そのイメージはどこまで本当か!?
鎌倉時代末期から南北朝時代の武将楠木正成とその長男の正行、三男の正儀。この三人の父子が本書の主役である。後醍醐天皇と南朝を支え続け、戦前の教育では理想の「忠臣」として賞賛された正成・正行だが、戦後になると正成は権力に抗う「悪党」へと評価を一変させた。いっぽうの正儀は「裏切り者」のイメージから戦前の教育で触れられることはなかったが、近年は南朝を代表する武将として再評価が進んでいる。時代によって評価が大きく変わった楠木氏三代の実像とはどのようなものか。気鋭の研究者が同時代史料や『太平記』を駆使しながら虚飾のない新たな楠木氏像を再構築していく。
目次
はしがき 二十一世紀の楠木氏
第一部 楠木父子 三代の軌跡
第一章 楠木正成
第二章 楠木正行
第三章 楠木正儀
第二部 楠木氏とは何者だったのか 領地・在地武士・戦争
第四章 楠木氏の支配領域
第五章 楠木氏と在地武士 157
第六章 楠木氏の戦争
第七章 楠木氏の子孫
あとがき
主要参考文献
生駒孝臣
1975年三重県生まれ。大阪教育大学教育学部卒業、名古屋大学大学院文学研究科博士前期課程修了、関西学院大学大学院文学研究科博士課程後期課程単位取得退学、博士(歴史学)。現在、花園大学文学部日本史学科准教授。著書に『楠木正成・正行』『中世の畿内武士団と公武政権』(以上、戎光祥出版)、『楠木正行・正儀』(ミネルヴァ書房)、共編著に『南北朝の動乱 主要合戦全録』(星海社新書)、『南北朝武将列伝 南朝編』(戎光祥出版)、『楠木正成 知られざる実像に迫る』(批評社)などがある。
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