星海社新書は、知的好奇心を満たすだけでなく、次世代を担う若い世代が、自らの力で未来を切り開いていくための「武器」としても使える知のかたちを、シリーズとして本にまとめていきます。
日本の現代ホラー小説の歴史を100の名作で辿る!
貞子を生み出しホラー界に激震を走らせた鈴木光司『リング』が刊行、日本ホラー小説大賞が創設、角川ホラー文庫が創刊----日本のホラー小説史上の重大事件が続々と発生した1990年代。出版界を覆ったこのホラー小説の高波は、令和のいま巻き起こるホラーブームまで繋がっています。その潮流を辿るため、本書では『リング』が刊行された1991年から2024年までに刊行された日本のホラー小説より、100冊を厳選しご案内。さらにその100冊のみならず、ホラー小説の世界へ深く誘う〈併読のススメ〉も加え、総計200作品以上のホラー小説をご紹介します。怪異と恐怖の文学----ホラー小説の世界に、この本とともに呑み込まれましょう!
レジェンドが語る「音響監督」の黎明期から現代まで!
『鉄腕アトム』でアニメーションの世界に入り、1967年に『リボンの騎士』で音響監督デビュー。「音響監督」という言葉がなかった時代からアニメとともに歩み、音づくりの現場に立ち続ける著者が、いま音響監督の仕事を語る。本書を織りなす三つの〈音物語〉では「オーディション」や「アフレコ」、「声の芝居」といった役者たちが集う現場での考え方や、著者が関わった数々の名作の舞台裏、そして『鉄腕アトム』の頃の虫プロにまで遡る歴史が語られている。本書は、アニメを創り上げる数多くの人のつながりを記録する貴重なオーラルヒストリーであると同時に、アニメの音響の素晴らしさを次代に伝える一冊である。
かるた名人に学ぶ、勉強にも仕事にも使える集中力の極意
「かるたは集中力を身につける上で最高の教材である」
競技かるたで名人戦3連覇を果たし、かるたで養った集中力を駆使して京都大学首席合格を果たした粂原圭太郎名人はこう語ります。一枚の札への短期的な集中、試合前に札の配置を暗記する中期的な集中、一日がかりの試合で最後まで本気を出す長期的な集中──この3つの集中力があれば、勉強や運動などあらゆることに本気で向き合い、結果を出すことが可能です。本書では、かるた選手のみならず誰でも応用できる集中力のエッセンスを、かるた漫画の金字塔『ちはやふる』の名シーンを実際に見ながらわかりやすく深く解説します。
野球界と広告界、2つの世界を制覇した大谷翔平の秘密に迫る
大谷翔平のメジャーリーグでの活躍は毎日のようにニュースになり、多くの史上初記録を生み出しています。しかし、大谷の本当のすごさは野球界のみならず、広告界も制覇したことにあります。大谷は年俸を超える年間100億円もの広告を獲得し、今や日本では彼の広告を見ない日はなくなりました。そしてアメリカでも大谷翔平は社会現象となりつつあります。一体なぜ大谷は前代未聞の世界的熱狂を巻き起こしたのか、その背景にはいかなるマーケティング戦略があったのか──アメリカでマーケティングに携わる著者が、実体験を交えながら考察します。
重要度がますます高まるアフリカの現在と歴史を1冊で総ざらい!
国連加盟国の4分の1以上が並びたつ大陸、約15億人(人類の約2割)という膨大な人口を抱える大地、ジャズやラップなど多彩な世界的カルチャーの「ルーツ」とされる地----アフリカの重要度は現在、かつてないほど高まっています。しかし地理的・文化的にアフリカから遠い日本では、残念ながらアフリカの重要性が、さらには最新の動向があまり知られていません。そこで東京大学大学院でアフリカを研究する著者が、アフリカの政治・経済・文化の現在と、その背景にあるアフリカの歴史、さらにアフリカ大陸に位置する全54カ国(国連加盟国)の紹介を通してアフリカを立体的に解説します。本書が、みなさんにとってアフリカを知る第一歩となれば幸いです。
室町時代の混沌を最新研究で解き明かす!
三代将軍足利義満の栄華から応仁の乱を経て戦国時代へと突入する約100年間は、政治・社会の矛盾が顕著に現れた激動の時代だった。南北朝時代初期の足利一門の軍事制度、幕府の家格、守護の権力拡大が複雑に絡み合い、戦国時代への道を開く。天皇継承を巡る「正統」の争いは幕府の介入によってさらに複雑化し、後土御門天皇の葬儀が遅れる悲劇も生じた。一方、荘園の衰退で地方へ下向した公家は和歌や古典をその他に伝えた。また、コシャマインの戦いは蝦夷地を決定的に変容させた。本書は、気鋭の中世史研究者たちが最新の研究と史料をもとに、室町時代の混沌を鮮やかに解き明かした論稿集である。
目次より
論点1 南北朝動乱初期に軍事制度はなかったのか? 漆原徹
論点2 室町幕府の家格とはどのようなものだったのか 小久保嘉紀
論点3 室町殿はなぜ明から日本国王に冊封されたのか 秦野裕介
論点4 室町殿御分国と東国との「国堺」はどのような役割を果たしたのか 花岡康隆
論点5 〝京都の警備担当〞室町幕府侍所とはどのような存在だったのか 松井直人
論点6 室町幕府と鎌倉府はどのような関係にあったのか 亀ヶ谷憲史
論点7 政治都市鎌倉は鎌倉幕府の滅亡とともに衰退したのか? 駒見敬祐
論点8 「守護」とは何か 今岡典和
論点9 隣国守護の役割と活動 川岡勉
論点10 安芸・若狭武田氏は甲斐武田氏に比べマイナーか 笹木康平
論点11 コシャマインの戦いと武田信広 新藤透
論点12 室町期の荘園制はどのようなものであったのか 廣田浩治
論点13 室町時代の天皇はどのように継承されたのか 秦野裕介
論点14 後土御門のたび重なる苦悩となかなか挙行されなかった葬儀 渡邊大門
論点15 室町期の公家が地方に下向した実像を探る 渡邊大門
クラシックの未来を拓く名盤21+19枚
現代のクラシック音楽は、デジタル音楽配信の登場でリスナーの二極化といった大きなうねりの中にある。そんな時代にクラシック音楽の名盤はどこへ向かうのか? アルゲリッチやクレーメルの円熟した表現力から、アーノンクールやロトら古楽派の革新的なアプローチ、マケラやユジャ・ワンの清新でダイナミックな演奏、ショパン・コンクールで輝いた角野隼斗や藤田真央、グリモーの深い詩情が響くブラームスまで。新時代の感性でクラシックを再定義する天才や革新者たちが生み出した新時代の名盤を厳選。カルチャー論を交えながら名盤の魅力を余すところなく解説する。クラシックの未来を体感できる一冊がここにある。
目次より
EPISODE1 ヴィルトゥオーゾの饗宴〜アルゲリッチ、クレーメル、マイスキー、バシュメット
EPISODE2 古楽器のフロンティア〜最後の貴族アーノンクール
EPISODE3 ヴルトゥーオーゾを葬り去る〜ロトの革命、シュタイアーの技
EPISODE421 世紀の使徒降臨〜マケラ&ヤンセン
EPISODE5 新世紀のじゃじゃ馬ならし〜ドゥダメルとユジャ・ワン
EPISODE6 トリガーとしてのショパン・コンクール〜世界がかてぃんを見つけた日
EPISODE7 ルカ受難曲は名曲なのか〜現代音楽というラビリンス
EPISODE8 21世紀のディーヴァは誰だ〜ネトレプコ? ゲオルギュー?
EPISODE9 狼と暮らす女〜グリモーのブラームス
本書で取り上げる主な演奏家
アルゲリッチ(ピアノ) クレーメル(ヴァイオリン) マイスキー(チェロ) バシュメット(ヴィオラ) アーノンクール(指揮) ロト(指揮) シュタイアー(チェンバロ) マケラ(指揮) ヤンセン(ヴァイオリン) ドゥダメル(指揮) ユジャ・ワン(ピアノ) 角野隼斗(かてぃん ピアノ) 藤田真央(ピアノ) ネトレプコ(ソプラノ) ゲオルギュー(ソプラノ) グリモー(ピアノ)他
スマホの過去、現在、そして未来を繫ぐ41の視点
スマートフォンの登場は人類史上前例のない新たなライフスタイルへの革新をもたらし、社会そのものを根底から変えてしまった。この巨大産業の軌跡を丹念に追い続けてきた気鋭のITジャーナリストが、2007年のiPhone登場から2025年までの18年間を独自の視点で考察し、巨大であるがゆえに摑みきれない「スマホという産業」と「スマホが世界にもたらしたもの」、そして「スマホの次に来るものは何か」について、41のテーマから分析する。AIを初めとする劇的な技術革新が進むなか、果たして「ポストスマホ」は存在するのか。本書を以て断言する――スマホの未来から、人類の未来がわかる。
この統計データを見なければ「日本人」は語れない!
日本人は世界でも変わっている、とはよく言われる。しかしデータを丹念に調べたとき、どのような意味で「はずれ値」なのか。膨大な統計データを収集・分析し、社会経済動向を追い続ける伝説の統計サイト「社会実情データ図録」の管理人である著者が、「日本人」を真正面から分析したのが本書である。経済成長と寿命が軌を一にするはずの近代の法則からも外れ、大食・肥満に不思議なほど縁遠く、無宗教なはずなのに霊的感度は高く、夫婦関係は良好なはずが夫婦間の誠実さは重視せず、社会保障を政府に期待しない。そして世界で唯一「思いやり」を異様に重視する日本人とはいったい何者なのか。縦横無尽に統計を読み解く唯一無二の日本人論である。
アニメーションの最前線を支える頭脳は「世界観」をこう考える!
アニメや漫画、小説や映画といった創作に必要不可欠な「世界観」の設定・考証----本書は、アニメーションの現場を支える第一人者による画期的な「世界観」入門である。「大きな嘘を一つだけ/始めに地図ありき/リアルと心のリアル」といった数々の鉄則にもとづき、作品世界を整合的に創りあげる「思考の流れ」を詳述。キャラクターや物語・ジャンルの魅力を引き出し、監督や脚本家のクリエイティビティを加速させ、納期や予算といった条件さえも味方につけるプロフェッショナルの流儀を語り尽くした本書は、次代のクリエイター必読の書であると同時に、「架空世界」という真髄を味わい直すための一冊である。
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