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HOME > ジセダイ編集部 > エディターズダイアリー > 「悪人」上司を理解するヒントに!----『悪人の作った会社はなぜ伸びるのか?』

エディターズダイアリー

「悪人」上司を理解するヒントに!----『悪人の作った会社はなぜ伸びるのか?』

丸茂智晴
2017年12月28日 更新

2017年が終わろうとしていることに凡庸ながら衝撃を受けています、アシスタントエディターの丸茂です。

新書『悪人の作った会社はなぜ伸びるのか?』が発売されました!
  

  
本書はリクルートとライフネット生命で人事として活躍し、現在は株式会社人材研究所の代表取締役社長として企業の採用・人事に関する事業を展開している組織人事コンサルタント、曽和利光さんによるマネジメント論です!
  
帯のイラストは原作=ピエール瀧さん、作画=漫☆画太郎先生によるマンガ作品『虐殺!!! ハートフルカンパニー』(太田出版)からいただきました。
  

  
悪徳企業ハートフルカンパニーの社長が、末期がんを宣告されて「これからはいいことをしよう!」と志し、世界中に幸せを届けようと社員一同大暴れするこの作品、ひたすらおもしろいのでとにかく笑いたいひとはぜひ読んでみてください!
  
  
さて『悪人の作った会社はなぜ伸びるのか?』(以下『悪人』)ですが、マネジメント論と聞くと管理職でない人にとっては関係のない内容に思われるかもしれません。
ですが、ぺーぺーの下っ端編集者である僕でもこの本を読んでかなり得心するところがありました。
  
(そして弊社副社長 太田克史は「悪人」である、と大きな確信を抱きました......ほら、こんなことを呟いている

  
この本は会社において上の立場にあるひとが、いかに「悪人」として辣腕を振るうべきかを説いた本であるわけです。
逆に言えば、ふだん「悪人」のように感じられる上司や働きづらいと感じる職場がどのような思考や原理に基づいているのか、理解する手解きとしても役に立ちます! 
  
ということで、『悪人』を読んで気付かされた僕の星海社での実状を、少しご紹介いたします。
  

  
  
◆働きやすい職場が会社を殺す
  
働き始めて間もない社会人にとっては、不慣れなことばかりで無条件に上司が怖かったり、職場はある程度「働きにくい」ように感じられるところでしょう。
ちなみに星海社での僕の席は、常に太田の視界におさめられる位置にあります。
「丸茂さん、なにか企画ないの?」と檄を飛ばされることもしばしばで、気を抜けません。
さらに言うなら、同期の櫻井さんは東大院出身ですから僕には学歴が眩しすぎてまともに話せませんし、同じ早稲田大学出身でも石川さんは既婚者のリア充、しかも僕より遥かに頭がいいので話していると惨めな気持ちになりますし、気心が知れたひとがいません。
  
というように「働きやすい」=「居心地がいい」「従業員満足度が高い」とするのであれば、僕にとって星海社は正直なところ「働きにくい」職場です。
しかし『悪人』は「足るを知ることで野心を持たなくなる」と「働きやすい」職場の危うさを指摘しています。
たしかに居心地がよく、優しさに溢れた職場であれば、課された仕事をしているだけで満足してしまうことでしょう。
「櫻井さんも石川さんも......太田さんもぶっ倒す!」と僕が暗い情念を滾らせることもないわけです。
管理職が目指すべき職場の在り方を知ることで、「働きにくい」職場をポジティブに観察することもできるのではないでしょうか?
  
  
◆仕事は教えるな、盗ませろ
  
不慣れなこと、わからないことの多さゆえに、きっと先輩からの指導を不十分に感じる新入社員は多いと思います。
星海社では研修らしい研修がなく、まさに仕事を教わるというよりは盗むといった態勢で「このやり方で本当に大丈夫......?」と不安を感じることもしばしばありました。
  
しかし『悪人』は「それでも人が育つのは、結局は実際の仕事を通じて」だと、仕事を懇切丁寧に説明することのデメリットを説きます。
それが「自然にできてしまう」プロにとっては、言語化してしまうことで教わる相手にいらぬ誤解を与える可能性があるからです。
それに僕が指導を欲しがってしまうのは......まあ自己保身のためですよね。
ミスして怒られるのが怖いから「先輩方の指導が足りない!」と考えてしまうわけです。
そこで指導する側の思考や「盗む」ことの重要さを知ることで、指導が自分にとって足りていないと感じる状況でどう対応するべきかが見えてくるはずです。
(......と言いつつ、今日も考えなしに質問をしてお叱りを受けるのでした)
  
  
◆メンバーには、ガンガンダメ出しすべし
  
当たり前ですが、できれば上司や先輩に怒られたくはないですよね。
けれど経験が浅ければ浅いほど、怒られることは多く、凹みます。
星海社に合流してから怒られなかった日がない僕ですが、怒られるのは嫌です。
このブログもボツにされまくって凹んでいます。
僕は純度100%の身から出た錆びが原因で怒られるので凹むだけですが、そんな辛さが上司への恨みに転化されることもあるのではないでしょうか?
  
けれど『悪人』では仕事のためには「自己認知」、つまり自分のことを理解することが必要だとあります。
往々にして、人は自分自身の欠点がわかっていません。
その極北であるところの僕は、日々ダメ出しと叱咤を受けて自分ではわからなかっただろう至らない点をよく気付かされます。
気付いたのなら直せよ......とさらなる怒りを掻き立てていることはさておいて、なによりそうやって怒る側のほうが体力を使うわけです。
「自己認知」のための「ダメ出し」が自分にどう影響するのか、その意味を捉えることで、きっと怒られても過度に凹まず、辛さを自分の力に変える方法を考えることができます。
人が嫌がることを言う「悪人」を引き受けてくれる上司や先輩がいることのありがたみにも気付けるのでは。
  
  
と、以上のように星海社というか、単にダメダメな僕の現状を語ることになってしまいましたが、きっと立場が下にある社会人の方ほど、どこか職場に「働きづらさ」を感じていたり、上司が「悪人」に見えていることでしょう。
そんな仕事でうまくいかない部分を抱えているひとが『悪人』を読めば、「悪人」や「働きにくい職場」の原理を知ることで、自分がなにを求められているのか、どう振る舞えばいいのかを考えるヒントにできるはずです。
  
ぜひ、好かない上司や職場を攻略するための知恵として、『悪人の作った会社はなぜ伸びるのか?』を読んでみてください!
なかでも星海社の人材募集に応募する方々、この本を読んでいたほうがいいと思いますよ〜。

エディター

丸茂智晴

根は体育会系、無鉄砲で直情径行 星海社の鉄砲玉を目指します!

丸茂智晴

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星海社エディター。
1994年生まれ、長野県岡谷市出身。三度の飯より読書が好きという、いかにも文系な嗜好だが、高校までは理系、根は体育会系。文芸誌『ファウスト』に触発され、編集者になろうと志し、早稲田大学文化構想学部文芸・ジャーナリズム論系に進学。文芸批評を学びつつ、文芸誌『早稲田文学』編集部にて学生編集員として勤務する。文学を勉強し、文芸誌編集を手伝い、書店と雑誌編集部でバイトする本まみれの日々を送った。大学卒業を控えた2017年1月より、星海社に合流。

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