''錯覚,,と苦闘する、日本近代文学の一〇〇年史
いったい、日本の文学とは何なのでしょう? 本書の出発点は、そんな素朴な疑問にあります。明治以来一〇〇年以上に及ぶ歴史がありながら、具体的で納得できる「文学」の定義はどこを探しても見つかりませんし、権威ある文学賞の授賞基準もいまだに一定しないようです。なぜ、日本の文学はこんなふうになってしまったのでしょう? 実は、その原因は「文学は現実を描ける」「文学は人間を描ける」といった、いくつもの"錯覚"にあるのです。本書では、それらの錯覚がどのように生まれたのか、各時代の史料から確認しつつ、日本近代文学史を記述していきます。さあ、ともに教科書では語られない、秘められた文学史をさぐる旅に出ましょう!
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