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HOME > ジセダイ編集部 > エディターズダイアリー > 文章にも「カメラワーク」がある! 『嫌われる勇気』はなぜスラスラ読めるのか

エディターズダイアリー

文章にも「カメラワーク」がある! 『嫌われる勇気』はなぜスラスラ読めるのか

今井雄紀
2016年03月07日 更新


ベストセラー『嫌われる勇気』の
第二弾にして完結編となる『幸せになる勇気』が、
2月末、発売となりました。 

 

「アドラー心理学」という、日本人になじみのなかった概念を、
 物語にのせてわかりやすく説明したこの本が売れた理由に、
「圧倒的な文章の読みやすさ」があることは明らかです。

 

「読み辛い」文章については誰もが敏感ですが、
読みやすい文章は、その字のとおり「読み易い」がゆえ、
誰もそのことに気がつきません。

 

いったい文章の「読みやすさ」とはなにによって
もたらされるのでしょうか。


「文章の読みやすさ」が「リズム」によって担保されるものであり、 
リズムは「カメラワーク」によってうまれると主張されているのが、
『嫌われる勇気』・『幸せになる勇気』を書いたライター、古賀史健さんです。
※書籍内ではリズムと「接続詞」の関連性にも言及されていますが、
ここでは「カメラワーク」にしぼって書かせていただきます。

 

唯一の単著となる『20歳の自分に受けさせたい文章講義』の中で
古賀さんは、映画における「カメラワーク」の役割を説明したうえで、
文章の基本構成である「序論・本論・結論」の話を、
「カメラワーク」に例えてこう説明されています。

 

書店の「新書」コーナーにて好評発売中です。

  

(中略)文章を書く人間も、もっと文章における〝カメラ=眼〞の存在を意識すべきだと思っている。つまり、こういうことだ。

 

 ①序 論……客観のカメラ(遠景)

 ②本 論……主観のカメラ(近景)

 ③結 論……客観のカメラ(遠景)

 

 ①の序論で語るのは、客観的な状況説明だ。

 これから本論でなにを語るのか、なぜそれを語る必要があるのか、世のなかの動きはど

うなっているのかなどを、客観的な立場から明らかにする。カメラはずっと高い地点から

俯瞰で対象をとらえている。

 続いて②の本論で語るのは、それに対する自分の意見であり、仮説である。

 カメラは対象にグッと近寄り、かぎりなく主観に近いポジションから対象を描いていく。

自説を補強・検証するためにロングショットを差し挟むことはあっても、基本的には半径

数メートルの映像だ。

 そして③の結論では、再び客観的な視点に立って論をまとめていく。展開された自らの

意見を「風景の一部=動かしがたい事実」として描くわけである。

古賀史健『20歳の自分に受けさせたい文章講義』(星海社)

 

このお話しは『情熱大陸』などのドキュメンタリー番組を
イメージしていただくとよりわかりやすいかもしれません。

 

テレビの密着ドキュメンタリーは、
最初に固定カメラで主役の仕事ぶりを捉え、
業界内での立ち位置などを説明したうえで、
ハンディカメラでその実像に迫っていくという
構成になっていることが非常に多いです。
(このとき、だいたい車の中)
最後は、ふたたび遠景になって、かっこいいひと言と一緒に
主役が雑踏の中に消えていったりしますよね。

 

 これは大枠の構成に限った話ではない。文章を書くときには常にカメラワークを意識し

よう。

 カメラはいまどこに置かれ、どんな順番で、なにをとらえているのか。対象との距離感

はどれくらいなのか。同じ距離、同じアングルばかりが続いていないか。場面(論)が転

換する際に、それを知らせる遠景のショットは挿入したか。

 カメラを意識するようになると、文章文章のあるべき順番理解しやすくなる。文章

説得力してくる

 そしてもちろん、文章全体にメリハリがついてリズムもよくなってくる

古賀史健『20歳の自分に受けさせたい文章講義』(星海社)

 

実際に古賀さんが書かれた本を読むと、
「カメラワーク」のうまさがよくわかります。

 

『嫌われる勇気』、『幸せになる勇気』で言えば、
登場人物は青年と哲人のふたりだけ。
舞台装置としては『徹子の部屋』に近い、非常にシンプルな状況です。
会話のみで進行する作品なので、
ともすればふたりのアップばかりを
写してしまいそうなところですが、
「回想VTR」としての具体例を入れたり、
会話の中にそれとなく「まとめ」を入れたりして、
心地よいリズムをつくられています。

 

古賀さんは編集者に「躍るような文章を書くライターだ」と
評されたことがあるそうですが、
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』を読むと、
その技巧の一端にふれることができます。
一端というか、すべての種明かしが、
極めてわかりやすくなされていると言っても過言ではない内容です。

 

  • 導入は「映画の予告編」のつもりで
  • 「わかるヤツにわかればいい」のウソ 
  • 読者を巻き込む「起〝転〟承結」
  • ローリング・ストーンズに学ぶ文章術
  • 下手な文章術より映画に学べ

 

などなど、「カメラワーク」 レベルの濃度のお話が、惜しみなく続きます。
(目次はこちら

 

ぼくも机の上に常備しています。

 

メール・ブログ・LINE・Facebook・Twitter……今やこの日本に、
「書かない人」はいません。書く力は、そのまま生きる力になります。
きちんと読んで実践すれば、あらゆる文章の書き方がアップデートされるこの本を、
日本語をあつかうすべての人におすすめしたいです。

 

星海社から出ている本を星海社の編集が激賞するのは
どう読んでもうさんくさいと思いますが、
この本はぼくが星海社に来る前に出版されたものなので
そこを加味していただければ幸いです。
無料試し読みだけでもいいので読んでみてください。


 

 

 

 

 

 

 

 

 




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86年生まれ(早生まれ)。滋賀生まれ滋賀育ち。大学では、京都でロックのイベントをしつつ、マネジメントについてまじめに勉強。就職を機に上京し、新卒でリクルートメディアコミュニケーションズに入社。営業→ディレクターを経験した。「Webと紙の書籍、イベントを組み合わせた新しい出版事業をつくる」という志に共感し、2012年5月、星海社に合流。主な担当企画に『アニメを仕事に!』、『声優魂』、『キャバ嬢の社会学』、『夢、死ね!』、『内定童貞』、『百合のリアル』、『あなたのプレゼンに「まくら」はあるか?』、『サマる技術』など。都内は自転車で移動。好きなチェーン店はコメダとねぎし。尊敬する人物は、小谷正一。

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