本書は、ゲームと共に生きてきた「僕たち」のための本です。
僕たちの暮らしの中にゲームが登場して、30年ほどの時が流れました。本書ではその歩みを辿ってゆきますが、ソフトの売り上げ、あるいはハード戦争といった事柄に重心を置いた記述はしていません。なぜなら、日本のゲームは、「ボタンを押すと反応する」という基本を巧みにアレンジしつつ、一方で「物語」との向き合い方を試行錯誤してきた歴史を持っているからです。このような視点でゲーム史を編むことで、「スーパーマリオのようなゲームはもう生まれないのか?」「最近のゲームはつまらなくなったのでは?」といったあなたの疑問にもお答えできるようになりました。さあ、ゲーム史をめぐる冒険の旅に出ましょう!
ライター、物語評論家。74年北海道生まれ。
79年、電子ゲーム機・デジコムべーダーを入手しゲームの虜に。だがファミコンを買ってもらえず、仕方なくゲーム雑誌を読み漁りゲーム文化にやたら詳しい子供になる。大学卒業後は個人ニュースサイト『ムーノーローカル』を運営。援助交際の相場、学校で割られた窓ガラスの枚数、食品異物混入などのテーマを扱い、当時は珍しい100万ページビューを記録する。その後文筆業に入り、『クイック・ジャパン』『ユリイカ』などで執筆。関心領域は物語的なもの全般で、小説、漫画、アニメ、音楽、映画、ネットなどのカルチャーを評論する。現在『朝日新聞』でゲーム紹介コラムを連載中。星海社ウェブサイト『最前線』内の投稿コーナー『さやわかの星海社レビュアー騎士団』で団長をつとめる。共著に『西島大介のひらめき☆マンガ学校』がある。
「ゲームとは何か?」ということを研究する学問をルドロジーと言います。今回の僕の本では意図的に、こういう学術的な視点からはあるていど距離を持たせました。しかし、読んでそういう方面に興味を持った人はまずこの本から読んでみてはどうでしょうか。
これは80年代あたりから90年代後半くらいまでの現代風俗を「ゲーム」というキーワードで解説するような本です。こういうアプローチも、参照はしていますが今回の僕の本では避けています。なので、詳しく知りたい方はこちらから読んでみては。
人はゲームを作った本人の話を聞きたがるもので、ゲームクリエイターに直接インタビューした本は意外と多いです。でもそういう本って、当たり前かもしれませんがほとんどが過去の回想になんですよね。だから当時のリアルな実感と言えるかどうか疑問なものが多いのも事実です。ただこの本は70年代から21世紀まで、年代記的に様々な人が登場して当時を語ってくれるので読み応えがありますし、ゲーム史を概観するのに最適です。
ゲームのことを理解するための本で、しかもありきたりでないものということだと、まずはこれ。東浩紀さんは『動物化するポストモダン』(講談社)などでもゲームについて言及していますが、近年のネットゲームなどを考えるにはまずこちらが基礎になりうると思います。ネットを空間として扱う比喩の限界がわかります。
これは1995年に出された本で、今ではかなり手に入りにくいのですが、とてもおすすめの本です。90年代半ばのいわゆる「次世代ゲーム戦争」の焦点をハードウェアメーカー、ソフトウェアメーカー、そしてプレイヤーの視点から眺めるものなのですが、今日につながるものを感じられると思います。今回挙げた5冊では、この本だけ僕の本の中で引用しています。
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