自然な二重でした。

 

平林:整形の流行りとは違うタイプだったということですね。

 

北条:ただ、流行りも2タイプあるということを外科医の方にインタビューしてみて思いました。水商売の方などは術後2ヶ月仕事を休めば良いので、できるだけ大きい二重にする人が多いです。一方で、絶対にバレたくない社会人や学生は、ちょっと二重の幅を狭めにして目が腫れにくい方法をとる人もいるようです。大きければ大きいほど良いという人と、バレたくないので小さくても良いという人、2つの潮流があります。

 

娘が整形しても父親は気付かない

今井:バレたくないという話ですごいなと思うことがありました。インタビューをした社会人1年目の方で、学生のときに何度かにわけて整形をしたという方がいらっしゃいました。実家暮らしなのに、お父さんには一切バレていないという話でした。お母さんには事情を説明していて、術後は部屋にひきこもったらしいんです。ただ、お父さんとはすれ違っても下を向いたりしてやり過ごしたそうです。ダウンタイムが終わって、お父さんに「なんか大人っぽくなった?」と言われても「メイクを変えた」と言ったそうです。

 

平林:自分が父親だったら、わからない自信がある!(笑)

 

北条:中村うさぎさんの主治医の方に見せていただいた患者さんの症例写真で、元々は和風の顔立ちだった看護師さんがギャルになっていく様子が写真に収められていました。「この方の親御さんは気付かないんですか?」とお聞きしたら「全然気付かないんですよ」と言うんですよ。名古屋から東京に出てきて洗練された、垢抜けたということで納得されたそうなんです。私からは垢抜けたというレベルには見えなかったんですが……。

 

今井:東京すごい!

 

(会場笑い)

 

平林:本当にちょっとずつやられたらわからないと思いますね。でも、意識の面から言うと他人の目を気にしすぎるのもつらいものがありますよね。別に整形しなくても良いのになあと思われる人でも、小さい欠点が気になりだすと、それが肥大化していってしまう。これで最後と思ってもどんどん整形を重ねてしまうという人は、どこかで客観性を見失っているような気がします。逆に服装に最低限の清潔感さえなくても良いという人も、客観性を見失っているのではないかと思います。その間のどこに合意点を見出すか、という部分を考えるのにも、この本はうってつけだと思いましたね。

 

初恋はアシタカでした

平林:ところで、今井くんは女性のファッションとかメイクとかを気にする?

 

今井:ファッションとメイクは気になりますね。僕は、ファッションやメイクに気をつかっているかということと社会性がある程度相関していると思っています。ファッションに全く気をつかってない人とは、もしおしゃべりするにしてもこっちが何か頑張ったり我慢をしたりしなきゃいけないのかなという気がします。逆に、ファッションを頑張りすぎている人も同じですね。

 

平林:なるほど。でも、その答えは優等生的だよ! もうちょっとぶっちゃけようよ! 本当の自分をさらけ出していこうよ! (会場に向かって)今の今井の答えは優等生的すぎると思うんですが、皆さんどうですか?

 

(会場から同意のざわめき)

 

北条:追い詰められる今井さんを見るの、新鮮です(笑)

 

平林:僕はスカートとか髪の長い女性とか、女性らしいファッションが苦手です。なんでなのかわかりませんが、自分と遠い気がしてしまう。多分、3m以内に近づけないくらいの苦手さですね。どちらかと言うと、男に混じって遊んでいて違和感がないタイプの方が怖くないので安心します。非常に非モテ的な思考なんですが、怖い女性と怖くない女性がいますね。僕のような男性は結構多いんじゃないかと思いますよ。ただ、今井はそうじゃないと思うので今井の話が聞きたいですね。

 

今井:僕もその話はすごくわかります。高校のときは理系男子クラスだったんですよ。

 

平林:僕は文系男子クラスだった。擬似男子校状態になるよね。

 

今井:僕の場合は理系男子クラスだったのでオタクがいるエリア、という扱いでした。映画の『桐島部活やめるってよ』をみたとき、めちゃくちゃわかるなあと思って新宿バルト9で立ち尽くしましたよ。イケてる女子ってイケてない男子のこと人間扱いしないんですよ。僕は人間扱いされない方でした。

 

平林:それは僕もだよ! 気持ちはすごくわかる。僕が高校生のときは綾波レイが最高の女性だと思っていたから。

 

北条:私もわかりますよ。初恋は『もののけ姫』のアシタカでした。あとは江戸川乱歩の小説に出てくる、小林少年というキャラクターが好きで、ずっと絵に描いていました。

 

平林:少年探偵団の団長ですね!

 

北条:アシタカや小林少年など、二次元の中性的な男性を好きになってしまうメンタリティーの自分のなかには、おそらく男性への恐怖があったと思うんですよ。『キャバ嬢の社会学』にもそれをうるさいほど書いてしまったんですが、男性への嫌悪感っていうのは、男性に媚びる女性への嫌悪感にも結びついてしまうんです。女性として成熟するからこそ、異性と交際する権利があるという風潮を内面化してしまったんですよね。

 

平林:逆に、そういう女性が怖いんですよね。早生まれで成長が遅かったからかも知れませんが。

 

北条:私はいまだに第二次性徴を待っているんですけど、まだ来ません。だから、女性の美の欲望に興味がいくんでしょうね。

 

今井:なんとツッコんだらいいのか分からない!(笑)

 

顔は他人のもの

平林:この本では「顔」を扱っていますが、広く言うと自分の見た目というのは全て自分のものではなくて、他人から規定されるものですよね。顔以外にも、見た目で判断していることは多いと思います。それは人間だけじゃなくて、iPhoneとAndroidどっちが見た目が優れているか、とか。

 

北条:消費社会では見た目がアイデンティティを規定するようになっていく部分がありますよね。

 

平林:それが行き過ぎてもみんながしんどくなる気がするので、どの辺で落ち着けたら良いのか。それは個々人で決めるしかないことかもしれませんが。

 

北条:そのテーマに関しては、本の後半で書いていることでもあります。色んな方に取材をして思ったのは、美の基準をどこに置くか、幸福かどうかということは本人の主観でしかないということです。本の中で勘違いブスという人たちについて書きました。例えば、木嶋佳苗さん。言い方が難しいのですが、恐らく多くの人が、彼女のことを美人とは思わないのではないかと思うのですが、それでも彼女は幻想の中で「私は美人」というところに耽溺しておられる。彼女が起こしたことはもちろん別として、彼女は幸せだったと思うんですよね。哲学でも、自分の顔がどうかというのは他人からしかみえないという議論があり、本の最後でそれに触れています。私も自分の顔を写真に撮ってもらうと思うことなんですが、自分の顔が他人のものだから苦しいと思うんです。

 

平林:少し分かる気がします。

 

北条:私が判断できないんですよ。他人に預けてしまっている顔だからこそ、褒められればとても嬉しいです。一方で、他人のものだから傷つけないようにちゃんと磨かないといけないという気持ちもあります。他人に預けた顔をちゃんと小綺麗にしないと他人を不快にさせてしまうから、常にお化粧しないといけないとか整形で綺麗にしないといけないと思っていると苦しいです。哲学の、特に現象学のなかでは顔は主観的に他人との間に生起する現象である、みたいな言い方をされますが、よりそれを突き詰めると顔って結局他人のものでしかないと思います。

 

今井:自分の体だけど自分のものではない……。

 

北条:そういう視点で言うと、他人のものだからどうなったって良いという考えもあるんですよ。私がホステスの研究をしていたときに、40代くらいのホステスさんで異形に近いくらい整形をされている方がいて非常に驚きました。そういう女性はもしかして、他人の評価はどうでもいいというタイプなのかもしれません。異形であっても他人の評価する他人の顔だから、評価などどうでもいい。逆説的にそちらの方が主体的に見える瞬間がありました。

 

平林:でも、大多数の他人からすると、やはり異形なわけですよね。それはそれで、個性として受け容れても問題ないと言えば問題ないはずですが……。

 

今井:うーん、見た目で評価することが行きすぎると、自分も含めてしんどくなるんですよね……。

 

北条:でも、みんなそういう部分を少なからず持っていて、社会の中では多数の空気を作っているのかも知れません。時々、『小悪魔ageha』の読者モデルさんでも、整形を繰り返して異形のようになっている方がいらっしゃいます。それはつまり、多くの方が、他人に明け渡した自分の顔に、どうしてもこだわってしまうということの代表例なのかもしれません。他人のものだからこそちゃんと磨き上げないといけないし、迷惑をかけちゃいけないという風に考えてしまうんですね。

 

平林:いや、考えるべきことがすごく多いですし、実は整形を考えていない人にとっても、すごく身近な問題なんですよね。

 

今井:です! なので、ぜひ皆さん、本を買ってください!

 

平林:おお、上手くまとめた?

 

北条:(笑) みなさん、どうぞよろしくお願いいたします。

 

(会場拍手)

 

このあと、イベントは質疑応答に移行。きわどい内容が続出しましたので、その部分は会場に来られた方限定、ということで……。

そして、本日20時から次の「星海社新書夜話」が開催されます!

 

「星海社新書夜話〜書き続けるための生存戦略“記名で本・記事を出すライターは何が違うのか”〜」

宮崎智之×小池みき×平林緑萌×今井雄紀

http://peatix.com/event/96373

 

日時:6月25日(木) 20:00~22:00(予定)

チケット:2000円(1ドリンク付き)

場所:B&B *アクセスはこちら

申し込み方法:店頭にてお申し付けください

出演:宮崎智之(フリーライター) 、小池みき(フリーライター・漫画家)、平林緑萌(星海社エディター) 、今井雄紀(星海社『ジセダイ』編集長)

 

数々の星海社新書の構成などでお世話になっている、宮崎智之さんと小池みきさんが登場!

レポートには載せられない、えげつないエピソードも飛び出すかも!?

当日券もありますので、たくさんのご参加お待ちしています!

 

星海社新書『整形した女は幸せになっているのか』

著者:北条かや

定価:860円(税別)

ISBN:978-4-06-138569-6

発売日:2015年5月25日 *発売日は、お住まいの地域によって異なります。

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