一次史料から浮かび上がる、真田信繁の素顔
真田信繁は、「大坂の陣で活躍した武将」として広く知られています。しかし、大坂入城から討死までは、彼の人生最後の八ヶ月間にすぎません。それ以前の活動は、置き去りにしてよいものでしょうか? また、「幸村」という名をはじめとする、軍記物由来の情報も史実と勘違いされがちで、結果的に不確かな信繁像が流布してしまっているのが実情です。そこで本書では、信繁が出した全一七点におよぶ書状を道しるべに、彼の足跡を辿りなおしたいと考えます。軍記物など後世に編まれた「二次史料」ではなく、書状という「一次史料」を丹念に読むことで、多くの新知見を得ることができるでしょう。誰も知らなかった、信繁の素顔に触れる旅がはじまります!
丸島和洋
戦国史研究者。1977年大阪府生まれ。2000年、慶應義塾大学文学部史学科卒業。2005年、同大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(史学)。古文書学・史料学に軸足を置いた戦国大名論を専門としている。現在、国文学研究資料館特定研究員・慶應義塾大学非常勤講師。著書に『戦国大名の「外交」』(2013年、講談社選書メチエ)、『図説 真田一族』(2015年、戎光祥出版)、『真田四代と信繁』(2015年、平凡社新書)、『戦国大名武田氏の家臣団』(2016年、教育評論社)、編著に『論集戦国大名と国衆13 信濃真田氏』(2014年、岩田書院)、共著に『全国国衆ガイド』(2015年、星海社新書)など多数。
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