もう"古い"とは言わせない!
イプセン、島崎藤村……
名作は今こそ読むべき!!
新しい視点で現代の問題を考える!
教養
今の人達は50年前、いや、10年も経てば古い物と言って手に取らない、過去の名作……しかし、見方を変えるだけで今が見えてくる。
名作はただの架空ではない。私たちの生きる世界と繋がり、最後に言葉に出来ない余韻を残す。その余韻こそ、何か私たちが感じる共感という物だ。
では、何に共感したのか?
本著では4つの違う形式の名作―小説、映画、戯曲、童謡、―をを通して、現代問題にアプローチすふ。
そして、読者に物語を"考える"ことを伝える。
プロローグ
第一章 映画:X-MEN〜ミュータントと同性愛者〜
○名俳優ユアン・マッケラン
○キュアという考え
○本当の個性とは?
第二章 戯曲:人形の家〜女性解放運動とモンスターペアレント〜
○幼き日の思い出、人形遊び
○ノーラを子供に、ヘルメルを大人に
○子供の自我を育てる
第三章 童謡:猿蟹合戦〜復讐といじめ〜
○終わらない復讐の連鎖
○制裁か暴力か?
○猿と蟹の和解
第四章 小説:島崎藤村〜個性とは〜
○何が彼を苦しめたのか?
○個性はいけないことか?オタク、ゴスロリ、原宿系
○自分らしくあるために
エピローグ
物語を考えるということ
プロローグ
みなさんは本屋に行き、どんな本を手にしますか?
雑誌、漫画、文庫、さらにはジャンルによって手に取る物は違うことと思います。
では、例えば芥川龍之介、太宰治、ヘミングウェイ。彼らの名前は知っていても教科書でしか見ないという人が大半だと思います。しかし、彼は名作と呼ばれる物語を作り出し、歴史に名を残し、みなさんが雑誌や漫画を立ち読みする側にいつも置かれているのです。
確かに時代背景は古いし、言葉も今に相応しくない。しかし、それらは名作と呼ばれ、イプセンに至っては今尚根強い人気を集め上演されています。
何が名作たらしめているのか?それは架空でありながら、どこか私たちの世界に繋がっていると感じさせる物語。そうして、読み終わった時の余韻です。その余韻は今の私たちの世界と繋がっているからこそ生じ、私たちは主人公に共感し、ときに涙を流すのです。
この本ではその余韻を考えることで見えてくる、現代の諸問題に触れて行く。諸問題に関しては私個人の意見も含まれるが、あくまで本書の目的は名作を楽しみ、考えることである。
本は偉人たちの知恵の決勝である。普遍の愛というように物事は形を変え、時代を超えて行きます。
この著書を通して物語を考える力を養い、物語を楽しむことが最終目標となるだろう。
第一章 映画:X-MEN〜ミュータントと同性愛者〜
まず、具体的な例としてみなさんの記憶に新しい映画「X-MEN」を取り上げて考えて行きたい。
この物語はアメコミブームの先駆けであり、遺伝子的に超能力を持ったミュータント達の物語である。
主人公が属するX-MEMは学校を本拠地にし、ミュータントの子供を教育しながら人間に害を与えるミュータントを退治する。彼らの目的は人間との共存である。主人公達ミュータントは自らを特別というのではなく、あくまで能力は個性であり、同じ人間という考えから行動している。
しかし、社会は彼らを排除しようとする。時に兵器として考え、彼らの力は個性でなく病気として取り除こうとする。こういった姿は今の社会でも見ないだろうか?
ここで私が挙げたいの同性愛についてだ。近年同性婚法も可決される国が現れ、日本でも認知度が高まっている。しかし、ある日本の政治家は同性愛は遺伝子の異常と一蹴したのも話題になった。
同性愛者達は自らは同じ人間であり、ただ同性をパートナーにするだけだという。愛はみな同じであり、同性を愛するのは個性だと考える。何処かで聞いたことがないだろうか?
そうミュータントと同じなのである。
実際同性愛に目覚めたばかりの青年の中には自分は病気だと悩み、誰にも相談出来ずに自殺する子もいる。
今回は適役であるマグニート役のユアン・マッケランや最終章に登場した"キュア"という薬を取り上げながら、物語を現代とリンクさせていく。
まず、この章を読んでいただければ、物語を考えるということが分かっていただけるだろう。
藤崎祐介さん
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