島津四兄弟、"鋼の結束"は史実か──? 気鋭の研究者が切り拓く、戦国島津氏研究の新局面!
九州を統一目前まで切り取った島津四兄弟(義久・義弘・歳久・家久)。彼らは固い絆で結ばれ、無類の強さを発揮して九州統一に邁進した──。このような四兄弟のイメージには、実は史料的な根拠を見いだすことができません。それでは、なぜ島津氏は北へと攻めのぼり、数々の合戦に勝利を収めることができたのでしょうか? 本書では、これらの疑問に答えるべく、一次資料をもとに九州統一戦を追っていきます。その結果、「面目」が島津氏の行動原理となっていたこと、そして必ずしも「団結」とは言えない、四兄弟の個性が浮かび上がってきました。九州統一戦の挫折より、430年。いま、戦国島津氏研究の新境地がひらかれます!
新名一仁
新名一仁(にいな・かずひと) (戦国史研究者)
1971年、宮崎県生まれ。鹿児島大学法文学部人文学科卒業。広島大学博士課程前期修了。同博士課程単位取得退学。博士(文学・東北大学)。みやざき歴史文化館、宮崎市きよたけ歴史館学芸員を経て、現在、鹿児島大学、志學館大学非常勤講師。南北朝期から戦国期という長いスパンで、南九州の政治史を研究している。単著に『日向国山東河南の攻防─室町時代の伊東氏と島津氏─』(鉱脈社、2014年)、『室町期島津氏領国の政治構造』(戎光祥出版、2015年)、『島津貴久』(戎光祥出版、2017年)、共著に『全国国衆ガイド』(2015年、星海社)、編著に『薩摩島津氏』(戎光祥出版、2014年)などがある。
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