自分の未来を具体的に考えていくための「思考の教科書」
私はシナリオプランニングを用いて、企業が「未来」を読み解くことを支援している。シナリオプランニングとは、たった一つの未来ではなく、いま現在想定できる「複数の未来(シナリオ)」について考え、それを元に適切な意思決定を行っていく戦略策定手法のことだ。そしてそれは、若い世代にこそ必要な思考法でもある。なぜなら今ほど未来を考えないことがリスクになる時代はないからだ。変化が激しく先の見えない、自己責任の時代。自分なりに情報を読み解き、決断し、行動する内容によって、将来の姿が大きく違ってくる。本書では、「10年後の自分」をキーワードに、シナリオプランニングの考え方を応用した「自分が望む人生を自分の力で手に入れるための手法」を、若い人向けに解説していく。
1963 年長崎県生まれ。一橋大学卒業後、メーカーに就職。勤務5年で一念発起し、休職してミシガン大学経営大学院にてMBAを取得する。帰国後3年ほど日米の経 営コンサル会社で働くも、米国の会社が日本から撤退したために失職。その後、一人で始めた戦略コンサルティング活動が徐々に拡大し、現在はグリーンフィー ルドコンサルティング代表取締役。事業環境の未来を考察する「シナリオ・プランニング」では、日本の第一人者である。「社員自らが戦略を考えるべき」とい う理念を持ち、戦略的な思考と行動の支援を行う?プロセス・コンサルティング?を実践する。上場企業の戦略部門を対象に、これまでの支援テーマは200を 超え、4000人超を指導した経験を持つ。
若くして亡くなった哲学者・池田晶子の著作。思考とは何かを知るための一冊。「一に多を見、多に一を見る。多様に散らばっているものども、相対立しているものどもの背後に同一物を透視し、また、同一物が自身を多様に分割、相対立させる場面を感知する」の一文に出会えたときには震えた。
星が一瞬きらめくように、歴史の行方を決めた12人の天才の「運命の一瞬」を切り取った歴史物語。開拓者によるゴールドラッシュの始まりや、ナポレオンのウォーターローの戦いなどについて記述。単なる歴史物としてではなく、我々が悠久の歴史の一存在であることを再認識するための本としてお薦め。
アメリカに移り住んだインド人家族の38年を描いた長編小説。異文化のなかで生きていく苦悩や家族の絆が淡々と語られる。静謐だが心に沁みる物語。異文化のなかで生きるとは何か、アイデンティティとは何か、家族とは何かについて考えさせられる一冊。映画化もされているが、こちらもお薦め。
フェルマーの最終定理がどのように解かれたかについて、数学の歴史とともに記される。全てのことは「つながっている」可能性があること。それを信じてコツコツと積み上げること、また時には大胆な仮説を持つことが、いかに大切であるかを教えられる。科学者という人間の物語としても感動的な一冊。
昭和という時代を、「家族」に関するエッセイ・テレビ番組を通して、ノスタルジーでなく「歴史」という切り口で解説した一冊。祖父母や親の世代が生きてきた時代については、歴史の授業では教えてくれない。しかし、「よく生きるために学ぶのが歴史」ならば、現代史は必須な科目であるはずだ。
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