こんばんは、星海社の平林です。
いきなり自分の話で恐縮なんですが、僕、書籍編集の前は雑誌編集でした。
その前は、版元営業で書店さんを行脚する日々を送っていまして、更にその前、出版業界に入った一番最初は書店員だったんです。
そんなわけで、書店……なかでも現場には、すごく愛着があります。
棚作りと編集って、実はかなり近い理屈だったりするので、書店時代に学んだ技術が、今でもしっかり役立っていたりもします。
現在、僕が書籍編集者としてお世話になりまくっている取引先に、鴎来堂さんという会社があります。
こちらの鴎来堂さん、校閲会社さんなんですよ。
校閲さんと言えば、原稿の誤字脱字や事実確認などを担当する、出版業界にかかせない裏方ですな。
が、そのお鴎来堂さんがなんとこのたび、神楽坂で「かもめブックス」なる書店をはじめられる(廃業する書店さんの跡地で開店)とのこと。
一報を聞いて、書店大好き人間であるところの僕は、早速社長の柳下さんに電話をかけました。
平林「どうも、こんばんは」
柳下「こんばんは。平林さん、今日も悪そうな声ですね!」
平林「わはは、任せて下さい! ……ところで、このあとゲラをお持ちするついでに、かもめブックスさんの店内を見せて貰えませんか?」
柳下「いいですよ〜」
とかなんとかいうやり取りがありまして、夜のかもめブックス(内装工事前)に潜入ですぞ!
訪問した日は、丁度内覧会の日だったそうで、チョークで壁や床には色々と書いてあります。
店内は奥行きがあります。
楽しそうに案内してくれる柳下さん。
というわけで、ここにどんな内装が施され、どんな什器が入るのか楽しみですね!
鴎来堂さんとは、もう4年ほどお仕事させていただいています。社長の柳下さんとは個人的にも仲よくさせてもいただいています。
なので、このエントリでは、まだ見ぬかもめブックスを爆アゲして終わろうかな、と最初は考えていました。
そんで、今度柳下さんから一杯おごってもらおう……とか。
でも、真剣かつ楽しそうな柳下さんの表情を思い出すうちに、考えが変わりました。
実に個人的に、かもめブックスに期待することを書いて、締めとしたいと思います。
それは「楽しい書店を作ってほしい」ということです。
これ、すごく月並みな言葉ですが、個人的には今必要なんじゃないかな、と思うわけです。
僕が出版業界に入った10年ほど前、既に「出版不況」「斜陽産業」と盛んに言われていました。
現在の状況は、当時よりももちろん厳しいものです。
本が好きで仕事をしているはずなのに、苦しそうな人も時折見かけます(幸い、僕は毎日とっても楽しいですが)。
そんな、出版業界の苦しさを微塵も感じさせない、入店するだけで別世界が広がるような楽しい書店を作ってほしい。
一般のお客さんが「なにこの書店、超楽しい!」ってなるような、出版人が行けば「やっぱり出版業は最高だぜ!」ってなるような、そんな書店ができ上がることを、坂の下の音羽から期待しつつ、見守っています……。
いや、実は見守るだけじゃなくて、ちょこっとお手伝いしているんですが。
というわけで、このエントリ、たぶん続きます。
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