誰が憲法を「解釈」するのか
気鋭の弁護士、川口創が中心となり「イラク派兵」問題をめぐって起こした「自衛隊のイラク派兵差止訴訟」裁判に対して、名古屋高等裁判所が言い渡した歴史的な「違憲」判決。田母神俊雄元航空幕僚長が「そんなの、関係ねえ」と逆ギレし、福田康夫元首相が「傍論でしょ?」と冷笑した、「平和的生存権」をめぐるこの画期的な判決文は、年を重ねるごとにその重みを増している。原告のひとり、大塚英志を聞き手とした判決文全文の徹底レクチャーから、この国の未来が今こそ見えてくる!
大塚英志
まんが原作者・批評家・国際日本文化研究センター教授。80年代に成り行きで批評家をやってしまった責任として、90年代は宮崎勤事件公判に関わり「おたく」批判の世論に抵抗する一方、「諸君!」「中央公論」「Voice」といった、「歴史修正主義以前の保守論壇」で戦後民主主義養護の論陣を張る。その経緯は『戦後民主主義のリハビリテーション』に詳しい。「中央公論」では、改憲派・護憲派双方から批判された「有権者自身が自分のことばで憲法前文を書く」企画を立案。その後、小中高校生ら未来の有権者から憲法前文を募るプロジェクトをおこなう。9・11以降は、本書の元となったイラク自衛隊差し止め訴訟に原告の一人として参加。この方面の著書に『私たちが書く憲法前文』(編著)シリーズ、『護憲派が語る改憲論』、『少女たちのかわいい天皇』、吉本隆明との対談『だいたいでいいじゃない』など。
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