2択で考える「2択思考」は頭の漢方薬
「2択で考える」と聞くと、いわゆる「究極の選択」のように思われるかもしれません。かけ離れた対極のモノをどちらか選ぶ、というデジタルな考え方なのではないか、と。しかし実は正反対で、とてもアナログ的な思考なのです。「2択で考える」というのは「俯瞰してみて、まずは2つの方向にわけてみる」「長いヒモから境目となる場所を選ぶ」そんなイメージです。2択で考えられるようになると頭はクリアになり、好きな物を本能的に求めるようになり、なによりストレスがなくなります。ライフハックのように即効性はないかもしれませんが、整理整頓して考えることで思考の公式として定着する「頭の漢方薬」なのです。
著述家・編集者・分類王。1961年金沢市生まれ。著書に、映画化されたベストセラー『盲導犬クイールの一生』はじめ、様々な図表を駆使し森羅万象を構造オチの笑いへとチャート化する“分類王”としての『図解でユカイ』や、『7つの動詞で自分を動かす』『ダジャレヌーヴォー』『エア新書』『カジュアル心理学』『2択チャートde心理診断』など硬軟取り混ぜ多数。雑誌記者、編集者を経て93年に独立。プロデュース&編集を手がけた書籍は、ベストセラー『ジワジワ来る○○』(片岡K)、『ナガオカケンメイの考え』(ナガオカケンメイ)、『負け美女』(犬山紙子)など幅広いジャンルで200冊。高校野球とビールと犬と笑いとキャンディーズを愛する。好きな言葉は「金を残すは銅、仕事を残すは銀、人を残すは金」。
生きているいかなる場面でも、脳が働き行動が生まれる。その判断材料としての視覚について、思考の構造を分解していくことはおろそかにされていると思う。写真、映画、マンガ、アニメ、などの材料を例に吸収したい。
デザイン書のように見えるが、そんな小さな枠にはまった本ではない。視覚と意識。それは人に何をどう伝えていくかはあらゆる仕事に重要な、物事の捉え方。ビジュアルをどう思考に落とし込めるかのエクササイズ。
人と同じモノを見聞きしていては、人と同じ発想しか生まれない。マスを目指さずともオリジナリティを携える快感に酔いたいなら日本美術の中でも、傍系とされていた異能の画家たちの残した作品の肝を愛でたい。
すべて手描きの、プロジェクトやプランニングのアイデアシート。ダイヤグラム、相関図、スケッチなど、パルコ文化華やかな頃、幅広いジャンルで活躍したクリエイティブディレクターの発想・定着が見えてくる。
堅苦しい、難解、重すぎる、不必要、などのイメージがつきまとう哲学は、専門で学んだ人以外は、敬遠しがち。この本は、インフォグラフィック的図解をふんだんに用い、すっと興味を持って入っていける完璧な良書。
Copyright © Star Seas Company All Rights Reserved.