一昨日、星海社新書11月刊『面接ではウソをつけ」(菊原智明著)を校了したので、
俺様の就活の話をしよう。
もう10年前のことか……。
当時の私は、極度の「就活弱者」でした。
・人とうまくコミュニケーションが取れない
・常に自信がない、オドオドしている、人の目を見て話せない
・使えない文学部出身
・凄い体験ゼロ。麻雀やってサークルやってバイトだけ
・勉強も適当、結果1留
当然、面接が通らない。ぜんぜん通らない!
30社ほど受けて(エントリー含む)、すべて一次面接で落とされていました。
しまいには、ストレスから円形脱毛症に。
「このままじゃ一生、社会人になれない」と泣きそうになった私は、
根本的なところから「やり方」を変えてみました。
もうケツに火がついて、崖っぷちだったので。
いくらダメな自分を自己分析したところでダメな自分しか出てこないので、
もういっそのこと「自己分析」をやめて、「他己分析」をはじめたのです。
他己分析とは、就活における「自分以外」の要素を考えることーー
具体的には、面接とは何か、面接官とは誰か、どういう人が面接に受かっているか、などを分析することです。
その結果、私が導き出した結論は、
・面接官は面接のプロではなく素人
・たった10分で赤の他人を正確に評価するなんて不可能
・結局、人の評価は空気で決まる
という3点。その分析結果から、「面接に受かる人」をモデル化して、
そのモデルに「なり切る」ことにしました。
もう徹底して練習の毎日です。
まず髪型を変え、服装を変え、話し方を変え、身振り手振りを変え、
自分の振る舞いをビデオで撮って分析、飛び込み営業の本や心理学の本も読んで、
「おっ、なんかこいつはいい感じだな。次にあげてみるか」
という印象を面接官の野郎どもに与えるキャラになり切ったのです。
入室のノックを演技の開演ブザーに見立て、15分の真剣勝負。
素の自分とは別人の自分を、全身全霊で演じました。
その結果……他己分析をはじめてからは、
一度も一次面接で落ちることはなくなったのです。
その体験を企画化したのが、今回の『面接ではウソをつけ」です。まさに、構想10年。
俺を円形脱毛症にまでした就活に対する怒りをぶつけた『就活のバカヤロー』(光文社新書)と対をなす、
最強の就活本になりました。さて、いったいどんな『ノウハウ」が書かれているのか?
11月24日の発売を楽しみにしてくださいね。
2013新卒諸君!
面接ではウソをつけ!!
就活という茶番劇にまともにつき合う必要は一切ないのだ。
サッカーと同じで、戦術がなければ弱者は必ず強者に負ける。
この本は、弱者のための本です。
星海社新書 初代編集長
星海社新書OB。
新卒で光文社に入社し、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』『99.9%は仮説』『若者はなぜ3年で辞めるのか?』『非属の才能』(すべて光文社新書)など、自分と同世代以下に向けて、メッセージ性が強く、かつ読みやすさにとことんこだわった本を作り続ける。2010年春に杉原幹之助・太田克史の両氏と出会い、「星海社で共に戦おう」と誘われ、3カ月悩んだ末に移籍を決断。星海社でも「新書」をベースキャンプとしながら、出版界の「高み」への登攀を目指す。新書編集歴9年の新書バカ。新書こそがノンフィクションの完成形であると信じて疑わない。尊敬する編集者は、戦後最大の出版プロデューサー・神吉晴夫。好きな言葉は、「俺は有名人と称する男のおこぼれは頂かぬ、むしろ無名の人を有名に仕あげて見せる」(神吉晴夫『カッパ大将』より)。
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