内在論理を知れば中国は怖くない──反中・嫌中の先へ
尖閣諸島への露骨な野心、反日デモにおける破壊行為、言論統制や少数民族の弾圧─。日本人の目から見た中国は、理不尽で横暴、人権も民主主義も認めない「悪い国」にほかなりません。しかし、中国を論じる視点を彼らが「バカ」で「悪」であることだけに求め、感情的な反中・嫌中に走るのは得策でしょうか? 中国には中国なりのそうならざるを得なかった事情もあるのではないか?本書ではそんな視点から、日中間に横たわる諸問題の背景にある文脈を丁寧に解きほぐしていきます。日本にとって中国は、二〇〇〇年近い交流と対峙の歴史を持つ隣国です。いま最も必要なのは、蔑視も理想論も捨ててリアルな中国と向き合う態度なのです。
反日デモの背景にある中国の庶民のバーバリズムの原点は、作中の李逵(李鉄牛)の暴れぶりにあり? 中国の庶民人気が高いトリック・スター像を知るには、同じ横山作品の『三国志』序盤での張飛の描写も必読だ。
清朝中期、名君・雍正帝に任命された地方官僚の藍鼎元が記す広東省東部の田舎町の実態。近年、尖閣海域にやってくる漁船の地元もこんな場所かもしれない。現代にも続く、中国の民間社会の素顔がわかる一冊。
現代の中国の覇権主義の根底にあるのは、同国の「暗黒の近現代史」へのトラウマだ。世界一を自認した往年の中華帝国の姿と、彼らがいかに没落したかを知ることで、現代の中国が見えてくる。
大戦前夜の満蒙に生きた青年の青春と挫折。主人公のウムボルトは日蒙混血、ヒロインの麗花はシボ族、重要人物のウルジンやジョンジュルジャップはモンゴル人。日本にも中国にも属さない少数民族の苦悩を読み取りたい。
中国を最も愛した男は、中国人を最も殺した男だった? かつて蒋介石の国民革命に夢を託した「支那通」軍人が、絶望して反・中国にはしるまで。日本人の中国観を知るうえで必読だ。
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