• ジセダイとは
  • サイトマップ
ジセダイとつながろう!

ようこそジセダイへ!混沌と変革に満ちたこの時代、あなたは、何と闘いますか?ジセダイとは?

  • Home
  • スペシャル
  • 連載
  • イベント
  • 新人賞
  • 星海社新書
  • ジセダイ編集部
  • twitter
  • Facebook
  • RSS
  • youtube
  • SlideShare

HOME > 新人賞 > 新人賞投稿作品 > 動物実験賛成論

新人賞投稿作品

動物実験賛成論

青野 誠
2013年05月21日 投稿

コピー

動物実験に科学的、医学的見地から賛成します。
正しい知識に基づいた科学批判のお願い。

カテゴリ

医療

内容紹介

今年の4月、大手化粧品メーカー資生堂が化粧品についての動物実験廃止を発表しました。このニュースは大きく報道され、インターネット上では医薬品も含めた動物実験の是非について、活発な議論が交わされています。しかし、そこでの議論では、残念なことに誤った知識、あいまいな知識を立脚点とした主張が大半です。砂上の楼閣という諺があるように、不正確な知識を用いて議論をしても、実りのある結論を導くことはできません。この本では、動物実験が我々の生活にどのように役立っているのか。動物実験反対団体のプロパガンダの矛盾点、嘘への批判。一般の方々が科学に対する興味をもつことの大切さ。の3点を紹介いたします。





目次案・語りたい項目

プロローグ:反対派も賛成派も知ってほしい3つの事実
第1章:動物実験の利点
第2章:動物実験反対団体のプロパガンダの嘘
第3章:一般市民の科学、医学リテラシーの低さは新たな薬害を招く
エピローグ:正しい知識に基づいた科学批判のお願い

書き出しの第1章

プロローグ:反対派も賛成派も知ってほしい3つの事実

 みなさんは『動物実験』についてどのような意見をお持ちでしょうか?

 インターネットの掲示板上で、よく見られた意見を例に挙げてみます。みなさんはどちらに共感するでしょうか。
 賛成派「新しいくすりの研究には動物の犠牲はやむおえない」
 この意見に対する反論「人間の繁栄だけのために動物を犠牲にするのはエゴイストの考えだ」

 反対派「動物にも生きる権利がある。動物実験を行う者は残酷だ。動物たちがかわいそうだ」
 この意見に対する反論「動物実験によって得られた医療の恩恵をうけながら、科学者の批判をするヒトは、自分だけ博愛主義者を気取りたいエゴイストだ」

 これらの主張の陥穽に、お気づきになりましたでしょうか。
 人間はエゴイストであるという共通認識は得られたようですが、肝心の、動物実験を行うことがどれだけのメリットをもたらすのか、具体例がまったく言及されていません。
 具体例を挙げることができれば、「これだけのメリットがあるから動物実験を行うべきだ」、「これしかメリットがないので、動物実験は廃止するべきだ」と議論をもう一歩進めることができます。
 私は、動物実験によって得られる知見は、人間にとって大きなメリットがあると考えています。
 私は、動物実験賛成派です。

 この本では、(1)動物実験の利点
         (2)動物実験反対団体のプロパガンダの嘘
         (3)一般市民の科学、医学リテラシーの低さは新たな薬害を招く
の3点を取り上げます。
 イントロダクションとして、(1)、(2)、(3)の中から1つづつ、ご紹介いたします。
 自分の興味のあるところから目を通していただければ幸いです。
 動物実験賛成派も、反対派も、そして何より無関心派も、もう一歩前進することができることが本書の狙いです。

(1)動物実験の利点:安価

 大学の研究費も、製薬企業の開発費も、湯水のように湧き出てくるわけではありません。
 研究費、開発費の高騰は、新薬開発の遅れ、税金の値上げという形で国民に跳ね返ります。
 スーパーコンピュータ『京』がノートパソコン並みの安さで導入できるようなら話は別ですが、現在の技術では不可能です。
 実験用マウス、ラットなら、1匹数千円で手に入ります。

(2)動物実験反対派の矛盾: 杉本彩の二枚舌

 2013年3月、NPO法人『動物実験の廃止を求める会』が主催したシンポジウムに女優の杉本彩が『美しさに犠牲はいらない』という演台で講演を行いました。
 他方、杉本彩は2013年5月発売の、参天製薬 目薬『サンテ・ボーティエ』のイメージキャラクターをつとめています。
 動物実験反対集会で招待講演をしておきながら、製薬企業のイメージキャラクターになるという彼女の行動は、動物実験反対派、賛成派双方から厳しく糾弾されるべきでしょう。

(3)サリドマイド薬害:厚生省の無知

 みなさんも事件の内容は知らなくとも、『サリドマイド』という名前くらいは耳にしたことがあるかと思います。
 事件の内容を端的にまとめると、妊婦さんに睡眠薬として処方されたサリドマイドが、赤ちゃんに深刻な奇形をもたらした。という薬害です。
 当時の厚生省の役人は、この薬をあっさりと販売認可しました。
 反対に、アメリカFDA(米国の厚生省ような組織)に勤めるフランシス・ケルシー女史は、「提出された動物実験のデータだけでは安全性を示すのに不十分」と結論し、製薬企業に追加実験を求めました。
 彼女の科学的判断に基づく決断により、アメリカでのサリドマイド承認は延期され、その結果、薬害は回避されました。
 例えば、我々が、現在の厚生労働省の役人に対して、『科学論文の解釈についての勉強会の必修化』等の提言を行えば、将来起こるかもしれない薬害のリスクを減らすことができるでしょう。

 

 

応募者紹介

青野 誠さん

2009年 新潟薬科大学薬学部卒業
薬局、ドラッグストア等勤務
2013年現在 新潟大学医歯学総合研究科大学院在学中

ジセダイユーザからのコメント

ランキング


星海社新書発売中!既刊書籍情報一覧

FOLLOW US

ジセダイをフォローする

ジセダイは、20代以下の次世代に向けた、行動機会提案サイトです。