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HOME > ジセダイ編集部 > エディターズダイアリー > 面接のアホ質問を撲滅する!【曽和利光×中川淳一郎『コミュ障のための面接戦略』刊行記念対談1/2】

エディターズダイアリー

面接のアホ質問を撲滅する!【曽和利光×中川淳一郎『コミュ障のための面接戦略』刊行記念対談1/2】

丸茂智晴
2020年02月20日 更新

日本企業の新卒採用では、必ずと言っていいほど「面接」が存在します。
初めて会った面接官に自分の人生を根掘り葉掘り聞かれる異様な状況に、緊張しないなんて無理な話です。
エントリーシートや筆記試験は通っても、面接を突破できない。
実力はあるけれど、コミュ力不足で落とされてしまう就活生は後を絶ちません。
  
ですが、実は面接は精度が低いとデータ的に証明されているレガシーな採用手法なのです。
しかし日本では未だに重視され続け、ダメ面接官によるダメ面接が横行しています。
  
星海社新書『コミュ障のための面接戦略』は、そんな不条理な面接の突破に悩む「面接コミュ障」の方のために、これまで2万人を超える就活生に面接を実施してきた人事コンサルタント・曽和利光さんだからこそ伝えることができる様々な「面接ハック」をまとめた、既存の就活対策本とは一線を画した面接指南本です。

  
本書の刊行を記念して2019年3月に青山ブックセンター本店で行われた対談レポートをお送りいたします。
登壇者は、『コミュ障のための面接戦略』著者の曽和利光さん、そして不安まみれになる就活生の肩の荷を降ろしてくれる星海社新書の就活本『内定童貞』(2015年刊)の著者であるライター/ネットニュース編集者/PRプランナーの中川淳一郎さんです。
(司会:『コミュ障のための面接戦略』担当編集・丸茂智晴)
  
面接に怯える就活生のみなさん、必読の内容です!
  

不条理な面接を乗り越えなければならない不条理

──本日は曽和さんと中川さんのお二人に、日本の新卒採用、とりわけ面接がいかに不条理なものか叩き切っていただきつつ、それをどう乗り越えればよいのか、ご指南いただきます。
  
中川 「不条理だけどやんなくちゃいけないクソさ」ってのが面接なんですよね。
  
曽和 避けられないですからね、面接やってない会社ってないですから。
  
中川 でも「面接は意味ない!」ってことを『コミュ障のための面接戦略』で書かれたんですよね、精度が低いと。
  
曽和 だから人事の方から「あいつテクニック本書きやがった!」と反発を買うこともあるとは思います。ただ、読んでいただければ分かると思うんですけど、この本は面接官がちゃんと面接をやってないから、学生たちが自分を分かってもらうため必要悪としての「テクニック」を伝える内容になっています。いまの就活が多くの学生にとって不条理であることは、みなさんお認めになるはずです。
  
中川 ほんと就活ってクソですよね〜。私は1996年に就活で2月に開始して6月に終わったんですが、この4ヶ月の就活期間は絶対にやり直したくない4ヶ月でした。グループ面接に行くと、だいたい東大と慶応のやつが学歴自慢するんですよ! 「慶應義塾大学の●●と申します」って居丈高に大学名振りかざして、誰かが発言すると「さっきの●●大学のやつが言ってること意味わかんな〜い」って。この茶番が嫌。ふだん日本人って穏やかで自己主張しないのを美徳として生きてるのに、なんでグループ面接になると学歴自慢して、自分がいかに素晴らしいかを競うようになるんですかね。しかも嘘ばっか吐いてるわけですよ! 「バイトでお客さんの笑顔が嬉しかった」みたいな美談を語ってるのを聞くと、「うるせえ! 競馬で大穴当てたときのほうが絶対お前嬉しかっただろうが! その時の話をしろよ!」って思うわけです。企業側も、すべての会社が綺麗事しか言ってない! そう、その会社の綺麗事を読んでるぞアピールしちゃうバカ学生いますよね。「面接に行った会社との自分の接点を述べ、さらにその会社を褒める」っていうバカ学生が9割! 今日はですね、この丸茂編集者のエントリーシート(ES)を後でさらしてやるんだけど、まさにそれをやっちゃってる。あのESほんとクソですね!
  
曽和 ですが、僕としてはアホESが生まれてしまうのは「ESを出すほうがアホ」だからと思うんですよ。「そう聞いたら、ふつうそう答えますよね?」と僕は学生さんに同情します。僕は「ES志望動機撲滅同盟」っていうのをやってまして......なかなか広まらないんですけど(笑)。
  
中川 それ、もう4年前から言ってますよね(笑)。
  
曽和 あとで掘り下げますが、志望動機なんて具体的にない学生のほうが多いわけじゃないですか。たとえば合コンで会ったばかりの男が「なんで俺のこと好きなの?」って聞いてきたらキモいですよね。
  
中川 キモいね〜!
  
曽和 でも「なんでうちの会社を志望しているのか言ってみたまえ」という聞き方で、まさにそれをやっちゃってるのがESなんですよ。「どういうタイプが好きですか?」だったらまだ分かる。「どんな会社やどんな仕事をどんな基準で選んでますか?」って聞けばいいのに、いきなり「俺のどこが好き?」ですよ。
  
中川 なるほど、設問自体がアホだと。今日はこうやって曽和さんに事実をいろいろ明かしていただくので、ぜひ溜飲を下げて帰っていただきたいですね!
  
曽和 とは言っても、アホESもアホ面接官も現実的な壁として立ちはだかってくるので、それを乗り越えるための実践的なお話もさせていただきます。
  
中川 あと大前提として押さえておきたいのは、そんなアホESを書いてしまった丸茂編集者みたいなひとでも内定取れるんですよ! バカでも内定取れるんで、ご安心してください!
  
──ということで、すでにして僕は耳が痛いのですが、前半は企業側の面接のアホ質問について、そして後半は僕のアホESについて、おふたりに叩き切っていただきながら面接突破の実践的なコツをお伝えできればと思います。
  

「求める人物像」を採用基準にするな!  

──まずは「面接のアホ質問を撲滅する」と題しまして、ツイッターで募集した「面接で聞かれてどう答えればいいのか分からなかった質問」をいくつか挙げさせていただきます。おふたりには質問の問題点をご指摘いただきつつ、そのうえでどう答えればよいのか、アドバイスをお願いします。
  

『弊社があなたを採用するメリットを教えてください』

  
曽和 この質問は、まず単純に嫌な感じですよね。面接は相互評価の場だと思うので、「お前を採るメリットはなんなんだ?」というのはすごく上から目線だと思います。ふつうに「あなたのいいところを教えてください」と聞けばいいのに、面接官というプチ権力者になったひとの悪い感情が滲んでますよね。
  
──つまりこの質問は、長所を教えて下さいと言い換えられるということですか。
  
曽和 これはあなたの「強み」を答えればいいと思います。
  
中川 でも学生が自己分析して考えた「強み」は、実は社会では通用しないかもしれないじゃないですか。
  
曽和 そうなんですよ。学生さんが企業側の求める人物像を深く理解することは難しいです。さらにコンサルティングで求人する人物像の設計を手伝っていると、企業が表に出している「求める人物像」の半分は間違っていると実感します。面接は学生さんが人物像を理解していること前提で行われていますが、企業が自分たちの採用方針を誤解していることすらある状況で、そんなことって無理なんです。メリットは面接官が考えるべきことであって、学生側に要件にあっているかの判断を任せてはダメ。ふつうに過去のエピソードを聞いてあげるための質問をすべきです。「求める人物像」を採用基準にしているってことが、おかしい。
  
中川 しかも「求める人物像」って絶対公開しないと思うんですよ。たとえば電通がほしい人材をぶっちゃけると「パワハラすんじゃねえ」「22時過ぎて残業してもツイッターに書くなよ」とかじゃないですか。こういうことなんですよ、採用基準って!
  
曽和 表面に出せない隠れた採用基準っていうのも、いっぱいありますよね。ちょっとややこしい言い方になりますが、「採用担当者が自社の採用基準と誤解していること」を言い当てることができたら「わかってるな!」と思われて合格する可能性が高くなるというところでしょうか。
  
中川 たとえば博報堂の面接なら「電通大嫌いです!!」って言えばいいってことですか!?
  
曽和 本当はそういう基準があったとしても、公言できない意識の奥底に押し込めているような基準をストレートに言っちゃうのはNGですね(笑)。

中川 「私はナンバー1気質じゃないから、業界最大手とか苦手なんですよ」とか答えるのはどうでしょう?

曽和 というのは、博報堂出身の中川さんのほうにお伺いしたいです(笑)。実際どうですか?

中川 これは実際そうで、クライアントに対して「電通さんがいるのに、そこを差し置いて私共をコンペで勝たせていただきありがとうございました」という低姿勢に出るのが博報堂の良さだと思うんですよ。ド直球じゃなくて、ウィットを効かせた企画が得意な感じ。それを言い当てられたらウケますね。
  
曽和 「電通より博報堂が好き!」という本音を、「二番手がいい」と柔らかく暗示する感じで言い当てていると。面接で世間的に尖ったことを言うのは、たとえ言っていることが正しくても反発を買ったり「空気が読めない」認定を受けるリスクがあるので、その方がいいですね。
  
中川 本音をそのまま口にせず、そこから類推できる穏やかな言い方で攻めるのが得策だと。
  
曽和 中川さんみたいな方が面接官なら、本音を言っても「お前分かってんじゃん!」と高評価かもしれません。ただ、ふつうの面接官......すみません、中川さんを異常なひとって言ってるわけじゃないですよ(笑)。度量が中川さんほどでない面接官が多数でしょうし、そんなふつうの面接官は本音をズバッと言われてしまうと、「いや、そんなことはない!」とむしろ不合格になってしまうと思います。そこはかとなく「電通より博報堂が好き!」ということを伝えられるといいですね。
  
中川 「汐留ってちょっと海の匂いがしてくさいんですよね」とか(笑)。それは冗談としても「NHKは苦手ですよね」っていうのは効きます、「TBSが好き」だとそこはかとなく二番手っぽいじゃないですか。学生たちは各社の綺麗事しか書いてない採用基準を見て、絶対にそれにあわせたコメントをつくってくるんですよ。ただ公表してる採用基準なんて綺麗事で、あわせても無意味です。だから行きたい会社があるなら、そこの社員と会った方がいい。社員と実際に話して、本音を分かったうえで面接へ臨むと勝率が上がると思います。
  
曽和 ただ繰り返しになりますけど、公言できないような本音をストレートに口にすることはリスキーです。うまくオブラートに包むよう、注意してください!
  

「○○についてはどう思うかね面接」は無意味!  

──次の質問は、冒頭で触れていただいた志望動機にも繋がるものかもしれません。
  

『君のエントリーシートからは本当に何がしたいのか伝わってこないなぁ......何がしたいの?』


曽和 これに対する学生の本音の9割は「とくにないです」だと思います。それを人事も分かっているはずなんですよ。なのに聞くのはおかしいですよね。
  
中川 俺はつい本心を言いたくなっちゃうんですけど、「ホームレスになりたくないし、親を安心させたいし、この会社なんとなく楽しそうだし、それじゃダメですか?」って答えると......。
  
曽和 そう答えると、落とされてしまいますよね。
  
中川 でも俺が面接して「将来どうしたいんですか?」って聞いたら「隠居したい」って答えたやつがいて、俺はそいつ通しましたよ!
  
曽和 そのひとを通せたのは、中川さんだからですよね(笑)。予定調和だとしても「聞こえがいい」回答を答えなければならない。ですが、もちろん「好きこそものの上手なれ」という言葉はあるけれど「下手の横好き」という言葉もあるように、そもそも「したい」ことが「できる」とは限りません。
  
──なにかをしたい能動的な意思がなくても、なにかができる能力があればいいし、後者が重要ということですよね。
  
曽和 そう、これを僕は「○○についてはどう思うかね面接」と呼んでいます。どこにでも答えることは可能なわけじゃないですか。そこで予定調和した回答を言ってきたらOK、そうでなければNGっていうのは明らかに間違ってますよ。『コミュ障のための面接戦略』で詳しく説明していますが、「will」「can」という枠組みがあります。面接官は「やりたいこと=will」ではなく「できること=can」を見ていて、学生も「できること=can」を伝えるために話すことが重要です。なのに、この質問は「やりたいこと=will」を聞いてしまっている。しかも「本当に何がしたいのか伝わってこないなぁ」なんて言われたら、「面接官の読解力が無い」ということです。ツッコミどころが満載!
  
──それでも聞かれてしまったら、中川さんのように実直な本音は答えられないところで、どう答えればいいですか?
  
曽和 相手がまともに判断してくれる/してくれないで変わりますね。まともに判断してくれる方なら「実は具体的にやりたいことは思い浮かばない」とある程度本音をさらしつつ、「役に立つか分からないけれど、こういう領域が好きで自分はこういう人間なので、逆にやれることってありますか?」くらい言ってしまってもOKです。「やりたいことがないなら×だ」という誤った評価基準を持っている方が相手だと、いまの回答もNGになってしまうから、もう割り切って「聞こえがいい」ことを訴えるしかありません。
  
中川 面接官全員が人事のプロではないっていうのが問題ですよね。
  
曽和 大企業の合格率は小数点以下になります。応募者が多いと面接官もたくさん必要になりますが、とくに初期選考は人事だけでは足りず現場から人員を引っ張ってきざるを得ないわけですよ。大手や人気企業の初期選考でいい面接官がいない、変な質問が出てくることの大きな原因がそれです。忙しいのに現場から駆り出された面接官にも同情しますが、学生さんからしてもつらいですよね。
  

「ガウディ」ではなく自分について語れ!  

──次の質問はESでも見かけたことがありますが、なにを計られているのかなかなかピンとこないところです。
  

『学生時代でいちばん印象に残ったことは?』

  
曽和 これもアホ質問ですね。たとえば「サクラダファミリアを見て感動しました!」という答えが返ってくるわけです。けれど、すごいのはガウディであって、そのひとではないですよね。そんなこと聞いてどうすんだと思いますが、聞かれたら誰もが感動するようなものを挙げるのは避けた方がいいです。
  
中川 それなら「イチローとかいうおじさんが引退して、なんでメディアが大騒ぎして50代のおじさんたちがあんなに涙しているのかわかりません。それが印象に残りました」って答えたらどうですか?
  
曽和 それは世間一般とは違う受け取り方をしているからおもしろいかもしれません。イチローのみについての情報ではなくて、そのひとの感受性が少し感じられますから。とはいえ「世間知らず過ぎる!」と思われるリスクもあるので、諸刃の剣でしょうね(笑)。
  
中川 でも俺らも20代のころに「長嶋茂雄がすごかった」って言われてもピンとこなかったじゃないですか! CMで「セコムしてますか?」って言ってるだけのおじさんですよ。つまり年代に応じて感受性は違うから、それを素直に言っちゃダメなのかよって俺は思うんですけれど。
  
曽和 おっしゃる通りで、世代間に隔たりがある感性を面接官が適切にジャッジする能力は無いです。なので、自分のことについての情報だとしても、感性を伝えるだけでは弱いです。
  
中川 これはどうですか? 「乙武さんのゴーストライターをやったんですよ。それまで身体障がい者の方について深く考えたことがなかったんですが、彼のことを理解するためということで「中川さんがふだん行かれてる場所へ一緒に行きませんか?」と提案されたことがあったんです。ユニバーサルデザインタクシーがあるからすぐ移動できると思ったら、トレーニングを受けてないからと何度も運転手に断られて、タクシーをつかまえるのに40分かかりました。ほかにもいかに我々がふだん何気なく過ごしている世間が、障がい者の方にとって不便かを思い知って、別の視野を得られたと思います。いまは何処へ行っても「乙武さんは来られるか?」と常に考えるようになりました。それが私の関心です」
  
曽和 いい回答ですね! 面接では基本的に自分のことを語らないといけないわけです。いまの中川さんの回答も「乙武さんがすごい!」って話だったらNGですが、乙武さんから受けた刺激によって自分がどう変わったかをお話しされていたじゃないですか。うちの会社でよければ内定出させていただきます(笑)。ただ「感動した」みたいな、自分の感性を伝えるだけの回答は認知のレベル止まってしまっているので、「あなたについて」語るという点では弱いわけです。その刺激によってなにか行動レベルまで変化したことを話せると、印象に残った対象だけでなく「あなたについて」語れているので評価が高くなります。
  
中川 では「メージャーリーグで本場の野球を目にして感動したので、私も野球選手を目指すことにしました」というのは!?
  
曽和 それは、そのひとがダメだということがわかるいい例ですね(笑)。
  

奇問難問は最悪! それでも聞かれたら?  

──ここからの質問は、なにを計られているかわからないどころか、聞かれたら帰っていいんじゃないかとさえ思ってしまうのですが、どうでしょうか。
  

『あなたを乗り物でたとえてください』

  
曽和 僕は「大喜利質問」と呼んでますけど、うまい回答ができたらいいって質問はまったく聞く意味が無いですよね。
  
中川 でも学生ってたとえ話をすごくしちゃいますよね。「私は粘り強い納豆です」みたいな。
  
曽和 それは長年面接が続いてきたなかで、先輩たちから口伝で「こういう質問がくるぞ」と聞いていたから、自分から先に言ってしまおうとしているのかなと思います。原因はこれまで質問してきた企業側ですよ。けれど「動物」だの「色」だの、「○○に喩えると」という質問はまだ多いですよね。
  
──ここまで変な質問は幸いなことに僕は経験しなかったのですが、意表を突かれる質問をされることはあると思います。その時はどう答えればいいのでしょうか。
  
曽和 真剣に「適切な比喩」を考えてはいけません。「自分をどういうふうに伝えたいか」を優先して、その特徴に合致する車や動物や色を考えましょう。面接の質問は、すべて「あなたはどんなひとですか?」をいろんな角度から探ろうとするものです。隙あらば、自分がやってきた事実を述べるようにしてください。
  
──次のような質問に対する答え方も同様ですかね。
  

『これまでの人生を漢字一字で表すと?』

  
曽和 「そもそも漢字一字で表せるような人生って大丈夫なの?」って感じですよね。
  
中川 「俺の人生一文字じゃ表せなくて、漢字602文字くらいならなんとかイケるんすけど!?」って答えたらどうですか!?
  
曽和 それ「じゃあ言ってみろ」って言われたらどうするんですか(笑)。これも「あなたはどんなひとですか?」という質問の変形であると考えて、「自分がどんな人間であるのか」を説明できる一文字を探してください。「自分がどんな人間であるのか」を説明できればいいので、レギュレーションに沿ってない中川さんみたいな回答もNGということはありません。ただ「漢字二字になっちゃうんですけど......」などと、レギュレーションを破ることについては前置きしたほうがいいと思います。
  
中川 なんでこういう質問を企業側はしちゃうんでしょうね。
  
曽和 うーん......真意はどうあれ「やみくもに質問をしないと学生の情報を聞き出せない」くらい面接官の腕が悪いからということだと僕は思います。Googleが以前は「富士山を動かすにはどうしたらよいと思いますか?」といった奇抜な質問を唐突にぶつけて、それに対する応答で頭の回転の良さを測っていたこともありました。けれどその面接の得点と入社してからの成果には因果関係がないことが判明して、今ではそのような面接を廃止しています。Googleはもう廃止してるのに、いまだにその影響で学生の機転をはかるような質問をしている企業もあるのではないかと。
  
  

後編はこちら
  
  

  
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丸茂智晴

根は体育会系、無鉄砲で直情径行 星海社の鉄砲玉を目指します!

丸茂智晴

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星海社アシスタントエディター。
1994年生まれ、長野県岡谷市出身。三度の飯より読書が好きという、いかにも文系な嗜好だが、高校までは理系、根は体育会系。文芸誌『ファウスト』に触発され、編集者になろうと志し、早稲田大学文化構想学部文芸・ジャーナリズム論系に進学。文芸批評を学びつつ、文芸誌『早稲田文学』編集部にて学生編集員として勤務する。文学を勉強し、文芸誌編集を手伝い、書店と雑誌編集部でバイトする本まみれの日々を送った。大学卒業を控えた2017年1月より、星海社に合流。

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