パリで国際同性婚した著者が語る、「女の子同士」のリアル
私は、女性として生まれ、最愛の妻と結婚をしました。同性愛者は“少数派”です。しかし、決して“少数”ではありません。自身が同性愛者であることを公表する人も増え、セクシュアルマイノリティの知識は、現代人の基礎教養となりつつあります。女の子同士はどこで出会うの? どうやってセックスをする の? 家族へのカミングアウトはいつ? 同性同士の結婚って可能なの? 私の経験からお話できることのすべてを、この一冊に凝縮しました。私と一緒 に、「性」と「知」の冒険に出ませんか? あなたの“百合観”変わりますよ?
「百合のリアル」著者が「パリで国際同性婚したタレント」だと知り、「グローバル(笑)」「コミュ力(笑)」「みんな違ってみんないい(爆笑)」と思ったあなたに。著者・平田オリザ氏はまず、昨今の教育現場における「コミュ力」のキレイゴトを鋭く突き、読者をスッキリさせてくれます。しかしそこからあえてのカオス展開。果てに「みんな違ってたいへんだ」と呟きます。さて、読後あなたは、本書を叩くでしょうか? それとも……。
日本語で本を読む人は恐らく何らかの関係を持っているであろう、「日本人」という概念に向き合ってみるために。著者・森巣博さんは世界を股にかけるギャンブラーで、その経験がこの小説にも鮮やかに生きています。特に、「百合のリアル」で例に出される、レズビアンというアイデンティティをもたない方には、どうかぜひ一緒に読んで頂きたい。「カテゴリとアイデンティティ」の関係を、自分の場合に置き換えて感じてみてください。
「物事の分類の正しさ」論から離れ、分類している人類のほうへ注目してみるために。著者・三中信宏さんは「美と哲学を愛する科学者」という印象で、そんなお人柄全開の美しく難解な言葉で生物分類の歴史について書いていらっしゃいます。漢字だらけよ。そしてそこから「難しい言葉を使う人もそうでない人も、分類せずにいられないのだなあ」という人類のいじらしさが見えた時、わたしの中の「学者/一般人」の分類がやわらぎました。
「百合のリアル」で提案される、「わからないものをわからないまま感じる」態度の実践のために。詩についての本ですが、お文学としてオシャレに気取っているわけではありません。学校生活に始まり、就職していった女ともだちの姿まで、著者・渡邊十絲子さんの人生の実際の場面を織り交ぜながら書かれています。そういう生活感の中にも、「わからないもの」は置き去りのまま確かに在る。それを感じる方法のひとつとして、詩です。
「百合のリアル」読後、「マイノリティへの迫害反対! ネトウヨ滅亡しろ!!」的な価値観をお持ちになるのも自由だと思うのですが、それでしたらぜひ。右翼というアイデンティティをそれぞれに求めた人々を前に、右翼というカテゴリ、ひいては「ネトウヨ滅亡しろ」がいかに無意味か。例えば右翼とカテゴライズされる人にも、どれだけそれぞれの顔があり物語があるかということを、31人ぶんの写真と生い立ちで見せてくれる本です。
Copyright © Star Seas Company All Rights Reserved.