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HOME > ジセダイ編集部 > エディターズダイアリー > 反中・嫌中はなぜ浅はかなのか 『知中論』刊行によせて

エディターズダイアリー

反中・嫌中はなぜ浅はかなのか 『知中論』刊行によせて

平林緑萌
2014年09月28日 更新

星海社の平林です。
今回は、表題の通り安田峰俊氏の新著『知中論 理不尽な国の7つの論理』について書いてみようと思います。


(試し読みはこちらから)

さて、本書の帯には「反中・嫌中を乗り越えろ!」とあります。
ご存知の通り、現在の出版業界では、反韓・嫌韓本と並んで反中・嫌中本が数多く出版されています。
Amazonで「中国 なぜ」などと検索ワードを打ち込んでみると、その点数が尋常でないことに改めて驚かされます。

なぜ、こんなにも沢山の反中・嫌中本が出版されているのでしょうか?
その理由は明快で、「売れるから」です。
もちろん、全てが売れるわけではありませんが、ちょっと俄には信じがたいような部数をたたき出しているものも一点や二点ではありません。

出版は経済活動です。
読者の需要に応えることは、書き手や出版社の義務でもあります。
ですから、反中・嫌中本を出すことはまかりならん……などとは僕は思いません。
書店とて同様です。売れなければ、店頭を席巻することはありません。
商売として、現時点において反中・嫌中は間違っていないのでしょう。


しかしながら、それが本当に我々の社会を利するものであるのか、という点では、大いに疑問があるのではないか……と思うのです。
もう少し具体的に言うと、反中・嫌中言説が横行しすぎるのは、日本にとって害になるのではないかとすら思うのです。

言論NPOの最新の調査では、中国に対する好感度は史上最低を記録しています。
尖閣諸島をめぐる問題や、少数民族への弾圧、記憶に新しい反日デモでの破壊行為など、確かに中国はいけすかない国です。
僕自身も、これらの問題については良い感情を持っていません。

けれども、そこから短絡的な感情論に走り、理不尽な中国を、「最低国家」とこき下ろして溜飲を下げたところで、我々には何か長期的な利益があるのでしょうか?
事態を打開するどころか、他の国々から「日本人はバカだ」「中国とどっちもどっちだ」と思われるのがオチでしょう。

かといって、かつての左派系知識人のように中国に関することは何でも過剰に賛美する姿勢が正しいとも思いません。
安田氏が先日『ジセダイ総研』に寄せた文章で述べていた中国民主化幻想も同様です。
これらはいずれも、現実の複雑さを認識することを放棄して安易な結論に飛びついただけの、甘えた思考停止に過ぎません。


歴史的に見て、日清戦争以降の100年余りは、日本が中国を圧倒した珍しい時代でした。
我々は「運悪く」そのような時代の終わりに居合わせているようにも見えます。
しかし、だからそこ我々は、ここで短絡的な結論を求めてはいけないのではないでしょうか。


中国の社会はどんな論理で動いていて、日本はそれにどう対処していくべきなのかを、真面目に考えなければなりません。

『知中論』では、以下の7つの問題をとりあげました。

  • 中国の覇権主義
  • 尖閣問題
  • 反日デモ
  • 靖国問題
  • チベット、ウイグル問題
  • 習近平の実像
  • 日本人の対中感情


また、中国人漫画家である孫向文氏に、中国の都市部の若者の姿を、20ページに亘って書いていただいています。
こちらも、安易な中国像とは違うものを見せてくれると思っています。

反中・嫌中を叫ぶ人たちは、中国が気になって仕方がない人たちだとも言えます。
折角興味があるのなら、じっくりと中国について考えてみるのはどうでしょうか?
逆に言えば、今は絶好の機会なのです。


個人的には、『知中論』を読まれたら、次の長期休暇の折にでも中国を旅行されることをおすすめします。
そのうえで、自らの目で、中国の本当に「悪い」部分と、意外と「いい」部分を見つけてみてください。

――どちらの印象も薄かったら?
それはそれで結構です。
反中・嫌中の方には悪いのですが、普通に観光をする分においては、中国は案外普通の国だったりもするのです。

 

(画像クリックで試し読みページへ)

エディター

平林緑萌

雑誌、小説、ノンフィクション……釣り竿片手になんでも作る!

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星海社エディター。
1982年奈良県生まれ。立命館大学大学院文学研究科博士前期課程修了。書店勤務・版元営業を経て編集者に。2010年7月、星海社に合流。歴史と古典に学ぶ保守派。趣味は釣りと料理。忙しいと釣りに行けないので、深夜に寂しく包丁を研いでいる。

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