列伝から、戦国時代の「僧侶」イメージを問い直す
戦国時代において、「僧侶」はいかなる存在だったのでしょう? 権力とのかかわりからか、太原雪斎、前田玄以、金地院崇伝、天海らの名が一般に知られていますが、実のところ、彼らに代表される「権力者のブレーン」といったイメージは、僧侶が担った役割の一部にすぎません。そこで本書では、宗派を問わず、戦国期に活動した僧侶約四〇人を選び、彼らの担った役割を見直していくことにしました。そして、そこから見えてきたのは、あまりにも多様な「俗世との関わり方」でした。近現代の一般的な「お坊さん」とはひと味もふた味も違う、「戦国の僧侶」。彼らについて知ることで、戦国時代のイメージも更新されることでしょう。
二〇〇七年、歴史史料を調査・研究し、その成果を公開する目的で設立された。主な活動としては、①研究会の開催、②専門書の刊行を行っている。一般書の編集・監修としては『信長研究の最前線』1~2(洋泉社、二〇一四年~二〇一七年)、『秀吉研究の最前線』(洋泉社、二〇一五年)、『鎌倉将軍・執権・連署列伝』(吉川弘文館、二〇一五年)、『家康研究の最前線』(洋泉社、二〇一六年)、『将軍・執権・連署―鎌倉幕府権力を考える』(吉川弘文館、二〇一八年)、『征夷大将軍研究の最前線』(洋泉社、二〇一八年)、『初期室町幕府研究の最前線』(洋泉社、2018年)、『中世島津氏研究の最前線』(洋泉社、二〇一八年)などがある。
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