室町幕府二五〇年の軌跡を、最新研究で一望する
室町時代といえば、何を思い浮かべるでしょうか? 同名のベストセラーでも著名な「応仁の乱」でしょうか。あるいは、「観応の擾乱」でしょうか? おそらく、みなさんの持つイメージは一定しないことでしょう。そもそも、室町幕府は成立/滅亡年についても議論があります。また、約二五〇年の存続期間のうち、最初の五〇年は南北朝時代、後半の一〇〇年は戦国時代にも区分されます。室町時代とは一体なんなのか、ますますわからなくなってきます。しかし、そこには確かに将軍と管領(執事)が存在しました。本書は、彼ら四二人の列伝から室町時代を見直していきます。ただし、この大著を通読したのち、みなさんの室町観はより多様化するかもしれません。それでは、室町幕府興亡の軌跡を、ともに辿りましょう。
平野明夫
編者・平野明夫(ひらの・あきお) 中世史研究者
一九六一年、千葉県生まれ。國學院大學大学院文学研究科日本史学専攻博士課程後期満期退学。博士(歴史学)。現在、國學院大學兼任講師・駒澤大学非常勤講師。元千葉県文書館嘱託。東京都福生市、埼玉県三郷市、千葉県野田市・柏市・我孫子市、愛知県稲武町(現、豊田市)、愛知県の委員などとして、調査・執筆にたずさわる。著書に『三河松平一族』(新人物往来社、二〇〇二)、『徳川権力の形成と発展』(岩田書院、二〇〇六)、編著に『家康研究の最前線 ここまでわかった「東照神君」の実像』(洋泉社、二〇一六)。近時、誓願寺文書研究会の代表として、二〇年来の調査・研究の成果である『誓願寺文書の研究―戦国・京都・総本山―』(岩田書院、二〇一七)刊行の中心となった。
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