金属バットの導入で何が起きたか?
1970年代までの甲子園は、公立校が私立校に対して互角以上の成績を収めた時代だった。しかし、2000年以降、夏の甲子園大会で、公立校で優勝したのはわずか1校にとどまり、準優勝も1校のみで公立校はなかなか勝てなくなった。このような智弁和歌山、大阪桐蔭、常総学院、明徳義塾などの強豪校が台頭する私立優勢の時代は、どのようにして始まったのか。1974年に金属バットが導入されたことが、高校野球の競技環境にどのような影響を与え、私立優勢の時代をもたらしたのか。球史に名を刻む名勝負を通じて、半世紀にわたる甲子園の勢力図の変遷を探る。
目次
第1章 金属バット時代の始まり〜申し子・原辰徳の登場
第2章 49代表時代の幕開け〜箕島、池田の全盛期
第3章 PL学園黄金時代〜ライバルとなった公立校
第4章 団塊ジュニアの時代〜古豪復活の一方で新勢力も続々登場
第5章 新世紀を前に〜強豪私立の時代へ
第6章 21世紀の甲子園〜大阪桐蔭時代の一方で
第7章 高校野球100年〜歴史の扉が開いた
終 章 高校野球のこれからを考える
巻末データ 全国高校野球 歴代優勝校 1974-2024
大島裕史
スポーツライター
1961年東京都生まれ。明治大学政治経済学部卒業。出版社勤務を経て1993年〜1994年ソウルの延世大学韓国語学堂に留学。同校全課程修了後日本に帰国し文筆業に。『日韓キックオフ伝説』(実業之日本社のちに集英社文庫)で1996年度ミズノスポーツライター賞受賞。著書に『2002年韓国への旅』(NHK出版)、『日韓サッカーのすべてがわかる本』(スリーエーネットワーク)、『誰かについしゃべりたくなる日韓なるほど雑学の本』(幻冬舎文庫)、『コリアンスポーツ〈克日〉戦争』(新潮社)、『魂の相克〜在日スポーツ英雄列伝』(講談社)がある。また東京を中心に高校野球を取材し、各媒体で執筆、解説をしている。
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