どうも、平林です。
初めての人ははじめまして、知っている人はこんにちは。
さて、現在僕は『中国のインターネット史』という、少々マニアックな感じのする本を編集しています。
著者は、中国を中心に、アジアのIT事情に詳しいライターの山谷剛史さん。
今日は、本書の宣伝にまかり越しました。
そもそも、中国のインターネットというのは我々にとって怪しげなものです。
違法な動画や漫画などがバンバンアップロードされていますし、反日言論もすごいっぽいし、Twitterにはつながらないし、民主化言論は弾圧されているし……。
けれど、山谷さんの手にかかれば、この中国のインターネットに対する見方が随分変わります。
簡単にまとめてみましょう。
ここから見えてくることがあります。
それは、本書のサブタイトルにも採用した「ワールドワイドウェブからの独立」です。
よく、内外のネットユーザーは「中国のインターネットはイントラネットだ」と揶揄します。
けれどそれは、中国政府の意図のもとに進められた「政策」なのかもしれません。
2014年、Googleの遮断によって、独立は一定の結実を見せました。
6億人を超えるユーザーを抱え、レノボや百度など世界的なIT企業も内包した、一つの文化圏・経済圏が、「ネット上の万里の長城」の内側に確立しました。
現在、ベトナムやインド、そしてトルコなど、中国と一脈通じるネット統制を行う国家も出現しています。
日本から感情的に「民主化言論ガー」と言ったところで、6億人のほとんどは、そんなものに興味のない世界が、厳然と存在しているのです。
彼らは、GoogleもFacebookもTwitterもない世界で、今日も楽しくインターネットを使っています。
今後、ネット上には明確な国境がいくつも出現するのでしょうか?
あるいは、一旦できた国境は破壊されるのでしょうか?
本書を読んだ皆さんと、一緒に考えていければ幸いです。
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