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HOME > ジセダイ > お知らせ > 【ジセダイ×ダイヤモンド・オンライン】なぜ京大の「起業論」授業が医大生に人気なのか? 今こそ重要な「武器としての思考」- 1

お知らせ

【ジセダイ×ダイヤモンド・オンライン】なぜ京大の「起業論」授業が医大生に人気なのか? 今こそ重要な「武器としての思考」- 1

2013年03月12日 更新

京大の准教授と辣腕ファンドマネジャーの異色対談!?学生から高い支持を得ている京都大学客員准教授、瀧本哲史氏と、驚異の成績を上げている「ひふみ投信」を運用するファンドマネジャーの藤野英人氏。

全く違う分野の2人、実は「投資家」であり、かつ「大学で学生にメッセージを送り続けている」という共通項を持っています。今回は、若者たちに伝えたいことや「投資家的な思考」とは何かなどを縦横無尽に語り合いました。

※今回の記事はダイヤモンド・オンラインのページでも読むことができます。

 

京大の「起業論」の授業は
実は医大生の受講がいちばん多い

 

藤野 はじめまして。実はちゃんと話すのは今回が初めてですよね。

瀧本 そうですね。お互い顔と名前は知っていても、話す機会はなかったですね。ツイッターなどではお見かけしていますが(笑)。

藤野 実は、僕は瀧本さんの京都大学での授業に非常に興味があるんです。私自身、明治大学でもう12年ほどベンチャーファイナンスを教えているのですが、瀧本さんの授業はぜひ一度聞いてみたいですね。

 ご著書の『僕は君たちに武器を配りたい』を拝読しましたが、瀧本さんの授業を受ける学生って、学部別の授業を選択した割合をみると医学部の学生が一番高いそうですね。

瀧本 そうなんです。私が京大で教えている「起業論」は「大学卒業後、資本主義の世の中で自分の価値を高めていくにはどうすればいいか」が大きなテーマなので、将来が約束されているかに見える医学部の学生がこの授業を受けに来るというのは、当初は驚きでした。

藤野 確かにそうですね。

瀧本 しかし、現在の日本では医師をとりまく環境も変化しており、医者になったからといって幸せになれるとは限りません。学生たちはそういった状況を敏感に感じ、将来に不安を抱いて私の授業を受けているのでしょう。

 実は、最近は法学部の学生の受講も増えているんですよ。難関資格の代名詞だった司法試験も、ロースクールができて合格者数が増え、弁護士が余る状況になっていますからね。

藤野 東大の文科一類は、今年は志願者数が伸びず、センター試験での足切りがなくなったことが話題になっていました。法学部に入って法曹の世界を目指すことに不安を感じているのかもしれませんね。

 私は瀧本さんの『武器としての決断思考』を読んで、これが学生に売れているのはよくわかるなと思ったんです。

 今、学生たちは「先々世の中がどうなるか分からないし、自分がどうしたらいいのかも分からない」と迷っています。マスメディアでは就職人気企業ランキングを出して「若者は大企業志向が強い」なんて言いますが、メディアが言うほど学生は大企業を信じているわけでもない。

 カオスの中でとりあえずブランドにすがっているだけで、本当は強い不安を抱え、「どうしたらいいのかを学びたい」という気持ちなんですよね。

 

社会が迷っているときには
「思考法」が武器になる

 

藤野 瀧本さんの『武器としての決断思考』では、第三者を納得させる「ディベート」と相手を納得させる「交渉」とは違うものだということを示し、仕事をどうするか、家庭をどうするか、人生をどうするかといった問いに自分で答えを出すための思考法を提示されていますが、これはぜひ学生に伝えるべき内容だと感じます。

 不安定さが増す中で、「自分には武器が必要だ」と感じる学生がこの本を手に取っているのでしょうね。

瀧本 日本は戦後長らく続いてきた「発展途上国キャッチアップモデル」が終焉し、次の成長モデルが見えてこないなかで、学生だけでなく社会全体が迷っている状態だと思います。

 明治時代末期は、開国か攘夷か、倒幕か佐幕かと世の中が大きく揺れ動きましたが、今の日本は当時と同様、パラダイムチェンジの過渡期にあると言っていいでしょう。

 市場経済と計画経済のどちらを志向すべきか。大企業中心の成長を目指すのか、イノベーションを喚起して新興企業の成長を促し、“大企業”の入れ替わりを促進するのか。

 今のような時代は多様な選択肢を検討したほうがいいと思いますし、学生もそれを敏感に感じ取っているのではないでしょうか。

なんと7割は株価が上昇!
日本はダメな大企業ばかりではなかった!?


藤野 僕は、成長が望めない大企業がある一方で、意外に頑張っている会社もあるというのが今の日本の姿だと思っているんです。

 最近、投資のセミナーなどで参加者の方に「2012年12月に国内の株式市場に上場していたすべての企業のうち、10年間で株価が上昇した企業はどれくらいあると思いますか?」と質問して手を挙げてもらうと、だいたい15〜30%程度で挙手する人が多い。でも実際は、この10年で上場企業全体の約7割は株価が上昇しているんですよ。さらに、株価が上昇した約1700社の企業は、10年間で株価も利益も2倍近くになっています。

 東証株価指数が2%しが上がっていないのに、これらの企業は営業利益の平均成長率が年7%、株価も年7%上昇している。

 この話をすると、セミナー参加者の方はみんなびっくりするわけです。実はこの10年間、日本の株式市場の足を引っ張っていたのはいわゆる「大企業」だったと。特に経団連に会長や副会長を出している有名企業や、東証一部上場企業のなかでも“名だたる大企業”とされる企業ほど株価が下がっている。

 メディアはこうした「ダメな大手企業」の情報ばかりを取り上げますから、世の中が不必要に暗くなっているんですよね。日本の株式市場や日本企業は、多くの人が思っているほどダメじゃない。

 

メガネを外して物事を見てみよう


瀧本 藤野さんがおっしゃるように、日本全部がダメだ、と思いこんでいる人は「古いメガネ」をかけてしまっているんだと思います。「古いメガネ」で物事を見ている人は、パラダイムチェンジが起きている時にそれを認めず、無理矢理に理屈を作るんですね。

 たとえば天動説が信じられていた時代に地動説が登場した場合を考えると、観測技術が進むほど天動説は破綻し、地動説をとればすべてがシンプルに説明できるとわかるわけです。

 ところが「古いメガネ」をかけている人は、一生懸命、複雑な理論を考えてまで天動説ですべてを説明しようします。今の日本の株式市場についても、経済メディアが「株といえば日経225」というパラダイムで物事を見ており、その視点で何でも説明しようとしているように感じます。「古いメガネ」を外さないと、大きな変化に気づくことはできません。

藤野 「古いメガネ」って、社会人になってから外すのは大変なんですよね。子どものころはメガネをかけていなかったはずの人でも、ひとたび社会に出てメガネをかけると、肌に張り付いて取れなくなってしまう。この点、私は大学で学生に教えていると、若者のメガネを外せる感覚があるんです。

 大学生にもなるとメガネはかけているんだけれど、まだ張り付いていない。教えているとメガネが割れる瞬間があって、学生が今まで誰かから詰め込まれていた先入観や偏見から抜け出していくのを見ると、感動を覚えることがあります。

 自分の本業の以外に、授業を持って単位もあげて…となるとそれなりに大変なんですが、これは僕の「投資」のひとつですね。投資というのは「お金」に限らないんですよ。そのへんを大学生にも知ってほしいです。投資家思考のひとつとして。

瀧本 私は、教えるのは基本的に「18歳」をターゲットにしているんです。京都大学の授業についても、1年生の春学期が一番大事だと思っています。「ビジネススクールで教えないか」「学部で授業を持ってほしい」といった要望を受けることもありますが、興味はありません。変化を起こすのはいつも「新しい人」「参加していない人」「何も持っていない人」であって、古い見方を知らない人のほうが現状に疑問を持てる。

18歳というタイミングで「ゼロから物事を考えること」を学ぶのが大事だと思っているので、授業ではあまり私から「教えない」ようにしています。教員の発言をメモしてそれを再現することに意味はありません。

 私が設定した問いに対して学生が意見を出し、さらに反対意見を募るというのが私の授業のやり方です。目的は、「正解」を学ぶことではありません。いろんな考え方が成り立ちうることこそ、学んでほしいと思っています。

藤野 若いうちから「思考」して、それを「実践」してみるのは大切ですね。僕のベンチャーファイナンスの授業も同じような考え方でやっています。最初は座学で知識や情報を教えますが、後半は学生が企業調査をして企業の成長要因や今後のリスクをまとめ、最後は調査した企業の社長の前でプレゼンするんです。

瀧本 社長の前で、学生がプレゼンですか。

藤野 はい、そうです。企業調査の方法やプレゼンの方法などは教えないので、学生たちは自分でやり方を考え、反省を次に生かしながら学んでいくことになります。

 瀧本さんのご著書にもありましたが、大事なのは答えを知ることではなく、自分で正しい問いを立てられることなんですよね

(次回は3月12日に更新予定です。)

取材・文/千葉はるか

 

続きはこちら

 


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