先週木曜日、担当させて頂いたこちらの本が発売になりました。
何名かの、熱烈なTRIGGERファンとおぼしき同業の方から、
「悔しい! これは私が担当すべき本だった!」といった類のコメントを頂きましたが、
笑わせてもらっちゃ困ります。
みなさんの思い入れがどれほどのものかわかりませんが、
僕は僕で、それなりの思い入れがあってこの仕事をやらせて頂きました。
2007年、僕が大学3年生の時、『天元突破グレンラガン』という作品が発表されました。
GAINAXがおくる、『新世紀エヴァンゲリオン』以来11年ぶりの、新作ロボットアニメ。
斬新で気持ちのいい演出に、いちいち胸を撃つセリフの数々、
そして、骨太でありながら底抜けに明るく、希望に満ちた物語……。
何の気なしに見たそのアニメは、僕の人生に大きな影響を与えるものでした。
この作品から「仕事」を超える熱を感じた僕は、関わった人たちに興味を持ち、
皆さんの動向を追うようになりました。
2011年、GAINAXからグレンラガンの主要スタッフだった3名の方々が独立し、
TRIGGERという会社が出来たことを、ネットのニュースか何かで知りました。
興奮した僕は、勤務中にも拘らず、まだ何もなかったTRIGGER公式サイトにアクセス。
当時配布されていたオリジナルの壁紙を落として、すぐに会社のデスクトップに設定したことを覚えています。
「いつか、どんな形でもいいから、この人たちと仕事をしたい」
25歳当時広告の仕事をしていた僕は、おぼろげにそう思っていました。
そして2013年。今からちょうど1年前の5月。
仕事で行った徳島のアニメイベント「マチ★アソビ」の会場で、
初めてTRIGGERのみなさんにお会いしました。
余談ですが、この時僕は、星海社に入ってはじめてキレました。
かねてから交流のあった弊社広報落合を訪ね、
TRIGGERの皆さんが星海社ブースに来てくださるという、
光栄極まりない機会があったときのことです。
談笑する落合と、その横で緊張しまくる僕。
はじめてお目にかかる「その人たち」に、
僕の興奮と期待は目一杯膨らんでいました。
「落合はいつ紹介してくれるんだろう」
「どう伝えたら、この気持ちをわかってもらえるだろうか」
「落合親しそうでいいなあ。ていうか、馴れ馴れしいぞこのやろう!」
「なんて紹介してくれるのかなあ。“今井が大ファンなんです”ぐらいの感じで話振って欲しいなあ」
「あれ……? 話じゃなくて手振ってる……。あれ…………」
そう。彼女は僕を紹介してくれなかったのです!
僕が大のTRIGGERファンだということは、社内で知らないものはいないレベルなのに!!
ただただ談笑してバイバイしやがったのです!!
そりゃもう、我を忘れて怒りました。
今でも上司に「あの時の今井にはひいた」と言われるレベルでキレました。
地面を蹴って「お前おかしいやろこら何しに来てるとおもてるねんこら」と、関西弁で怒り狂いました。
※今は割りときちんとした広報になってきました。名誉のため追記しときます。
とまあ、紆余曲折あったものの、
その後の関係者打ち上げの場で無事、TRIGGERの皆さんとお話しをさせて頂くことができました。
準備中の新作TVアニメ(後の『キルラキル』)のことを熱っぽく語られるその様は、
涙が出るくらい想像した通りで、「いつか絶対にこの人たちと仕事をしよう」と、気持ちを新たにしたのでした。
そんな、ちょっと気持ち悪いレベルのTRIGGER好きが担当したのが、
星海社新書5月刊『アニメを仕事に! トリガー流アニメ制作進行読本』です。
TRIGGERプロデューサー舛本和也さんの熱い原稿に、
セプテンバーカウボーイ吉岡秀典さんのやりすぎデザインが合わさり、
そりゃもう、新書とは思えないカロリーの本に仕上がりました。
新書とは思えないテンションの予告編もアップしました。
(CV:編集担当今井)
おかげさまで、たくさんの方に買って頂いております。売れてます。
感想も上々で、むちゃくちゃ嬉しいです。
昨日、買ってきた 舛本和也著「アニメを仕事に!」 島本和彦のマンガを読んでいる時の様に熱くなる! 内容も分かりやすいし、動画のリンクが貼ってたりしていて、これから本はこんな感じに進化していくのかな?と感じたり。 pic.twitter.com/2q0f3upjNI
— かわ (@kawa001) 2014, 5月 24
アニメーターや監督・演出、声優や出版など、アニメ制作管理以外でアニメに携わる界隈の方こそ、読むべし!アニメの制作進行さんは凄い!ことが分かります。現場の背骨は彼らです。 http://t.co/ofEvDj9I25 「アニメを仕事に! トリガー流アニメ制作進行読本 」星海社新書
— 桶田大介 (@DaisukeP) 2014, 5月 21
トリガー、舛本さん著の「アニメを仕事に!」(星海社新書) シミュレーション的にアニメができるまでを描いた素晴らしい本です。ここには書かれていない「何を作るか」とその為の制作システムの構築は、正解や決まりは無いですが、その数だけアニメの可能性があるとも言えます。是非、アニメ業界へ!
— 錦織博 (@nishiki_hiroshi) 2014, 5月 24
大好きな人やものと仕事をすることには、賛否両論があると思いますが、
これもまた、編集という仕事の醍醐味だなと思えるお仕事でございました。
引き続き、盛り上げていきます!
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