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HOME > ジセダイ編集部 > エディターズダイアリー > 新書のタイトルはいかにして決定に至っているか―星海社新書『夢、死ね!』の場合―

エディターズダイアリー

新書のタイトルはいかにして決定に至っているか―星海社新書『夢、死ね!』の場合―

今井雄紀
2014年09月08日 更新

おかげさまで、『夢、死ね! 若者を殺す自己実現という嘘』が売れております。

発売してすぐ重版がかかり、帯も新調しました。ありがとうございます!

 

『夢、死ね!』は、たくさんの人に「どうしてこのタイトルになったの?」と聴いて頂きます。

いい機会なので、「新書編集者はどうやってタイトルを決めているのか?」について、

書いてみようと思います。

 

『百合のリアル』も、『選挙フェス』も、『キャバ嬢の社会学』も、

『戦略的上京論』も、『アニメを仕事に!』も、『「学問」はこんなにおもしろい!』も、

すべてほぼ同じ流れで、タイトルを決定させて頂きました。

 

まだ編集になって2年ちょい(新書をやりはじめてからは1年経ってない……)の若輩の話ですが、

読み物として楽しんで頂けましたら幸いです。

 

[1]テーマを言語化する

まずは、「この本は何の本ですか?」という問いに対する答えを、一言で用意します。

企画当初からずっと変わらない(←これがベスト)こともあれば、

「最初は●●だったけど、書いてもらっているうちに○○になったよね」ということもあります。

 

『夢、死ね!』の場合は、

 

Q.これはなんの本ですか?

A.「仕事なんてほんとにくだらないから変な理想を持つな! どれぐらいくだらないか教えてやろうか!?」という本です。 

 

という感じでした。

 

中川さん特有の雰囲気は出ていますが、

まだまだ長いですし、ちょっと抽象的ですよね。

 

[2]いいのが出るまで、出す! 出す! 出す!

「じゃあ、そのテーマをわかりやすく伝えるにはどう言えばいい?」を考えるのが、次のステップです。

 

先輩編集者のみなさんがどうしてるのかはわかりませんが、

僕はとにかく、いいのが出るまで書きまくります。

『夢、死ね!』は本当に難産だったので、丸2日ぐらい、ほぼ他の仕事を止めて、こればっかりを考えていました。

会食の相手にも相談しましたし、たまたま一緒にモーニングを食べたコピーライターの友人にも、

その日はじめて会った週刊誌記者にも相談しました。

 

その結果出したのが、下記です。

 

夢、死ね/夢を持つという死刑宣告/夢見るやつみんな死ね!/夢で食えるか/好きなことで飯を食おうとするバカ/夢の道、破滅の道/「夢は叶う」という幻想/夢はいつかきっと叶う(笑)/夢見る罪/夢をあきらめる日付を/「新しい働き方」とかいうバカ/くたばれ! 「やりがい」、「自己実現」/君は本田圭佑にはなれない/夢は99%叶わない/お前の夢はかなわない/夢を持たず、やりたくないことをやり、頭を下げる/夢(笑) やりがい(笑) 自己実現(笑)/成功者にはなれない/「夢を持つこと」は成功の必要条件ではない/夢のあと先/「夢をみる」バカ/夢を持てば幸せになれるという幻想/くたばれ! 「やりがい」、「夢」/夢を履き違えるな/夢とやりがいで亡国、日本/夢は叶うというふざけた幻想/くたばれ! 自己実現!/夢を力に、現実に(笑)/夢追い虫の憂鬱/夢見る若者の受難/夢を持つな、目標を持て!/くたばれ夢追い虫!/若者よ、大志を抱くな!/自己解体/「夢追い」の化けの皮/夢追い充は、死ね!/夢、死ね! 目標くたばれ!/やりたいことやりたきゃ、やりたくないことをやれ/くたばれ! 「夢」、「自己実現」/ドリドンカム/成功したけりゃ、夢をみるな/夢見る凡人/君は特別な存在ではない/夢とやりがいを持ち、自己実現しようとする凡才/夢が幸せを遠ざける/夢、死んじまえ/夢なんて叶わないし、叶えなくていい/この世はカネとコネ/くたばれ!「自己実現」、死ね!「夢」/「夢を持て」という凡人いじめ/ボーイズドントビーアンビシャス/夢の向こう側/おやじが君に「夢を持て」と言うのは、自分が夢を叶えられなかったからだ/夢をぶち壊せ/夢を捨て、足元を見よ/夢を捨て、地に足をつけよ/「僕には夢があります」というやつのしょもなさ/「あなたの夢はなんですか?」という質問のくだらなさ/夢見ることは気持ち悪い/くたばれ! ドリーマー/夢なんか持つから生きづらくなる/あなたが生きづらいのは、夢なんか持ってるからだ/「夢のないやつ」の使いやすさ/夢を捨て、目標を構築せよ/「夢を持て」という圧力/この世で一番くだらないもの、夢/ゴミの島、夢の島/不幸の王道 「夢追い」という病/夢の化けの皮/すべては「夢」の否定からはじまる/ACミランにも入れず、武道館にも立てない僕らにできること/「夢を持て」というやつは何も手伝ってくれない/夢は、いざという時にあなたを助けてくれない/夢の追い越し、世は情け/「夢」が日本をダメにした/虚像へと成り下がった「夢」の功罪/夢と罪/俺は毒吐く/夢を追うバカと、夢を叶えるラッキーマン/夢追いのバカは、自己実現の夢を叶えるか/夢を諦めよう/明らかに、見極める/夢の否定と、現状の肯定/夢垢/夢の存在証明/夢なんか持つから苦しくなる/人生に迷う余裕などない/夢を売る人/「あなたの夢はなんですか?」が日本をダメにした/夢から逃げろ/夢を駆逐し、目標に身を捧げよ/成功者は夢を持たない/夢を諦めるところから始まる/ユメノミクス/夢のインフレ/夢の栄養失調/夢で食えるか/武器としての「夢捨て」/会社を辞め、夢を追うバカ/夢を捨て、カネを追う/夢の切腹/夢を殺せ!/夢の奴隷/夢の植民地、日本/夢に支配された国、日本/クソみたいな「夢」、死ね!/夢で飯は食えない/無用の産物「やりがい」/夢を目標に/強い気持ち強い愛/やりがいという幻想/あなたに仕事をくれるのは、夢ではなくて人である/夢を置き、丁稚で働け/夢なんか持つから、生きづらい/「夢を現実に」とかいうバカ/「夢を実現する」という、非現実的な幻想/「夢の実現」というおとぎ話/凡人は夢を持つな/仕事に夢を持ち込むな/仕事にやりがいを、人生に夢を求めるな。/「できる人」だけが夢を持つ/「やりがい」という幻想、「夢は叶う」というウソ/夢を持たない仕事論/仕事に「夢」、「やりがい」は要らない/仕事の邪魔になる「夢」、効率を下げる「やりがい」/「夢を持たない」仕事論/夢なし仕事論/滅私の仕事論/仕事に期待をしてはいけない/仕事への片思い/「足るを知る」仕事論夢捨ての仕事論/夢のない仕事論仕事に「夢」は要らない/「夢を現実に」というムチャぶり/夢不要の仕事論/仕事に不要な「夢」という魔物/仕事に「夢」は必要ない/仕事の邪魔をする「夢」というまぼろし/「夢」がないから働ける/仕事に無用の長物、それは「夢」/仕事に「夢」は要らぬ/「夢」が仕事の邪魔をする/自分勝手な「夢」が、いつも仕事の邪魔をする/「夢」を仕事に求めるな/夢が仕事の邪魔をする/夢捨て人の仕事論/就業廃棄物「夢」/燃える夢、燃えない夢/夢がないから頑張れる/夢は仕事のオフサイド/夢持つお前/労働賛歌/夢を捨て、労働に出よ

 

以上154案! 頭の中でボツにしたもの沢山あるので、倍ぐらいは考えている気がします。

 

中川さんの記事やTweetを見なおしたり、ラジオを聞き直したりはもちろん、

「もっと攻撃的にならねば!」と、「中川さん新書」というプレイリストをつくって、

ブルーハーツやサンボマスター、銀杏ボーイズなんかの曲を入れて流しながら書いたりもしました。

 

「逆にふってみよう!」と思って、「夢かなった人」の言葉もたくさん見聞きしました。

本田圭佑のインタビューとか、大島優子の情熱大陸とか……。

とにかくあの手この手で頭を刺激し、絞り出していきます。

 

余談ですが、上記にある通り今回は、最初に『夢、死ね!』が出ていましたが、

もっといいのはないかと、検討を続けていきました。

 

[3]隣に何が並ぶかもイメージする

「このへんかなあ」と目星がついてきたら、

帯と一緒に星海社秘伝のフォーマットに打ち込んでみます。

 

 


これを印刷して、既刊新書や他社さんの新書の横に並べたりしながら、

あーでもないこーでもないとやっていきます。

場合によっては実際に書店さんまで行って、売り場にこそっと置かせてもらったりもします。

 

『夢、死ね』の場合は最初、帯文の案として「若者を殺す自己実現という嘘」がありました。

上司である太田に見せたところで、「インパクトはあるが、何の本かわからない」という注文を受けたので、

サブタイトルに前述の文を記載。帯は別のものにしたという経緯がありました。

 

ここまできたら、前述の秘伝のフォーマットに入れた状態で著者さんに確認。

OKをもらえたらデザイナー吉岡さんにパスし、タイトルと帯にスーパーなデザインを施してもらって完成です。

そうそう星海社新書は、タイトルのデザインにもこだわっているのです。

表紙と背表紙で使ってるフォントが違ったり……。

そのへん興味ある方は、こちらの対談を是非ごらんください。

 

[4]帯で、読者を変える

発売後の話ですが、今回のように帯を途中で変えることもあります。

 

 

『夢、死ね!』の場合、最初(左)は社会人3年目ぐらいの、

「毎日がんばってるのに全然夢に近づけない。周りもなんかひいてるし……」という人をイメージしていました。

しかし、ネットや売り場での反応をみていると、想定していた人たちではなく、アラサーの、

「若い頃は色々夢みたいなことも言ってたけど、結局メシ食えないとどうにもならないよね」という人が手にとってくださっていました。

 

上記のような状況があったので、

左の帯を見て「はっ! まさに俺の状況だ……」(24歳 渋谷勤務)と思ってもらうよりも、

右の帯を見て「ほんまその通りやでぇ」(28歳 護国寺勤務)と思ってもらった方がいいと思い、

変更を決定しました。

 

[まとめ]編集主導でやらせてもらえることに感謝

星海社では、大体上記のような感じで、タイトルおよび帯を決めています。

 

改めて書いてみると、本当に著者さんに感謝ですね……。

ここまで編集主導でやらせてもらえるのは本当にありがたいことです。

※無論、著者さんご自身からタイトルを頂くことも多数あります。

 

よいタイトルを考え抜き、よい本を正しく世の中に出すお手伝いができるよう、

引き続き、精進していきたいと思います。

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86年生まれ(早生まれ)。滋賀生まれ滋賀育ち。大学では、京都でロックのイベントをしつつ、マネジメントについてまじめに勉強。就職を機に上京し、新卒でリクルートメディアコミュニケーションズに入社。営業→ディレクターを経験した。「Webと紙の書籍、イベントを組み合わせた新しい出版事業をつくる」という志に共感し、2012年5月、星海社に合流。主な担当企画に『アニメを仕事に!』、『声優魂』、『キャバ嬢の社会学』、『夢、死ね!』、『内定童貞』、『百合のリアル』、『あなたのプレゼンに「まくら」はあるか?』、『サマる技術』など。都内は自転車で移動。好きなチェーン店はコメダとねぎし。尊敬する人物は、小谷正一。

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