競馬最強世代のひとつ「一九九八年世代」の競走馬たちの激闘録
一九九五年にうまれ、日本競馬史上唯一無二のJRA平地G1完全制覇を達成。競馬の本場・欧州でもG1を勝ち取った「一九九八年世代」のサラブレッドたち――スペシャルウィーク、グラスワンダー、エルコンドルパサー、セイウンスカイ、キングヘイロー、エアジハード、マイネルラヴ、アグネスワールド、ファレノプシス、ウイングアロー......国際化を進める日本競馬の重要な転換期に誕生し、日本と欧州で数多の名勝負を繰り広げた優駿たちの三年半の軌跡。競馬の「最強世代」候補として必ず挙がる一九九八年世代の競走馬と、馬たちの育成と真剣勝負に人生を捧げたホースマンたちの記録と証言を紡ぐ、競馬ノンフィクション。
「ナンボかかってもいいから、絶対に買ってこい」
「連れていかないように、お願いしてください」
「もちろん、うちの馬に乗ってくれるよな」
「なにもしないで終わるな。自分から鈴をつけにいってくれ」
「五馬身差をつけて勝つ」
「強いものは強い!」
「グラスワンダーが負けたんじゃなく、エアジハードが勝ったんです。まずは勝者を称えるのが筋ではないですか」
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本書目次
はじめに 最強世代、それぞれ
序 章 一九九七年 アメリカの血
バブルの遺産
世界的な名血馬
グラスワンダーの衝撃
第一章 一九九八年春 三強のクラシック
クラシックの主役、現る
皐月賞 セイウンスカイの奇跡
NHKマイルカップ もうひとつの頂上決戦
日本ダービー 三強の戦い
第二章 一九九八年秋 最強への挑戦
毎日王冠 サイレンススズカの背中
天皇賞(秋) 悲劇と歓喜の二〇〇〇メートル
菊花賞 三冠最終決戦
ジャパンカップ コンドルは飛んで行く
スプリンターズステークス 大金星
有馬記念 グラスワンダー、復活!
第三章 一九九九年春 それぞれのチャンピオンロード
スペシャルウィークの春
安田記念 世代最強のマイラーは
フランスのエルコンドルパサー
宝塚記念 初対決
第四章 一九九九年秋 大決戦
凱旋門賞 日本競馬史上もっとも偉大な二着
天皇賞(秋) 日本産馬、最終決戦
短距離馬たちの秋
ジャパンカップ スペシャルウィークと日本の意地
有馬記念 奇跡の鼻差
終 章 二〇〇〇年 最強世代の証明
高松宮記念 坂口正大の涙
平地G1完全制覇
おわりに 二〇二二年
江面弘也
江面弘也(えづら・こうや) ノンフィクションライター
1960年、福島県生まれ。東京理科大学卒業後、(株)中央競馬ピーアール・センター入社。雑誌『優駿』の編集に携わったのちフリーに。『優駿』『Sports Graphic Number』などの雑誌に競馬記事を多数寄稿。著書に『サラブレッド・ビジネス ラムタラと日本競馬』(文春新書)、『名馬を読む』『名馬を読む 2』『名馬を読む 3』『昭和の名騎手』(三賢社)、『「青年日本の歌」をうたう者 五・一五事件、三上卓海軍中尉の生涯』(中央公論新社)、『活字競馬に挑んだ二人の男』(ミデアム出版社)など。
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