変わる!関ヶ原史観はどこまで事実か!?
◆関ヶ原に築かれた幻の巨大山城とは?
◆小早川秀秋が寝返ったのは開戦と同時か?
◆合戦のクライマックス、松尾山への一斉射撃はなかった!
◆東軍の一方的な殲滅戦により合戦は瞬時に終わった?
◆石田三成ら西軍主力が大垣城を出て関ヶ原に向かった理由?
◆東軍諸将の快進撃にも関わらずなぜ家康は焦慮したのか?
◆島津維新が敵中突破を敢行した事情とは? 他
近年、関ヶ原合戦の研究が活発化し、多くの「新説」が発表されている。一例を挙げれば、「小早川秀秋が寝返ったのは開戦と同時、合戦は短時間で終結した」とする説や、「西軍が豊臣秀頼を迎えるための御座所として関ヶ原にある城山に陣城(玉城)を築いた」とする説などである。こうした「新説」はテレビ番組にも多く取り上げられ、関ヶ原合戦は従来言われているほど「たいした」合戦ではないというイメージが広まっている。だが、はたしてそれは本当だろうか。本書は、従来の関ヶ原合戦のイメージを一変させる「新説」をつぶさに批判検証し、信憑性の高い史料を基に決戦当日の布陣や経過を復元していく試みである。
(目次より)
序 章 通説を振り返る
第一章 関ヶ原合戦に至る経緯
第二章 西軍の関ヶ原転進
第三章 「西軍の関ヶ原転進は小早川秀秋の寝返りに対処するため」とする説の検討
第四章 布陣地の考察
第五章 「玉城は豊臣秀頼を迎えるための本陣とする説」の検討
第六章 「小早川秀秋の寝返りは開戦と同時」とする説の検討
第七章 合戦の経過を検討する
終 章 慶長五年九月十五日関ヶ原合戦の復元
水野伍貴
水野伍貴 みずのともき
1983年愛知県生まれ。高崎経済大学大学院地域政策研究科博士後期課程単位取得退学。現在、株式会社歴史と文化の研究所客員研究員。著書は『関ヶ原への道だ―― 豊臣秀吉死後の権力闘争』(東京堂出版、2021年)、『秀吉死後の権力闘争と関ケ原前夜』(日本史史料研究会企画部、2016年)、論文は「会津征討前夜―― 『直江状』の真贋をめぐって」(『研究論集 歴史と文化』第11号、2023年)ほか多数。
Copyright © Star Seas Company All Rights Reserved.