星海社新書は、知的好奇心を満たすだけでなく、次世代を担う若い世代が、自らの力で未来を切り開いていくための「武器」としても使える知のかたちを、シリーズとして本にまとめていきます。
列伝から、戦国時代の「僧侶」イメージを問い直す
戦国時代において、「僧侶」はいかなる存在だったのでしょう? 権力とのかかわりからか、太原雪斎、前田玄以、金地院崇伝、天海らの名が一般に知られていますが、実のところ、彼らに代表される「権力者のブレーン」といったイメージは、僧侶が担った役割の一部にすぎません。そこで本書では、宗派を問わず、戦国期に活動した僧侶約四〇人を選び、彼らの担った役割を見直していくことにしました。そして、そこから見えてきたのは、あまりにも多様な「俗世との関わり方」でした。近現代の一般的な「お坊さん」とはひと味もふた味も違う、「戦国の僧侶」。彼らについて知ることで、戦国時代のイメージも更新されることでしょう。
室町幕府二五〇年の軌跡を、最新研究で一望する
室町時代といえば、何を思い浮かべるでしょうか? 同名のベストセラーでも著名な「応仁の乱」でしょうか。あるいは、「観応の擾乱」でしょうか? おそらく、みなさんの持つイメージは一定しないことでしょう。そもそも、室町幕府は成立/滅亡年についても議論があります。また、約二五〇年の存続期間のうち、最初の五〇年は南北朝時代、後半の一〇〇年は戦国時代にも区分されます。室町時代とは一体なんなのか、ますますわからなくなってきます。しかし、そこには確かに将軍と管領(執事)が存在しました。本書は、彼ら四二人の列伝から室町時代を見直していきます。ただし、この大著を通読したのち、みなさんの室町観はより多様化するかもしれません。それでは、室町幕府興亡の軌跡を、ともに辿りましょう。
一次史料が雄弁に語る、新たな上杉謙信像
一般的に「義の武将」として知られ、絶大な人気を誇る戦国武将・上杉謙信。しかし、この「義の武将」、あるいは「軍神」といった彼 のイメージは、実は近世以降に越後流軍学者をはじめとする人々によって作られたものであることがわかっています。では、実際の上杉謙信とはどのような人物だったのでしょうか? 本書では、発給文書や寺社に納めた願文など、一次史料を主な材料に、謙信の実像に迫ってゆきます。戦国大名家の当主をつとめるにあたり、いかに苦悩し、そして時に激情に突き動かされたのか。史料が雄弁に語るのは、喜怒哀楽を備えた人間としての上杉謙信でした。それでは、半世紀に満たない彼の激動の生涯を、共に辿っていきましょう。
スマートフォンRPG制作の極意と物語創作論
ゲームジャンルにおいて、映像や音楽などあらゆる要素が凝縮された「総合力の結晶」と言われる「RPG(ロールプレイングゲーム)」。その核とも言うべきプレイヤーの感情を揺さぶる「物語」を、スマートフォンRPGに初めてもたらした先駆けにして革命的傑作─『チェインクロニクル』。本書は本作総合ディレクターである著者が、スマホRPGだからこそできる最適な物語体験のための設計や、チームでゲームを作る組織制作論、クリエーターの意欲を刺激し続ける方法など、いまなお実践し続けるスマホRPG制作の極意を余すところなく語りきった一冊です。次代を担うゲームクリエーター、そして物語創作を志すすべての方に本書を捧げます。
日本サッカーの現在地を、ロシアW杯全試合からあぶり出す!
ハリルホジッチ前監督の緊急解任に伴って始動した、西野朗監督率いるロシアW杯サッカー日本代表は、1勝1分2敗・ベスト16という下馬評を覆す成績を残し、戦いを終えました。しかし、しかるべき総括が行われないまま関心は「次」にばかり向いていく、という日本サッカーが繰り返してきた愚は今こそ断ち切らなければなりません。本書では、ロシアW杯全4試合の戦術を徹底分析し、日本代表の展開したサッカーがどういうものだったか、世界の潮流の中にどう位置づけられるか、過去の監督たちの仕事とどのように連続性を見いだせるか、を検証します。日本サッカーの未来についての議論は、今この一冊から始まります。
脇役だった執事が主役に--------
本書は、「日本の創作における執事のイメージ」が、どのように描かれ、どのように広がり、どのように変化していったのかを考察する、初の通史となる一冊です。様々な漫画・小説・アニメなどの作品中で脇役に過ぎなかった執事が、1990年代からは次第にメインキャラクターとなり、2006年の「執事喫茶」の誕生に代表される「執事ブーム」が生まれ、「執事」のイメージ拡大は顕在化していきました。本書では1990年代から2005年までの執事イメージや作品の増加を「執事トレンド」、2006年以降の主役化作品の急増を「執事ブーム」として切り分け、ブームが生じるまでと生じた後の「日本の執事イメージ」を比較します。
永遠の「文系・理系」論争、ついに現れた基本書にして決定版!
「文系」と「理系」という学問上の区分けは、進路選択や就職など私たちの人生を大きく左右するのみならず、産業や国家のあり方とも密接に関わる枢要なものです。ところが現実には、印象論にすぎないレッテル貼りが横行し、議論の妨げになるばかり。そこで本書では、そもそも文系と理系というカテゴリーがいつどのようにして生まれたのか、西欧における近代諸学問の成立や、日本の近代化の過程にまで遡って確かめるところから始めます。その上で、受験や就活、ジェンダー、研究の学際化といったアクチュアルな問題に深く分け入っていくことを目論みます。さあ、本書から、文系・理系をめぐる議論を一段上へと進めましょう。
「愚将」を生み出した原因は、昭和陸軍の組織体質にあった
牟田口廉也は、インパール作戦を失敗に導いた陸軍司令官として知られている。だが、それのみを切り取って牟田口を「愚将」と断じてしまってよいのか。また、責任は彼個人のみに帰せられるべきなのか。本書は、牟田口の軍歴を丹念に追うことで「愚将」像を再検討してゆく。参謀畑を歩んでいた牟田口を、支那駐屯軍に左遷せしめた二・二六事件とその後勃発した盧溝橋事件。「常勝将軍」の名を与えたシンガポール攻略作戦。そして、大本営の裁可のもとで発動されたインパール作戦。牟田口の軍歴の背景から、陸軍の異様な体質が浮かび上がる。不健全な人事、不可解な決裁......昭和陸軍という組織は、自ら「愚将」を生み出したのだ。
いま、日本のマンガビジネスは大転換の渦中にある。
マンガアプリは「コミックス売上至上主義」を終わらせる――その過程と根拠を、著書『ウェブ小説の衝撃』でウェブ小説発のヒットコンテンツとビジネスモデルをいち早く洞察した著者が、解き明かします。マンガは「原作」としてあらゆるメディアで重宝される「原資」的存在でもあり、したがってマンガ産業の行く末は、マンガ界、出版界に留まらず、日本のコンテンツ産業全域の未来に関わる重大な問題です。マンガ界に進行中のビジネスモデルの変化は、マンガビジネスの勝者を変えます。変革の渦中にあるマンガビジネスの見取り図を提示し、本質的な変化は何か、この波のなかで何が鍵を握るのかを、関係者への綿密な取材と詳細なデータをもとに「熱く」「冷静に」論じます。
ミレニアル世代のための新しい「投資」論。
正田圭と申します。15歳で起業し、現在32歳。M&A(合併買収)事業を営む、TIGALA株式会社の代表を務めています。これまでに自分で起業した会社の経営、自社の売却、他社の買収を何度も経験してきました。今、僕の生まれた1986年あたりを境とする世代、「ミレニアル世代」に富裕層が増えつつあり、彼らは新しい「投資」の思考を用いて資産を形成しています。本書では僕の17年におよぶ起業家としての経験、そこで形成された持論をもとに、「投資」の定義と必要性、「投資」でなければ稼げない社会に変化した原因、ド貧乏もお金持ちも経験した僕だから言えるこれからの時代を投資家として生きていくために何をしていけばよいかについて縦横無尽に述べていきます。
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