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エディターズダイアリー

一流の編集者が、机に忍ばせるもの

今井雄紀
2015年03月16日 更新

去年の7月にnoteに書いた、

飲み会で「とりあえずあいつ呼ぼう」と言われる人

という記事が、ここ数日バズっています。
1万近いアクセスが集まっていてありがたい限りなのですが、
一抹の悔しさもあります。

だってこれ、元々ジセダイにアップしたものだったんですもの。
その時は、500人にも見てもらえませんでした。

記事には出すべき「場所」、「タイミング」というものがあります。
ナタリーに経済ネタは似合いませんし、日経新聞にゴシップは要りません。
夏に桜のネタをやってもだめだし、冬に海水浴のネタをやってもダメでしょう。

冒頭の記事は、どっちもよくなかったのだと思います。
「場所」も、「タイミング」もです。

場所はまあ、百歩譲って仕方ない(だって僕が編集長をしているのはジセダイだけです)として、
タイミングはもっと考えておくべきでした。
この記事の需要が最大化する季節は「4月」でしょう。
日本でいちばん、「気心の知れていない人との飲み会」が増える季節です。

1ヶ月後ぐらいに、再投稿してみようかなとも思います。
「思わぬ人に届く」のがWebのおもしろさなら、
「みんなが読んでると思ったら誰も読んでない」のもまたそうですから。

さて、Webの記事がそうであるように、書籍にも「出し時」があります。

又聞きですが、ある著名な編集者の言葉に、
「ノンフィクションの編集者は、机に数本の原稿を忍ばせて一人前」
というのがあるそうです。

出さないといけないから出すのではなく、
「出し時」を見極めなければいけない。
「出し時」を一緒に待てるだけでの信頼関係を、
上司はもとより、著者自身と結べなければならい。

「一人前」への道は遥か遠しという感じですが、
今年はひとつぐらい、そんな原稿を預からせてもらえればなと思います。

エディターズダイアリー

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