グローバル人材の需要と役割。
ビジネス
グローバル人材の需要と役割。
一章:危機感を感じている大人たち。
僕たちは天使だった。
未来に翼を広げる本当の意味。
“グローバル人材”“グローバル企業””クラウドビジネス”と新聞やビジネス書で目にすることが日に日に増す経済用語ですが、本当の意味、政府がこれほどまでに急速に推し進める理由はご存知ですか?
国際的な状況変化が要因ではなく実は内的要因、日本国内の少子化高齢化に起因する経済問題が背景にあります。
2020年東京オリンピック開催が決定しました。英語が話せない、しかし日本は海外に例を見ないほど美しく清掃や衛生面が行き届いた国、だから外国から多くの人が訪れても大丈夫、ではないのです。その2020年を前に日本では2018年問題と言われている”大卒が全国で17万人も減る”現象が起こります。これは経済を支えるひとつの側面、生産性の減少を意味します。その数は2006年の労働人口が6657万人に対し2017年には6217万人と400万人以上の減少になります。10年で400万人もの労働人口を失うのです。現在の日本全体の生産性を維持するのはこのままでは不可能です。そうなるとどうなるのでしょうか?経済のもう一つの側面消費も減少します。生産も消費も減少、市場の縮小、企業の減収、倒産。現在も続く若年世帯の収入減少はもっと悪化します、そして国自治体の税収の減少、年金、国保社保の徴収料のアップと日本は負のスパイラルに陥っていきます。それが明るい未来といえるのでしょうか?
現在の生産性を維持するには100万人規模の外国人労働者の受け入れが必要になります。すごい数です。でも今日本の生産物ってメイドインジャパンよりmade in CHINAとか海外の工場で作っている企業が多くない?と思う方もいるでしょう。しかし日本の産業を支えているのは大企業だけではありません、98%の比率の中小企業です。日本を代表する大企業、楽天とユニクロの英語社内公用語化はとても有名です。大企業はその組織の大きさと社内留保(会社内部で持っている資金)を武器に時間をかけて社員研修や新人採用、社内開発を行っています。国も大企業に対しては潰れてもらっては困るので助成金を出しています。生産効率、人件費法人税の観点から海外に工場を持つ企業は多いでしょう。それは中小企業も同様にどの会社も行えることなのでしょうか?中小にも多種多様な業務形態があり一概には言えませんが、小さい会社ほど社員ひとりの行う業務範囲は多岐に渡り、国内を起点に生産活動を行わなければならない場合が多く、年齢も高齢化してきます。その後進の若年者日本人は年々すごい早さで減っていきます。企業体力のある大企業はバンバン求人サイトや大学の就職課に求人を出せます。中小企業も求人を出しますが、高待遇と知名度を武器に大企業が広告代理店に外注した計算つくされた求人広告と中小、どちらが若者にウケるのでしょうか?
この企業格差は決して日本経済全体に良い影響を与えるとは言い切れません。大企業も中小企業もそれぞれ意味があるのです、存在する価値があるのです。その鎹(かすがい)となるのが一番最初のキーワード “グローバル人材”です。
グローバル人材は大企業に必要な人材ではありません。それだけ企業体力のある大企業の社員は社内で研修をたくさん施し、自分たちで体得することができるからです。
本当に必要なのは”中小の生産力をサポートする鎹”にグローバル人材を目指す僕たちはなることです。
この広いアジアでも日本国内の労働収入は他のアジア諸国と比べ高い水準を誇ります。シンガポールに次ぐ生産収入を誇り、それと日本人の人柄、日本の美しさに憧れて労働ビザを取得し入国する外国人の方は多いです。
アジア諸国では、フィリピンをはじめ初頭教育から英語は必須言語で、母国語でなくても話せる外国人は多いです。なぜなら民族が多様に存在する島国などでは自分の故郷の言語と統一言語としての英語を使いこなせることがとても便利だからです。
日本にも方言と標準語、とみなさん使い分けていますよね?また敬語とタメ語など、私たちは世界でも指折りの難しい日本語を義務教育の過程で体得しているのです。
ただその高い識字率が、逆に現在の”英語がしゃべれない”という状況を生んでいます。
なぜなら英語なんか話せなくても日本語が通じるから。それを労働に来ている外国人労働層にも要求してしまっているのが今の日本人です。
私たちがこどもの若い柔軟性のある脳で9年間かけて読み書きを体得した難しい言語日本語を、大人で働きながらしかも母国とは全く違った環境で、不安を抱えながら働きだした方々に話せるようになってください、というのは逆の立場だったら少し気が引けませんか?
逆に効率的に考えて”彼らは英語がみんなしゃべれる”、なら”日本語と英語を両方話せる通訳のような存在”がいたら中小企業の日本人と、海外から来ている労働者との関係も円滑にいくのでは?、と考え奮闘しているのが今の政府です。そのニューオキュペイションが「グローバル人材」と言われる仕事です。
ある意味、大げさかもしれませんが日本の将来は僕たちがどれだけ外国人と日本人を繋げたか、に懸かっている気がします。
統計的なデータと、現在第一線で活躍するこの新しい仕事で社会に価値を生み出そうとしている大人たちを取材します。僕らが未来を変えます。それは小さな小さな一歩かもしれませんが、経済大国の豊かさに溺れず、途上国を蔑むこともなく、また増え続ける高齢者を年金や保険料の負担増などの言葉で片付けず、尊敬を持って、日本人がもう一度心の豊かさを取り戻せる策を若者である僕たちが見い出します。
桜田 潤さん
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