挽肉1パック、300円ナリ。
もやし2袋、70円ナリ。
コシヒカリ5キロ、2000円ナリ。
マルエツ プチがまだ開店していることに気づき、久々に粗末ながらも夕食をつくろうと買い物をした。
調理は簡単。
米を炊き、もやしと挽肉を炒める。
彩りは欠けるが気にしない。
コンビニ飯が続いていたから、白米をお腹いっぱい食べれるだけで至福だった。
満腹感が僕を満たしていたところ、上司からメッセージが届く。
「丸茂さんもiPad Pro買え! 買うべき、を越えてます」
iPad Pro、10万上下ナリ。
逡巡したことは許してほしい。
「文学部生たるもの、貧しいなら昼ご飯を我慢して文庫本を買うべし」と教授の誰かが言ったことを間に受けていたぼくである。
貧乏性というか、高いお金を使うならそれで本を買った方がよくない?という思考が染みついてしまっているのだ。
とはいえ、買うなら速いほうがいいわけである。
先週ぼくは機種変してiPhone7になった。
今まで使っていたGalaxyよりはるかに電池が持つ。
iメッセージを使えるということで、仕事の連絡は圧倒的にとりやすくなった。
もっとはやく機種変すればよかったと悔やんだことは言うまでもない。
「商売道具に投資しない若者の未来は暗いのよ」と上司は続ける。
iPad Pro購入を決意したぼくは「わかりました、買います!」と力強く返事したのだった。
......でもやっぱり紺野さんに相談してから買うことにしよ。
エディター
星海社エディター。
1994年生まれ、長野県岡谷市出身。三度の飯より読書が好きという、いかにも文系な嗜好だが、高校までは理系、根は体育会系。文芸誌『ファウスト』に触発され、編集者になろうと志し、早稲田大学文化構想学部文芸・ジャーナリズム論系に進学。文芸批評を学びつつ、文芸誌『早稲田文学』編集部にて学生編集員として勤務する。文学を勉強し、文芸誌編集を手伝い、書店と雑誌編集部でバイトする本まみれの日々を送った。大学卒業を控えた2017年1月より、星海社に合流。
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