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HOME > ジセダイ編集部 > エディターズダイアリー > 官能小説界の巨匠が語る「欲情の文法」

エディターズダイアリー

官能小説界の巨匠が語る「欲情の文法」

竹村俊介
2011年12月13日 更新

文章だけで人を欲情させ、興奮させるエンターテイメント。

それが「官能小説」である。

 

ただのエロ小説だと思ってもらっては困る。

あの文章の中にはあらゆる人の感情を操るノウハウが詰まっているのだ。

 

400点以上の作品を生み出してきた官能小説界の巨匠・睦月影郎氏に

官能小説を書くときのノウハウを伺ってきた。

 

今日は

話の順序を変えるだけで興奮度が一変する

という話をご紹介しよう。

 

先に何を述べ、後で何を述べるかということで、読者の興奮度は変わってくる。

話の順序というのは、かなり重要な位置を占めている。

 

例えば、次の二つの文を読み比べてほしい。

 

 

1 高校時代に今の女房と家でセーラー服のまま縄で縛ってセックスをしたことがある。

  それが初めての緊縛体験だった。

 

 

2 高校時代、好きだった女の子を家に呼び、セーラー服のまま縄で縛ってセックスをした。

  それが初めての緊縛体験だった。

  そして、その女の子が今の女房である。

 

 

どちらも内容は一緒である。どちらの方が興奮するだろうか。

おそらく2の方だと思う。

1のように最初に女房と言ってしまうと、

過去にどんなにすごいことがあったとしても、全て当たり前のことのように思ってしまうからだ。

 

神聖なセーラー服の女性を家に連れてきた。

そして、縄で縛ってエッチをした。

いけないことをしたという背徳感があるから興奮する。

そして、「その女の子が今の女房」という落ちがあるから、みんな安心するわけである。

それを先に相手が女房だとバラしてしまうと、「ふ〜ん、そうなんだ」で終わってしまう。

オチはあくまで最後に持ってきたほうがいいのだ。


同じ話でも順番によって、興味を引くか、興奮するかが全く違ってくる。

話の順番を少し工夫するだけでも、全く雰囲気が変わってくるのである。

 

 

 

・・・1月の星海社新書は、こんなノウハウが満載の

異色の文章教室『欲情の文法』(睦月影郎著)が登場します!

お楽しみに。

CMでした。

エディターズダイアリー

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