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HOME > スペシャル > 語らせてくれ『HiGH&LOW』! > HiGH&LOWを見てバイクに乗ろう

語らせてくれ『HiGH&LOW』!

HiGH&LOWを見てバイクに乗ろう

2017年05月22日 更新
HiGH&LOWを見てバイクに乗ろう

HiGH&LOWを見るとバイクに乗りたくなりませんか? 怖くないです。めんどくさくないです。タイヤがどうこうとかめんどくさい事を言うオッサンとかは無視してキラキラ感溢れるバイク乗りを目指しませんか。本稿はHiGH&LOWの影響でバイクに乗りたくなった皆さんを応援しています。

えー業界が荒廃し始めているというかかなり酷い不景気の波に翻弄されている国内二輪業界ですが、HiGH&LOWにはたくさんバイクが出てきます。これは「バイクはかっこいいぞ」とわざわざプロモーションしていただいているような物なので、国内二輪業界はこぞって乗ってきていただきたいと思います。出てくるのは殆どハーレーなのでは? などという疑問はこの際、置いておきます。
 とにかくバイクはカッコイイし決まるの! という原点に立ち直るのが大切なのであってですね、年々、ライダーの平均年齢が大きい数に更新されているという現実を冷静に見るべきではないでしょうか。
 HiGH&LOWを見るとバイクに乗りたくなりませんか? 怖くないです。めんどくさくないです。タイヤがどうこうとかめんどくさい事を言うオッサンとかは無視してキラキラ感溢れるバイク乗りを目指しませんか。
 本稿はHiGH&LOWの影響でバイクに乗りたくなった皆さんを応援しています。



お手軽編

KTM 390DUKE


セイラが乗ってる奴。「普通自動二輪免許で乗れる」というのもありますが、カスタムせずにまんまでいいというのが魅力です。店頭でこれくださいで終わる。HiGH&LOWに出てくるバイクはどれも「これください」じゃ済まないのですが、作中の登場人物の中でも戦闘力に秀でる演出が為されているセイラが乗ってるというポジションが絶妙です。
 確か六十万円前後で買えます。同じ形で排気量の低い250もありますが、ついつい車検がないからと言ってそちらに流れがちですがここはキッチリ390にしましょう。そもそも車検制度って飽きっぽい日本人には大変向いている、いい制度で、二年ごとに考える機会が与えられ、整備する必要も出てくるのは大事です。乗りっぱなしだと壊れます!
 単にカッコイイというだけでなく、390DUKEは乗り味も大変高評価。ロングツーリングからレース仕様、コンビニ通いまで幅広く使えてそんなに高くない、素晴らしいバイクなので国内二輪業界も見習って欲しいと当方は考えております。


カワサキ D-TRACKER(生産終了


黒いの買うだけで無名街の住民。オフロード車ではなくモタードを選ぶのがコツです。前輪が小さくなっていて舗装路用のタイヤ履いている奴です。わざわざ生産終了のD TRACKERじゃなくても、今国内二輪業界は「オフロード車」よりもモタードを多くラインナップしていますが、個人的には先駆けた感の強いD TRACKERの名前を出しておきます。何ならネオンまみれにすれば、レッドレインで雨宮兄弟と競り合っていた謎のトロンみたいな人たちにもなれますが、なりたい人、あんまりいなさそうですし。
 ただ個人的な経験則から言うとモタードってコーナーリングが凄い怖い。オフロード車がベースなので、シート高がある割に寝ちゃうから「落っこちる」感が凄いしついつい飛ばしすぎるし何か怖い。
 そこで当方がお勧めするのはD TRACKERからちょっと外して、こちらです。

 同じカワサキの「KSR PRO」です。125ccという粋な括りも良いです。
 KSR PROの何がいいかと言うと、基本性能の高さもさることながらルックスが可愛い事です。ミニチュア感がある。可愛くないですかアレ。黒も確かありましたし。本当はつや消し黒で全体を塗るとまたいいんですが、塗らなくても無名街らしさは出る気がします。
 あんまりそのままにすると「お前そのバイクで飛んだり跳ねたり出来るんだろうな?」と意地悪なプレッシャーをかけられがちですが、KSR PROなら洒落で済みます。お勧めです。


ヤマハ マジェスティ(生産終了)出来ればC型


 別にマジェスティじゃなくても、ビッグスクーター買って真っ白に塗ればホワイトラスカルズになるような気もしますが、何となく。あとエアロパーツが豊富。デコトラ感まで行かないジェントルな感じでカスタムすれば比較的お安く済みます。
 ただこれもよくよく見ると「長過ぎ」や「コンパクト過ぎ」という違いがあって、マジェスティ辺りがバランス一番いいです。マグザムだと長すぎるしフォルツァだとコンパクト過ぎるしスカイウェイブだといかつ過ぎる、という印象。
 ただROCKY仕様のトライク(三輪自動車扱いになる)にすると結構お値段かかります。でもアレ自動車免許で乗れるしヘルメット着用義務ないから、あれはあれでいいんですが......(日本の道交法とか地上波の制約上から結果としてROCKYの乗るバイクがトライク仕様になったんだと思いますけど、それはそれで)。
 トライク仕様で有名なのは他にも配達で有名なホンダ ジャイロXとかがありますけど、流石にオラつき感が足りないというか、ROCKYがこれで来たら「殺しに来たぜ」というより「お届けに上がりました」って感じになるので、出来ればマジェスティぐらいを購入して欲しいです。トライク仕様はメーカー純正ではないので(前輪が二つあるからといってトリシティとか買っても駄目です)基本中古から起こすと考えてもマジェスティベースが無難ではないでしょうか。
 一時期は飛ぶ鳥を落とす勢いのビッグスクーターも何故かみるみる最近は衰退しているというか、ガツガツしなくなっちゃって、マジェスティの生産終了も悲しい限りです。新車で買うとしたらやっぱりマグザムかフォルツァSiになるかと思われます。この辺は本当にただの個人の趣味の話なんですけどね。

 セイラとか無名街とかラスカルズもいいけど、ホラ、そうじゃなくて......という皆様、お待ちください。よく考えてください、HiGH&LOWに出てくる物は基本的にみんな高価です! 当方としてはもっと気軽に入れる道を模索していきたい!
 とにかくバイクをフルカスタムするのはお金がかかります。その上、作る人のセンスや創作意欲に左右されがちかつ、ビルダーの生活費に直結しています。製作に三ヶ月かかるカスタムバイクを造るのには、必要経費に当然、ビルダーの生活費も上乗せされるので中々おすすめ出来ません。
 ですがやっぱり山王とか、雨宮......って言いたい気持ちも分かりますので、ここからは「ちょっとそれっぽい奴」をご紹介していきます!


ホンダ VT1300CX
スズキ ブルバード M109R(欧州仕様)
ヤマハ XVS1300CU(北米仕様)
カワサキ VULCAN/S


とりあえずここら辺!
 別にHiGH&LOWには出てこないけど何となくそれっぽいのを、まず排気量デカ目から並べてみました。こういう個性の強いラグジュアリー度の高いバイクは基本、金のあるおっさんが買ってしまうのですが、中古で何となく買える気もします。でもそれ買うよりハーレー......って気持ちは分かります! 分かりますが、ここら辺を買うと「基本的に完成されているので余計なカスタムをしない」という賢い選択に繋がります!
 いいですか、HiGH&LOWに出てくる車両は基本的にフルカスタム車です。もうカスタムビルダーのデモ車だけが並んでいると言っても過言ではありません。ヘタに寄せると「何か違うなあ」と細かい事が気になりだし大変な事態になります。
 とはいえこの辺りはそれなりにお値段も張ってきます。ここを狙える余裕があるのであれば、もうちょっと頑張れるという条件下で当方からのお勧めはこちら!


DUCATI XDiavel/S


 はいドン! これきた! 当方はもう「えっ、フルノーマルでもう何か雨宮感出てないコレ......」と度肝を抜かれましたが皆さんはどうでしょうか?
 XDiavel?Sじゃなくてもっと気軽に買える「Diavel」もあるんですけど、XDiavel/S見てからはもう、ダメですね。別にバイクそのものは否定しませんしむしろ凄く良く出来てるし、Diavel。XDiavel/Sはハイスペック過ぎるし高価過ぎるという気もしますが、HiGH&LOW感はもう間違いなくSの方じゃないですか? 何このリアホイール。
 ちなみにこれは実際に跨がって確認して来ましたが、ほぼリアシートが飾りという所も雨宮兄弟感あります。滑り落ちたら回転する後輪の真上に落ちるデザインでした。最悪、死にます!
 ちなみに雨宮兄弟のハーレーもホットロッドカスタムショーに行って確認して来ましたが、一千万くらいします! 三百万で買えるこれで手を打つというのも一つの生き方ではないでしょうか?
(関係ありませんがホットロッドカスタムショーに並んでいるフルカスタムバイクはどれもこれもそれなりの値段がします)
 そういえばレッドレインで雨宮長男こと尊龍さんが幼少期に乗っていたのはカワサキ ZRX400-㈼(カウルなし)辺りでいいと思います。多分。Z750FXやZ1000GP辺りになると「セブンティーズの古いエンジンが」という歌詞に繋がるから本当はそっちであって欲しいんですが、多分違います。というかそこを拘るほど描かれてないし、尊龍っちはもうさっさと凄いハーレーみたいなのに乗り換えて悠然と去って行くし......。
(別項にて書きますが、そもそもZ750FXなんてまともに買ったらとんでもない事になります)

 いやしかし、でもHiGH&LOWってハーレー......ハーレーでしょ......とまだ言うのであれば、仕方ありません! もうハーレー買うのもそれはそれでいいでしょう! いいでしょうけれど、折角なので最初に間違わないようにご注進させて頂きたい。



全然お手軽じゃない編に突入

ハーレーはああ見えて基本的にエンジンが何種類もある

 いわゆる「ハーレーだぞ」っていうのがビッグツインで、もうちょっと快適に走れるのがスポーツスター、そして水冷エンジンのV-RODとストリート750。パッと見分からないよ! ってなるかも知れませんが考えてもみてください、買って所有するんですよ? 嫌でもそのうち違いに気付きます。
 ダンが乗っていた「グレース」がビッグツインで、あれはエヴォリューションという世代です。その後ツインカムになったりインジェクションになったりまたシングルカムに戻ったりするんですが、少なくともそうそう壊れなくなったという評価に落ち着いたエンジンです。ダンは自慢げに三拍子と言っていましたが、あのエンジンで無理に三拍子出させると壊れる原因になるんですが仕方ありません。
 なにげにコブラの乗っているのがスポーツスター系です。ハーレーの中では比較的お安く手に入るし乗っているのがコブラなのでお買い求め易いのではないでしょうか。
 雨宮広斗が乗っているのが、水冷のV-ROD。これも中古市場では落ち着いてきましたが、新車で買うとそれなりにお高いです。その上、ハーレー古参兵のオッサンらから侮られますが侮り返してやればいいと思います。
 最近だと750ccに抑えた水冷のストリート750というのが出てきましたが、HiGH&LOW感を出したかったらスポーツスターかな? という感じです。2017年ラインナップで言うと、スポーツスターでは


フォーティエイト


もしくは


アイアン883


辺りが手を加えずにそのままでHiGH&LOW感出てると思います。これが1200になると何故かHiGH&LOW感が薄れる。個人の感想ですが。

 ハーレーってのはバイクじゃなくて会社の名前

 この辺りは「買ってから」面倒なポイントです。買って所有している人は嫌でも気がつくのですが、ハーレーって社名ですからね。ハーレー・ダビッドソン社ですからね。「ハーレー乗ってるの?」なんて気軽に訊かれた日には「社名だろうが!」ってキレる方も多くなります。ホンダ乗ってるの? に置き換えたらたとえが早いです。ベスパ乗ってるの? などもありますが、幸い、HiGH&LOWにベスパは出てきません。
 良かった〜! オールドベスパ兵はハーレー古参兵並みに強い。
 まあ何て言うか、とにかくめんどくさいです! 傍で見ている分にはいいですけど、当事者になると面倒に巻き込まれがちです! それでもカスタム感がほどよく出ている最近のラインナップは新車から手を加えずに済むので変に安い中古買うよりいいと思われますよ。個人的にはローライダーなどもお勧め。

 ハーレーにヘタに踏み込むと「古いほど偉い」「純正に近いほど無敵」みたいな宗教の勧誘を受ける
 
 この辺について語るとHiGH&LOWから乖離するから、やめます。そういう連中に絡まれたら完全に無視してください。HiGH&LOWっぽいから乗ってるだけだと言い張ってください。強く。強く。強く。
 お金がたくさんあるなら止めはしませんが、本当にオートバイって物の存在価値や用途を考えたらその大金は必要なのか? ってところに入り込むので注意してください。でも山王の仲間に入りたい......という気持ちは痛いほど分かります。あれはラブ・ドリーム・ハッピネスの人たちが乗っているからついつい吸引されてしまうのも分かりますが、ハーレーは底なし沼なので一線を保つという気持ちを忘れないようにして欲しいです。



苺美瑠狂に入りたい

ここで唐突に苺美瑠狂の話をします。何故かというと、ハーレー買うよりめんどくさいからです! 雨宮長男の話でZRX400-㈼でいいじゃん、何もZ750FXとかじゃなくていいじゃん! と強く当方が訴えかけていきたいポイントでもあります。
 苺美瑠狂のバイクは所謂「旧車會」に属するバイクです。族車、と言ってもいいですが、それらが暴走族の足代わりに素っ頓狂な外見でカスタムされていた時代はヘタしたら半世紀前と言っても過言ではありません。
 半世紀も昔のバイクがまともに走ると思いますか? しかも外見がピカピカな訳がないのです。苺美瑠狂たちが所有するバイクですが、


スズキ GT380


を筆頭に(はっきり言及されてたから)恐らくは(めんどくさいから、しっかり確認してない)


ホンダ ホーク㈼
カワサキ KH250


などが挙げられると思います。ヤマハはこの頃、そんなに後まで語り継がれる代物を出していない気がしますが、さすがにXS650などはシブ過ぎて苺美瑠狂には似合いませんしもうそれは苺美瑠狂ではないです。
 とにかくこれら半世紀前のバイクをピカピカにしショッキングな色にしピンストと謎文章のインレタを施すと苺美瑠狂になりますが、幾らぐらいかかると思われますか?
 これが、なんとまず100万円は超えます!
 えっ何でそんな価格になるの? ってそんなものこっちが訊きたいです。恐らくは骨董品的な価値が生まれているのだと思います。実際に走っている所を目撃すると分かるのですが、とにかく、遅い! モタモタしている。スパンと加速しない。いいんです骨董品だから。美術品だから。
 ですが「苺美瑠狂に入りたい」という理由でそんな高額な骨董品をお買い求め頂く事は正直、お勧め致しかねますし、現在の国内二輪業界の為にもなりません。過去は過去! 燃やし尽くして頂きたい。ノボルのように。
 しかし一番勢いのあった頃の国内二輪業界の、美しく駆け抜けたような造形美に魅了される方の意見も当方は否定致しません。でもGT380のピッカピカのレストア車、ヘタしたら二百万くらい行きますよ? マッハ㈽500SSとかが平気で三百万円台で売られているぐらいですから。
 ここで気をつけていきたいのは、決してそれらを指して「金の無駄」とか言ってはいけません。あれはロマンに大金を支払うという他では得られない快感体験なのでそんな事を迂闊に口にしたら血で血を洗う事態に発展します。
 要するに当方が言いたいのは、ただの旧車に大金払ってすぐ壊れるわドン臭いわ燃費は悪いわってなるくらいなら新車を買いましょう! という事です。
 何でハーレーの項目にこれ混ぜてきたの? って言われれば、ハーレーも似たような価値観のコミュニティを有しているからです!
 やれアイアンだパンヘッドだナックルだと、何でボロくて古いのが偉いと彼ら彼女らは繰り返し語ってしまうのか当方には不思議でなりません!(いや本当は分かってるけど、面倒くさい側になってしまうので本稿では冷たく当たる姿勢とする)
 大体、バイクなんて基本的に通勤にでも使用しない限り、嗜好品です!
 ですから三百万もするようなバイクを勢いでお勧めしたくありません。これは新車でもそうです。ましてや旧車って......。
 まあね、ただね、夢はあります。ラブ・ドリーム・ハッピネスの一つの答えでもありますよ、あの頃の日本車は。なんかキラキラしてた。各社がどれだけ無茶をやれるかと魂を燃やしていた、あの頃......ですが実情、既に「族車」ですらなくなっています。若造には手に入らないバイク群。最近見た暴走族の皆さんはホンダ ジェイドとかカワサキ バリオスになってます。既にゼファーですらプレミア付いてて買いにくい価格帯になっている。一番訳が分からなかったのは、ホンダ クラブマンに何故かバリオスのエンブレム付けていた子ですね。もの凄い暴走族感出してましたけど、もう意味が分からない。フェラーリの跳ね馬っぽいからあの立体エンブレム貼っちゃったのかな......。
 そんな感じで苺美瑠狂に入るのは山王連合会の仲間入りするぐらい、ああ見えてハードルが高いという事を皆様に強く伝えていきたい。本当に。

 ところで前述した「KSR PRO」のように「ミニチュア感を出す事によって必要以上のカルマを背負わずに済む」というやり方も当方からは提案致したいです。

 例えばとっくの昔に生産終了なのですが「ホンダ ジャズ」というキワモノがあります。これ50ccなんですけど、後から出た「マグナ50」とかよりHiGH&LOW感があふれ出ています。しかも両方とも信頼のカブ系エンジン。メッチャ遅いですけどそんなのどうでもいいんです。
 やるんならマグナよりもジャズがお勧めですね、どうせマグナだって生産終了だし。
 この辺りなら洒落で済みます。済みますが何せ、物が古い。ネットオークション等でも見かけなくなったほど古い。似たようなのにスティードとかドラッグスターとかありますけど、中途半端に寄せてる上に大きいから洒落っけ少なくなるので余りお勧めしません。
 琥珀さんを思い浮かべて欲しい。どノーマルのドラッグスターやスティードで楽しそうにしている琥珀さんや龍也さんを......この違和感たるや......色んな物に縛られている感が凄い。
 そういえば九十九さんが入院前に乗っていたSRチョッパーですが、SR界隈では割と定番なので、「SR チョッパー」とかで検索すると似たようなのが引っかかります。中古車ばっかりになっちゃいますけど、中古でいいんでしたらそれもアリかなと。



最初に戻る編

 しかしやはり、これをきっかけにバイクに乗ってみよう! という方には新車がお勧めです。
 新車はまず壊れませんし、壊れてもショップに持っていけば何とかしてくれます。ヘタに中古買ってガッカリして欲しくないですし、なるべく新車という方向で行きたいのですが、我々はラブ・ドリーム・ハッピネスではないので残念ながらお金がない。そりゃ石油王だというのでしたら、好きなだけ好きな物を買えばいいと思いますが、それでも何かその金額使い方間違ってませんか? という気持ちにはなります。
 そんな感じで現状、セイラが乗ってる390DUKEが予算や満足感の面からも最適解だと思うんですけど、やっぱり山王に入りたい、どうしても入りたいという村山さんみたいになっている方々の為に、財布にも優しく新車で手に入る山王連合会っぽい奴、となると、必然的に絞られてきます。探してみると、ここに行き着きます。
 というか行き着きました。
 それがコレです。


CCW Heist250


 これね。もうね。まず安い。あとノーマルで既に何かやらかしている感があり、山王連合会っぽくもあり、洒落で済む感じもあり、当方としてはこれがマストバイですね。そもそもCCWって何? ってなるとアメリカのカスタムビルダーがやらかしてる新興メーカーなんですが。
 向こうはそんな心算ないでしょうけど、思い切りど真ん中に球を投げてきています。
 ハーレーでやると高く付く、国産でやると何か違う気がする、そもそも大型二輪とか取るのめんどくさい、高速道路とか乗れたら聖地巡礼に便利、等々、様々な条件下において最適と思われるのがHeist250になります。
 系列店を探すのが面倒で何処にでも売っているという代物ではありませんが、それがまた一手間かかってる感じがして良い。試乗させて頂いた事がありますが、エンジンも癖が無いし思ったより乗り心地いいし、カッコイイし安いし言う事ありません。
 ヘイスト250になるべくキラキラしたメッキパーツを付ける方向でカスタムしていけば山王連合会に混ざっていても違和感なく居ていいよとなるのではないでしょうか? 分かんないけど多分......。
 いやHeist250で「妥協した」とか言いたくないですよ。妥当ですよ妥当。まずここから始めてもおかしくありませんよ、まずは隗より始めよという言葉もあるでしょう。いきなり百だ二百だ三百万だって額を出すのは、一度乗ってみてからでも遅くはありません。
 取りあえず、買ってみる、乗ってみる、そして走ってみる。
 琥珀さんが何故あんないい笑顔でバイクを走らせていたか、その気持ちの一端はそれで掴める筈です。メッチャ脳内麻薬出ます。本当です。
 いきなりハーレーやドゥカティでもそりゃあ構いませんし、何ならあの会社等、かなり低金利ローンを組んでくれます。もう五年ローンとかでも金利がめちゃくちゃに安い。代わりに貯金してくれる手数料ぐらいに思えてくるぐらい、安い。フルカスタムだとまずローン組めないので(相手が個人事業主である場合が多いから)、最初からある程度形になった物をロールアウトして来るメーカー品を選ぶのも悪くありません。
 ここでお勧めなのはネット越しではなく、実際にバイク屋さんに行って、そして正直にHiGH&LOWって作品を見てバイクに乗りたくなったんですけど、どれに乗ったらいいですか、何を買ったらいいですか、と訊いてみる事です。
 当方は本稿で好き勝手言いましたが、本職のバイクショップならばまた別の回答を用意してくれるやも知れません。とにかく選択肢はムゲンにあります。三十万円から三百万円まで。何にも縛られなくていい。ちなみにネットオークションとかで三十万以下のバイクを買うと間違いなく後悔するので(経験者は語る)、ちゃんとしたショップで買いましょう!

 本稿の総括としてですが、どうも国内二輪業界は最近、不景気や不人気の煽りからか余り尖った冒険心を出さなくなったのですが、こういった魂をたまには発揮して欲しいと願います。HiGH&LOWにノーマルのまま出しても違和感が無いようなモデルをですね。そもそもHeist250なんて本来、ホンダが出すべき筋合いのバイクですからね。ジャズ250とか銘打って。でもやってくれないので仕方ありません。
 実のところ、国内二輪業界にこそ足りないのがHiGH&LOW感だと思うのです。
 バイクに何か夢が足りない。最近の国内二輪業界。カワサキが突然、スーパーチャージャーを装備したNinjaとか発表した時は久しぶりに来たな、って思いましたけど、あれ結局サーキットとか行かない人は法定速度内で走るしかないからあんまり夢、ないんですよね......。
 なんでしょうかね、「見るだけで無駄にテンション高めになる」みたいな高揚感溢れる乗り物としての、オートバイという乗り物の原点。
 HiGH&LOWであれほどフォーカスされた「バイク」という乗り物に今こそ再び光を与えるべきではないかと当方は願っております。思い出せ冒険心を。開発部は根性見せて再び立ち上がって欲しい。日向の気合で立ち上がる達磨一家のように。
 車? 車に関してもかなりHiGH&LOWはコアなところ突いてくるんですが、そっちはそっちでまた別の機会にでも。
 取りあえずバイクに乗ってみましょう! 楽しいですよ!
 テンション高めで行きましょう!

 そういえば2と3の製作映像などがぼちぼち流れているんですが、雨宮雅貴がBuellらしき物に乗っているんですが(恐らくですけどLightning XBシリーズ)、いきなりお買い求めしやすくなってますね。中古市場でも60万前後(というかBuell自体がもうないんですが)なのでアレに乗る手もあるかと思います。ハーレーエンジンのスポーツ車というおかしな代物ですが。
 作中でどう扱われるのか見てからでも遅くないですがね!(多分、壊される用......)

ライターの紹介

江波光則

江波光則

    

小説家。著作に魔術師スカンクシリーズ『ストーンコールド』(星海社FICTIONS)、『我もまたアルカディアにあり』(ハヤカワ文庫)など。「cakes」にて映画評を連載中。

    

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