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HOME > ジセダイ編集部 > エディターズダイアリー > 面接は精度が低い採用手法だと証明されている【『コミュ障のための面接戦略』刊行直前著者寄稿1】

エディターズダイアリー

面接は精度が低い採用手法だと証明されている【『コミュ障のための面接戦略』刊行直前著者寄稿1】

丸茂智晴
2019年02月18日 更新



  
星海社新書より『コミュ障のための面接戦略』が2/22(金)に発売されます。
  
本書はいつも緊張しがちで会話が苦手な、いわゆる「コミュ障」の就活生に向けた面接指南本です。
リクルートゼネラルマネージャー時代に2万人を超える就活生に面接を実施し、現在は採用・人事担当者へのトレーニング事業を手がけている著者・曽和利光氏だからこそ伝えることができる、面接官の思考を踏まえた面接攻略技術を袋綴じで収録しています。
  
本書で袋綴じにされていない1-3章では、日本の面接が抱える問題点を明らかにしています。
「面接」がいかに杜撰な採用手法であり、そして「コミュ障」にとって苦境であるか、発売に先駆けてその一部をお届けします。

「面接は精度が低い」と証明されている

 日本の新卒採用では、ほぼ必ず「面接」という選考があります。書類選考やグループディスカッションなどを経るにせよ、面接が皆無という企業は極めて稀でしょう。あまりに当たり前に存在するこの「面接」という採用手法を、今さら疑問視するひとは少ないのではないでしょうか。

 しかし、考えてみてください。新卒採用に望むのは何の実績もない学生です。彼らを性格や能力を基準に判断するわけですが、当然実績がないためポテンシャル見極めは難しくなります。さらに、面接官によって出される質問も下される評価もバラバラです。公平で適切な判断が安定して行えるはずありません。

 神戸大学大学院准教授である服部泰宏氏の『採用学』(新潮社)によると、実は面接による採用は妥当性が低いことが科学的に証明されています。

 そもそも採用試験とは、求職者が入社後にどれだけ活躍するかを予測するために行われるものです。アメリカでは、その予測がどのくらい妥当なものであったかを解析する研究が進んでいます。人種差別の問題を抱えていることもあり、アメリカでは「なぜ落としたのか」「なぜ採ったのか」を客観的に説明する必要があるためです(日本では「お祈りメール」が就活生に届くだけですが......)。

 そうした研究によれば、「適性検査」「グループディスカッション」「ワークサンプル(実際に仕事をさせてみること)」「面接」といったさまざまな採用選考の結果と、入社後の評価を比較検証したところ、面接の妥当性が最も低いことが明らかになっているのです。  

「面接」で排除されるコミュ障

 面接が誰にとっても不確実な選考であれば、ある意味平等と言えるかもしれませんが、そうではありません。面接が孕む不確実さのワリを食うのは、人見知りであったり、口ベタであったりするせいで他人とコミュニケーションをすることに苦手意識を持つ学生――いわゆる「コミュ障」の学生になります。

 なぜなら、面接ではえてして外向的で、情緒が安定している(ように見える)人が高い評価を受ける傾向があるからです。このことは『採用面接評価の科学』(今城志保著・白桃書房)といった書籍にも詳しく解説されています。つまり、裏を返すと面接は内向的で情緒が不安定な人間−−コミュ障にとって、不利な採用選考なのです。

 確かに企業には営業職など、外交的で情緒が安定している人に向いている職種もあります。けれど、「コミュ力」が重視される職種だけでは組織は成り立ちません。経理や総務などバックオフィス系の職種、クリエイティブ系や企画系、研究系の職種など、内向きでオタク気質の人のほうがむしろ向いているような仕事も数多く存在します。

 最近は多くの企業が「ダイバーシティ(多様性)」を掲げ、性別や人種、学歴、性格、価値観などが異なる多様な人材の活用を目指しています。しかしその一方で、面接では同じベクトルを持つ人だけが相も変わらず選ばれてしまう。そしてコミュ障は排除されているのです。

学生を都合良く利用するインターンシップ

 採用選考の中で最も妥当性が低いとされたフリートーク型の面接ですが、それでは妥当性が最も高い選考方法は何かというと「ワークサンプル」になります。これは実際に仕事をやらせてみて、その作業成績を評価する方法であり、たとえば出版社が編集者を採用する場合に、実際に編集作業を行ってもらうような選考方法です。

 プログラミングやアートなどの職種では、数十年以上前から通常の面接ではなく、成果物を披露しつつ説明してもらう形式の選考が実施されています。未経験でも実際の仕事をやらせてみる、あるいは実際の成果物を見せてもらう。このほうが面接よりも適性を判断しやすいのは明らかでしょう。

 実際に作業をするというと、「インターンシップ」を思い浮かべる人も多いと思います。確かにアメリカでは、大学生がインターンを経てフルタイムの仕事に就くのが一般的で、インターンシップは採用に直結するものとしてとらえられています。

 しかし日本では、インターンシップは必ずしも採用に直結しません。インターンシップはあくまでも学生が「組織で働くとはどういうことか」「自分の適性は何か」を知るのが目的という位置づけだからです。

 その一方で、中小企業の中には、無給あるいは著しく低い賃金で学生を働かせているケースがあります。人手は欲しいが自社で人材育成する余裕はない、そこでインターンシップの名の下、学生を都合よく利用しているのです。そのようなインターンシップは、人材育成や社会貢献という観点からもほとんど意味がありません。

世界のスタンダードからズレまくる日本の採用

 日本の採用選考が世界とかけ離れているのは、雇用形態の違いにも関係しています。

 欧米諸国では「ジョブ型」という雇用形態が一般的です。これは、まずポジションが用意されていて、それに対してふさわしい人を割り振るという考え方です。たとえば経理や営業で欠員が出たら、その都度そのポジションに対して社員を募集します。

 この場合、企業が求めているのは即戦力になるスペシャリストです。新卒者を採用して育成するという考えはなく、採用基準も過去の実績やそのポジションに必要な資格の有無、どこの大学で専門教育を受けたかなど非常に明確です。だから実績のない学生は、自分のキャリアをインターンシップからスタートするわけです。

 一方、日本の企業では世界の中でも特殊な「メンバーシップ型」の採用形態をとっています。これは別名「無限定採用」といって、営業も商品開発も人事も経理も、すべての職種で新卒者を一括採用し、入社後に適性を見極めながら仕事を割り振るというやり方です。数年ごとに違う部署に異動するジョブローテーション制度により、定年までに複数の職種を経験する社員も珍しくありません。そのため、スペシャリストよりも、どんな業務にも対応できるジェネラリストが求められます。

 こうした雇用形態の特異性もあって、面接では〝総合的〞な潜在能力を予測しようとする傾向が強くなってしまう、と見ることもできるでしょう。

 しかし、すべての職種を同じ面接で採用することには、やはり無理があると言わざるを得ません。社交性やコミュニケーション能力が必要とされる営業マンをフリートーク面接で採用するのは理にかなっているとしても、人事や総務の人材をフリートーク面接の印象で判断し、採用の合否を決めてしまうのが果たして適切なのか、個人的にははなはだ疑問です。

 しかしながら、大企業は抱えている事業も多く、案件ごとに適切な人材を採用してチームをつくるのは、コストの面でも手間の面でも難しいと思われます。日本の大企業で雇用形態や採用方法の変革が進むのは、まだまだ先のことになりそうです。


  

  
星海社新書『コミュ障のための面接戦略』
  
著者:曽和利光
 
ISBN:978-4065151570
  
定価:1100円(税別)
 
Amazonはこちら

【ご参加受付中】星海社新書『コミュ障のための面接戦略』刊行記念イベント情報

「面接コミュ障」たちよ、集え! 君たちに面接突破の武器を伝授する。
 曽和利光 × 中川淳一郎 トークイベント
  
日程:2019年3月26日 (火) 時間 19:00~20:30 開場 18:30~
  
登壇者:曽和利光さん中川淳一郎さん
 
料金:1,350円(税込)
  
定員:50名様
 
会場:青山ブックセンター本店 店内小教室
  
お問合せ先:青山ブックセンター 本店 電話・03-5485-5511 受付時間・10:00~22:00
  
チケット販売:こちらのサイトにて受付中
  
*イベント概要
 
星海社新書『コミュ障のための面接戦略』は、これまで2万人を超える就活生に面接を実施してきた著者だからこそ伝えることができる様々な「面接ハック」をまとめた、既存の就活対策本とは一線を画した面接指南本です。
緊張しがちで会話が苦手な、いわゆる「コミュ障」の方々は、とりわけ就職活動における「面接」という場面で苦戦を強いられることが多いのではないでしょうか?
しかし、「面接」は人を判断する精度が低いとデータ的に証明されているレガシーな採用手法なのです。
現状の就活の問題点や仕組みをお話ししつつ、「面接」という精度の低い採用選考手法によってみなさんの貴重な才能を埋もれさせないために、みなさんへ具体的かつ実践的な面接突破法を伝授します。
 
・面接となると絶対に緊張してしまう。
・社交的でなく、コミュ力や話術に自信がない。
・勉強ばかりして、サークルもバイトも頑張ってない。
・短所ばかりで長所が思い当たらない。
・アピールするような実績や成功の経験がない。
  
そんな「コミュ障」でも問題ありません。
面接の本質と技術(コツ)を掴めば、必ず内定できます。
そして今回、不安まみれになる就活生の肩の荷を降ろしてくれる就活本『内定童貞』(星海社新書、2015年刊)を上梓いただいた中川淳一郎さんをゲストにお招きします。中川さんからは、人生における「就活」の何たるかを喝破していただき、面接に怯える就活生の不安を消し飛ばしていただきます!
  
就活生のみなさん、肩の力を抜いてどうぞお気軽にご参加ください。
  

アシスタントエディター

丸茂智晴

根は体育会系、無鉄砲で直情径行 星海社の鉄砲玉を目指します!

丸茂智晴

星海社アシスタントエディター。
1994年生まれ、長野県岡谷市出身。三度の飯より読書が好きという、いかにも文系な嗜好だが、高校までは理系、根は体育会系。文芸誌『ファウスト』に触発され、編集者になろうと志し、早稲田大学文化構想学部文芸・ジャーナリズム論系に進学。文芸批評を学びつつ、文芸誌『早稲田文学』編集部にて学生編集員として勤務する。文学を勉強し、文芸誌編集を手伝い、書店と雑誌編集部でバイトする本まみれの日々を送った。大学卒業を控えた2017年1月より、星海社に合流。

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