筒井康隆よりも筒井康隆を知るための、最強の入門書!
現代日本文学が生んだ最重要にして最強の作家・筒井康隆。日本SF第一世代に属したのち、中間小説に進出してその最盛期を支え、さらには燦然と輝くジュブナイルの金字塔をうちてた、小説のジャンルとスタイルのあくなき改革者──そんな怪物的巨人の作品世界をトータルに把握することは困難を極めます。本書はその難題に、筒井本人をして「わし以上にわしのことを知っている」と言わしめた佐々木敦が、デビュー作「お助け」から最新作まで、綺羅星の如き作品群を愚直にレビューすることで回答を試みます。キーワードは「筒井康隆は二人いる」。さあ、半世紀以上に及ぶ巨人のキャリアを辿り直し、新たな筒井康隆像を探す旅に出ましょう。
佐々木敦
1964年名古屋生まれ。音楽レーベルHEADZ主宰。映画、音楽、文学、演劇など、広範なジャンルで批評活動を行っている。2015年にスタートした批評家養成プログラム「ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾」では主任講師を務め、後進育成にも尽力する。著書に、『ニッポンの思想』『ニッポンの音楽』『ニッポンの文学』(以上、講談社現代新書)、『批評時空間』『ゴダール原論』(以上、新潮社)、『シチュエーションズ』(文藝春秋)、『例外小説論』(朝日選書)など多数。『あなたは今、この文章を読んでいる。』(慶應義塾大学出版会)では「パラフィクション」の概念を提示し、筒井康隆がこれに応答する形で『モナドの領域』を執筆した。
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