文芸市場の「半分」を占めるまでに成長した、ウェブ小説の歴史。
多くの人がウェブ小説に漠然とした印象を持ってはいる。しかしその歴史を扱った書物はほとんどない。2022年現在、世間的には、ウェブ小説といって真っ先に思い浮かぶものは「なろう系」「異世界転生」というイメージだろう。実際にはウェブ小説は、1990年代には「分岐する物語」「集団創作」志向を持ち、「自費出版」「ケータイ小説」などのかたちでも展開、小説家になろうや他の思想の異なる「ウェブ小説投稿サイト」の隆盛といった数多の試みと多様化を経て現在に至る。本書は「ウェブ小説の書籍化の歴史」を主に扱う。今や日本の文芸市場の「半分」を占めるまでに成長したウェブ小説の歴史を、ネットビジネス史と出版産業史的な視点から紐解く。
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