戦乱の世を生き抜いた、井伊氏苦闘の五〇〇年史!
彦根藩井伊家は、「譜代筆頭」として多くの大老を輩出したことで知られます。しかし、井伊氏は古代より遠江西部の井伊谷(静岡県)にあった在地勢力で、徳川家に仕えたのは彦根藩初代・直政の代にいたってのことです。では、長くこの地にあった井伊氏は、いかにして激動の時代をサバイバルしていったのでしょうか。残された史料は、井伊氏嫡流が幾度も滅亡し、その都度庶流によって復興がなされたことを語ります。在庁官人として出発した井伊氏は、鎌倉期には御家人、戦国期には国衆となり、「おんな城主」直虎を経て、近世大名へと飛躍を遂げてゆくのです。それでは、史料をひもとき、その苦闘の歴史を辿っていくことにしましょう。
大石泰史
一九六五年生まれ、静岡市出身。東洋大学大学院日本史学専攻修士課程修了。大石プランニング主宰。千葉県文書館嘱託職員等を経て、大石プランニング創設。戦国史研究会会員。島根県頓原町(現、飯南町)・愛知県稲武町(現、豊田市)・千葉県勝浦市の市史編さん専門委員、静岡県史通史編(中世)執筆員などをつとめる。論文に「「国人領主」井伊氏の再検討−今川氏在地支配の一試論−」(静岡県地域史研究会編『戦国期静岡の研究』清文堂出版、二〇〇一)、「今川領国の宿と流通−宿と流通を語る「上」と「下」−」(『馬の博物館研究紀要』一八、二〇一二)など。編著に、『戦国遺文』今川氏編(東京堂出版)、『全国国衆ガイド』(星海社新書)などがある。
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