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新人賞投稿作品

ベタな生き方

六重野絵夢 (THE NEETS)
2014年06月16日 投稿

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複雑な現代社会において、
生きる指標を見失った全人類に告ぐ!!!
「ベタに生きろ!!!」

カテゴリ

趣味・雑学

内容紹介

めまぐるしく回転する時代の変化についていけない。
流行を追いかけるのに疲れてしまった。
なんとなく日常生活が退屈で仕方ない。
そんな思いを少しでも感じたら、ぜひ本書を手に取ってみてください。
もしかしたら、あなたの求めているもののヒントは、「新しい刺激」ではなく「ベタな日常」に隠れているかもしれません。

『花見の定番である「三色ダンゴ」の配列にルールがあることに気づいていましたか?』
『お風呂で浮かべるあひるのおもちゃの正式名称をご存じですか?』

いつもの変わりない「ベタ」な風景が愛おしく思えるようになった時、あなたの日常が少し変わるはずです。

目次案・語りたい項目

前書き 

第一章 ベタな「日常」の楽しみ方
 第一節 ベタな「学校」の楽しみ方
  一、誰もが一度は通る「通学路」
  二、授業中のお約束
  三、全世代共通?なぜか流行った「あの」遊び
  四、王道から学ぶ困った時の対処法―「遅刻」、「宿題忘れ」
  五、放課後の買い食い定番商品ランキング
 第二節 ベタな「お風呂」の楽しみ方
  一、お風呂の「あひる」の正式名称は?
  二、壁面の「富士山」で銭湯気分
  三、BGMは「いい湯だな」
  四、ケロリン桶の秘密
  五、頭にタオルは科学的な根拠アリ
 第三節 ベタな「お酒」の楽しみ方
  一、「とりあえずビール」は景気づけの魔法の言葉
  二、飲み会で盛り上がる鉄板ネタとは
  三、最旬!酔っ払いコーディネート
  四、定番土産で家族へのアフターフォローを!
 第四節 ベタな「イベント」の楽しみ方
  一、誕生日はとんがり帽子で

第二章 ベタな「季節」の楽しみ方
 第一節 ベタな「春」の楽しみ方
  一、日本人の特権!花見は最高のエンターテイメント
  二、新生活のスタートにありがちな出会い
 第二節 ベタな「夏」の楽しみ方
  一、ひと夏のアバンチュールを期待できる「海」
  二、粋な夏祭りは江戸っ子に学べ
 第三節 ベタな「秋」の楽しみ方
  一、秋が「旬」な食品一覧 (※メタボ注意)
  二、秋の夜長をどう過ごすか
 第四節 ベタな「冬」の楽しみ方
  一、童謡から知る「日本の冬」
  二、決定!日本人の王道クリスマス
  三、正月

第三章 ベタな「恋愛」の楽しみ方
  一、ラブストーリーはありがちな
  二、ハズレのない告白シーン検証
  三、ド定番な「デートプラン」を考える

終わりに

書き出しの第1章

前書き

『時代は大量トレンド消費社会』

 テクノロジーの発達により、瞬時にヒト・モノ・情報が世界中を駆け巡るようになった21世紀。インターネットが普及し、一般の人々が気軽に情報の海を自由に回遊できるようになりました。情報拡散のスピードは驚くほど速くなり、トレンドの回転率も凄まじい勢いです。次から次へと新しいものが生まれては消えてゆくため、「流行の最先端」としての寿命は短く、今、時代の寵児としてもてはやされているものが、半年後、存在しているかどうかさえ確かではありません。「当たってもいつまで保つかわからない」という不安定さを持つ現代社会では、「ひとつの当たりを長く育てる方法を考える」のではなく、「新しいものを次々と発信し、古くなってきたものは使い捨てる」スタイルが主流となっています。次から次へと流行を生み出しては捨てる。時代はまさに大量トレンド消費社会であると言えるのではないでしょうか。

 物と情報に溢れた時代に生きる多くの現代人は、常に新しい刺激を追い求める傾向にあります。そんな情報飽食気味の彼らを釣り上げようと、広告代理店やメディア業界といったトレンドを仕掛ける側の人たちも必死です。少しでも人々の注目を集めようと、「今までにない新しいもの」「一風変わった珍しいもの」をキーワードに、様々なネタをあらゆるところからひねり出し、ところ構わず投げつけてきます。トレンドの回転にあわせ、沢山のものを送り出さなくてはならないため、「下手な鉄砲数うちゃ当たる商法」にならざるを得ず、1つ1つのクオリティはどうしても低くなりがちです。まず話題にのぼることを第一に考えるため、たいして中身の無いものを大袈裟に表現していることが多く、「流行」という色眼鏡を外してみると、物の本質は意外としょぼかったりするのは、こうした理由からです。
 試しに今、世の中で祭り上げられているものを、じっくりと冷静な目をもって見つめなおしてみてください。例えば、昨今、話題となることの多い「パンケーキ」。都会の女子を中心に注目を集め、今やお洒落カフェの看板商品となっています。小麦粉をベースにしたふかふかの丸いケーキを重ね、甘いメープルシロップで仕上げてあるその姿は、昭和の時代より3時のおやつとして存在する「ホットケーキ」とどこが違うのでしょうか?このように、元々存在したものを呼び名だけ変え、あたかも新しく現れたかのように表現されるのは、ファッション界などでもよく使われる手法です。
 恐ろしいことに、この「流行」というインパクトが大きければ大きいほど、情報が古くなってきた時の「時代遅れ感」も強くなります。そのため、一発屋芸人たちの定番の悩みであった「干され恐怖」が、今やあらゆる人々にとっても、他人ごとではない話となってきたのです。
 例えば、あなたがずっと気になっていた女の子をデートに誘おうとするとします。インターネットを駆使して女の子の好きそうなものやトレンドスポットを徹夜で調べ上げ、どうやら「パンケーキ」が巷で話題になっていることを知る。そこで勇気を振り絞って「パンケーキを食べに行かない?」と声をかけてみたところで、「え。それもう古くない?」というリアクションが返ってくる可能性が無きにしも非ずなのです。トレンドの伝播は地域差や個人差がありますから、インターネット上で「今流行っているようにみえる情報」でも、実際の街や個人の感覚では既に賞味期限切れとなっている場合も大いにあり得るのです。
このように、猛スピードで生まれ、次々と死んでいく情報の数々を全力で追いかけるのは大変危険ですし、第一、疲れます。それでも刺激に飢えた現代人たちは、常に「新しいもの」を求める。一体どうしたものでしょうか。

『「王道」を知ってこその「邪道」』

 今の世の中は、「新しいもの」を求めすぎるあまり、変化球ばかり蔓延しているように思います。しかし、基礎のない変わり種は本質的に浅く、物語性に欠けたものも多い。そのため人々に与える感動も表面上だけのものに留まり、寿命も短いのです。
 だからこそ、私はここで、今一度「定番」に立ち返ってみることを推奨したいと思います。定番とは、いわゆる「ベタなもの」ということです。「ベタ」というのは、お笑い的にはあまり良い意味では使われにくく、むしろ「ベタやなあ」という風に嘲笑的な意味を含んで使われることすらあります。しかし、「ベタ」の背景には、「ベタ」となり得る何らかの所以や物語性が潜んでいます。必ずしも「古いから良い」とは限りませんが、長く愛されているものには、それなりの愛される理由がある可能性が高いと考えられます。
 歌舞伎俳優の故中村勘三郎さんの名言に、「型をしっかり覚えた後に“型破り”になれる」というものがあります。この言葉が表す通り、スタンダードな価値を理解してこそ初めて魅力ある応用が楽しめるようになるものです。ピカソの一見デタラメに見える絵が魅力的なのも、基礎となるデッサンを完璧に習得した上で崩しているからであり、基礎を持たずしてピカソのような画風に挑戦してみても、ただの子どもの落描きになるのがオチです。何も知らずに上辺だけで新しい流行を追いかけるのと、基礎となる「ベタ」を理解した上で新しいものを見るのとでは、見えてくる景色が異なるはずです。
 
『ベタの中に「青い鳥」を見つけよ!』

 実は、わざわざ新しいものを追いかけなくても、日常何気なく過ごしてしまうベタな場面の中にも、たくさんの刺激は隠れているものです。
花見の定番である「三色ダンゴ」の配列にルールがあることに気づいていましたか?
お風呂で浮かべるあひるのおもちゃの正式名称をご存じですか?
本書では、こうしたベタな日常を楽しむちょっとしたコツを紹介しています。
いつもの変わりない「ベタ」な日常の風景が愛しく思えるようになるかもしれません。 

応募者紹介

六重野絵夢 (THE NEETS)さん

THE NEETS…S氏とM氏による文芸ユニット。2013年、M氏が某出版社を退職し、ニートになったことをきっかけに結成。(※ただし現在は就業中。)

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