フリーランスの教科書

見田村元宣 内海正人

フリーランス1年目でやるべきこと全部 「ノマドスタイルで自由に生きよう」「これからは会社員よりフリーランスだ」など、働き方についてイメージだけで語られることも多い。しかし、フリーランスはそんなに甘いものではない。今まで会社に任せていたものをすべて自分で引き受けなければならないからだ。本書では、フリーランスになりたての人がつまずきやすい税金、保険、年金、契約、法人化について、税理士と社会保険労務士がわかりやすく解説。確定申告についても「ようするに何をすればいいのか」を隣で教わっているような感覚で理解できる。「一人でも、地に足をつけて、強く生きていこうと覚悟した」すべての人に捧げるフリーランスの教科書。

フリーもつらいよ

やっと、終わった

昨年、会社を辞めてフリーランスになった僕は、初の確定申告を終えた。レシートや領収書を机にぶちまけながら、税務署の係の人に教えられながら、なんとか終えることができた。すでにどっぷりと日は暮れていた。

「おつかれさまでした〜」

提出を終え外に出ようとしたところで、税務署の人が僕の背中に声をかける。

いや、ほんとだよ、疲れたよ数字が嫌で、経費精算すら苦手で、会社辞めて、やっと自由になったと思ったのに、やっぱり数字はついてくるのね。というか、会社員時代よりもややこしいことになっていないか? なんだか不安になってきたな。これ、毎年かよ

僕は振り返り、いま出てきたばかりの税務署に戻り、係の人に声をかけた。

「あのぉ、これ、毎年続くんですよね?」

係の人はニコリともせずに淡々と答える。

「もちろん、そうです。来年もきちんとやってくださいよ。確定申告」

「ははは。ですよね。で、変なお願いなのですが、税とか保険とかに詳しい人ってお知り合いにいないですか? もうわかんないことだらけで

「本を読めばいいんじゃないですか? 申告に関する本とか、フリーランスの本とか、たくさんあると思いますので」

「いや、そう思って書店に行ったんですけど、いいのがないんですよ。一長一短で。
僕、そこまで節税に詳しくなりたいわけでもないし、税金の仕組みが知りたいわけでもないんです。ただ、フリーランスで生きていくときに必要な知識が知りたいだけで。『フリーで自由に生きろ!』みたいな本を読んだんですが、保険とか税金とかのことって書いてないんですよね」

「このあいだ結婚もして、嫁も怒ってるんです。保険とか税金とかちゃんとしろ、って。むしろ、そういうの苦手だからフリーランスになったってところもあるのに」

「あのね、君、フリーランスってのは自由になることじゃなくて、全部を引き受けることなんです。もう会社には頼れない、ってことなんですよ。そうですね仕方ない。知り合いの税理士さんと社会保険労務士さんを紹介しましょう。普通はこんなことしないんですけどね。あなた、相当不安そうだし、特別ですよ」

係のおじさんは背広の内ポケットから、1枚の名刺を取り出して僕に差し出した。

「あ、ありがとうございます。電話してみます!」

「では、ちょうど明日時間があるから、事務所に来てください」

紹介してもらった事務所に電話をすると、そう返事をもらった。税理士さんと社会保険労務士さんが在籍する事務所らしい。せっかくのチャンスだ。確定申告のこと、税金のこと、保険のこと、年金のこと、不安なことを全部聞いてこよう。

お金のことも法律のことも「嫌いだ」「苦手だ」って言っててもどうせ通る道なんだ。最低限フリーランスに必要な武器を手に入れておかなければ!

「フリーランスってのは自由になることじゃなくて、全部を引き受けること」か

税務署のおじさんの言葉がいつまでも頭から離れなかった。

フリーランスって要するに何をすればいいんだ?

次の日、僕は税理士さんと社会保険労務士さんを目の前にして、とりあえず今の状況を説明した。

昨年会社を辞め、フリーの編集者として活動していること。ただ現在は、1社の仕事を請け負っている状態なので、当面仕事に困ることはないこと。一方で、確定申告をはじめ、保険や年金など、フリーランスになって考えるべきあれこれが急に増え、とまどいを感じていること

僕の話を聞いて、社会保険労務士の先生がたずねた。

社会保険労務士(以下・「なるほど。『1社の仕事を請け負ってる』って言ってましたが、その会社には毎日行ってるんですか?」

「まあ。定期的に仕事があるので、月曜から金曜まで基本的に毎日出社してます。僕専用の机もパソコンも用意されてますしね。というか、その会社、みんなそうなんで」

「なるほど。フリーの人がたくさんいて、みんな机があるんですね。ギャラは仕事に応じて?」

「ギャラは毎月固定で決まった額が振り込まれます。月刊だから忙しいんですよね〜」

「固定でそうなんですね。『業務委託』ではなく、会社に来てやってくれと言われてる?」

「ギョウムイタク? んー、よくわかんないですけど。会社に来てやってくれとは言われてません。ただ、なんとなく空気で行ったほうがいいのかな、と。まわりのフリーもわりと出社してますし」

「あくまでざっと聞いた印象だけど、それは限りなく『雇用関係』に近いと思いますよ。場所的・身分的に拘束されているわけですよね」

「えっ? まあ、毎日来てほしいとは言われていますが、絶対じゃないし、時間的にはかなり自由が利いて、午後出社とかでも全然OKなんです。勤めていた時より手取りも増えたし。拘束だとは思いませんが

「とはいえ、そこから健康保険も、国民年金も、自分で払ってるわけでしょう? 会社員だったときとはそもそも前提が違いますよね」

「そ、それは確かにそうなんですけど

うーむ、フリーランスってそもそもなんなんだ? 毎月給料もらえてれば会社員とそんなに変わんないんじゃないのか? 雇用関係と業務委託ってどう違うんだっけ?

隣で話を聞いていた税理士の先生も質問してきた。

税理士(以下・「『手取り』って言ってるところからして認識が間違っているような気がしますよ」

「はあ

「フリーランスって『個人事業主』なんです。入ってくるお金は、給与じゃなくて報酬。つまり事業所得ですね。会社員の時と違って年収ではなく、年商になる」

「個人事業主? 事業所得? 年商? いや、そんな大げさなもんじゃなくて」

「いやいや、大げさもなにも。確定申告はしているんですよね?」

「はいこの前は、白色申告っていうやつで。よくわかんなかったけど、税務署の人に勧められたので来年からは青色申告でやるつもりですが。経理って苦手で頭痛いですよね」

うーむ、いよいよわからない。フリーランスは個人事業主? 稼いだものは「年商」になるのか? 年収と年商って何が違うんだ?

「先生。とにかく、フリーランスってものがいまいちわかってないんです。会社員とどう違うのか? 先生方にはフリーランスに必要な知識を教えていただきたいと思いまして。最低限、これ知っとかないとヤバいぞっていう知識を」

「うーん、そうですねえ、どこからお話しすればいいかなあ
どのみち今日全部をお話しする時間もないので、来週からしばらくうちに来るといいでしょう。『フリーランスに必要な武器』ってのを全部差し上げましょう!」

こうして、税理士と社会保険労務士による

「フリーランスに必要な知識・4日間集中講義」が始まったのである─。

2日目 税金と確定申告

フリーランスになって初めて意識する「税金」という存在

フリーランスになったことをまず強く意識するのが、確定申告のときだろう。

サラリーマン時代は「給与から自動的に税金が天引きされていた」から、税金の存在を意識することはほとんどなかった。年末調整でいくらか戻ってくると、臨時ボーナスのようでうれしかったものだ。

ところが、フリーランスになったとたん、税金額を自分で計算する必要が出てくる。

「確定申告ってどうやるんですか?」

「おおっと、いきなりですね。って、先週済ませたんですよね?」

「手伝ってもらいながら、なんとか終えたんですが、次回は『青色申告』でやるんでちょっと不安なんですよね。これから長く付き合っていく確定申告だから、きちんとやり方を覚えておきたいと思いまして」

「そもそも、確定申告ってどういうことかは理解していますか?」

「払いすぎている税金を取り戻すこと、ですか?」

「まあ、結果的にはそういうことになりますかね」

「はぁサラリーマン時代はこんな面倒なことやらなくてよかったのに

「やらなくてよかった、ではなくて、サラリーマンの時は会社側が全部やってくれていたんですよ」

「そうなんですか?」

「基本的にサラリーマンって収入の大半が『給与所得』ですよね。会社は、税金を差し引いた金額を『給与』として振り込んでいるわけだけれど、それは金額に応じたパーセンテージを自動的に引いていただけなんです。
だから、本来その人が支払うべき税額と差が出る場合がある。その金額を1年分まとめて調整するのが『年末調整』というもの。それと同じ作業が『確定申告』というわけです」

「なるほど、会社の総務や経理が担当してくれていた年末調整を、フリーランスになると自分でやるわけだ」

「その通り。フリーランスの場合は取引先が複数になることが多いですよね。サラリーマンのように収入を一括で把握されているわけじゃない。
だから、自分で稼いだ金額を集計して経費と各種控除を引いた金額を計算する。それに対して所得税がかかってくるというわけです」

つまり確定申告とは「税金を正しく計算する」ための作業なのだ。

税金は「事業所得ー控除」に対してかかる

「フリーランスになってから気づいたんですけど、約束の金額から『源泉徴収げんせんちょうしゅう』された金額が振り込まれてるんですよね。ギャラの10%が引かれてるんです。なんだかいつも損している気分で」

「サラリーマンの場合だって同じように源泉徴収されているのですが、基本的に『手取り』でしか意識していないですよね。事前に税金が引かれていること自体に気づいていない人が多いんです」

「フリーランスの場合、請求額と入金額の差に一瞬、とまどうんですよね。
もらえるつもりの金額より少ないから。源泉されたことによって初めて税金の存在を意識する」

「あなたのような編集業は源泉徴収される仕事に該当するから、報酬が1回につき100万円未満の場合、10%が源泉徴収される。100万円を超えた場合は、その『超えた部分』に対しては20%を支払い側が徴収する義務があるんですよ」

「ひゃー」

先生によれば、源泉される職業とされない職業が定められており、ライター、デザイナー、イラストレーター、カメラマン、翻訳、校正などの仕事は源泉徴収の対象になり、先生たちのように「士業」の方々に支払う報酬も対象になるそうだ。

その他に講演料や書籍の印税、映画や演劇の原作料なども源泉徴収されるという。

確定申告とは、税金を正しく計算する作業

取られすぎた税金は申告しない限り戻ってこない

「ところで、源泉徴収されるのは、ひょっとして税金を取りっぱぐれないためなんですか?」

「ある意味ではそうですね。
実は支払い側は源泉した金額を税務署に納めているんです。確定申告の時期になると、取引先から『支払調書しはらいちょうしょ』が送られてきますよね?」

「はいはい」

「それと同じ書類が税務署にも提出されているんです。支払調書は、あなたに対していくらギャラを支払い、その分の税金を納めましたという報告書です。だから、税務署はあなたの収入をバッチリ把握している、というわけです」

「そ、そうだったんですか。支払調書を添付しなければ収入がごまかせるのかな? なんて考えも頭をよぎったんだけど

「ダメダメ。それは『所得隠し』。立派な脱税行為ですよ。それに結局、取引先の支払調書でバレバレだから、指摘されなかったとしても証拠は握られているんです。税務調査で発覚したら、加算税やら延滞税が請求されて大変なことになりますよ」

「そういえば、某有名脳科学者の先生が申告していなくて、問題になったことがありましたね」

「金額も大きかったですからね。有名人のように報道されることはないにしろ、あれと同じ。節税はやるべきですが、申告しないのはダメなんです」

確定申告のしくみ

確定申告とは、税額を正しく算出し、払い過ぎた税金については還付かんぷを申請し(「返してくれ!」ってこと)、不足していた場合は追加でいくら支払うかを算出する作業になる。

確かにそうだ。確定申告したら、納めるべき税金より源泉徴収された金額のほうが多かったので、お金が戻ってきた。意外に大きい金額だったからずいぶん助かったなあ。還付金ってパンプキンみたいだよね、関係ないけど。

先輩が「還付金はフリーランスのボーナスだ!」と言っていた意味が少しわかった。

それに、自分から申告しない限り、源泉された分は取られっぱなしになるんだな。せっかくの稼ぎから税金が余計に引かれて、ワケのわからないハコモノや事業に使われるのはごめんだ。確定申告はきっちりやらないと。

払わなくてもいいはずの税金を取り戻す

確定申告が終わったらやってくる恐怖の住民税

「初歩的な質問なんですけど、確定申告で扱う税金は『所得税』でいいんですよね? 僕たちが支払わなければいけない税金って他にもありますか?」

「確定申告は所得税です。これは『国税』になります。
その他には、前年の所得に対して『住民税』も納めなければなりません。これは居住している市区町村に納めるもので『地方税』ですね」

「住民税、か」

「住民税は、前年の所得に対してかかってくるので、だいたい翌年の6月頃に通知がくる。年数回の分割払いが可能ですが、開業の翌年は、会社員時代の収入に対してかかってくるから、結構金額が大きいかもしれないですね。フリーランス1年目の人には盲点かもしれません」

「僕は友達からチラッと聞いてたんですけど、確かにいきなり来ると驚きますよね。いやはや恐怖ですよ。払うべき税金はそれだけですか?」

「その他には『事業税』があります。
ただ、対象になる事業が定められていて、たとえば、デザイン業とか、僕たちのような税理士業など士業も対象になっていますね。
税率は業種によって違いますが、だいたい5%。それから、前々年の売上が1000万円を超えると『消費税』の課税事業者になります。その他にも消費税の課税事業者になる場合もありますがまあ、難しくなるのでここではやめておきましょう」

事業税なんて初耳だ。

フリーランスが払う税金は所得税と住民税と事業税

今のところ僕には関係ないけれど、大きな仕事が取れるようになれば、消費税も納めなくちゃいけないのか。頭に入れておこう。

先生のお話をまとめると、フリーランスに関わる税金は次のページのようになる。

サラリーマンの時は自分がいくら税金を払っているかも知らなかった。というか、税金そのものに関心がなかった。それだけ社会の仕組みに疎かったし、納税意識もなく、税金の使い道にも考えがおよんでなかったんだ。会社にオンブにダッコだったんだなあ。自立したフリーランスになるには、やっぱり知ることから始めなきゃ。

フリーランスが払うべき主な税金は
「所得税」「住民税」「事業税」

とりあえず最寄りの税務署に行ってみる

「僕は確定申告のシーズンになってからあわてて準備したんですけど、それじゃ遅かったんですよね。本当はどうするのがよかったんでしょう?」

「まずは、最寄りの税務署や青色申告会に行ってみるといいかもしれません。税務署というとなんとなく怖いイメージがあるかもしれませんが、後ろめたいところなんてないんだから堂々としていればいいですよ。特に初めのうちはわからないことが多くて当然だから、いろいろ質問すれば相談に乗ってくれるでしょう」

「青色申告会ってのは、なんなんですか? 変な宗教じゃないですよね?」

「いやいや! そんな怪しい団体じゃないですよ。公的な団体です。ただ青色申告会の全員が税の専門家というわけでもないので知っておいたほうがいいかもしれません。ですが、単純な記帳の指導を頼るのであれば、十分じゃないですか」

「そうなんですね。行ってみようかな」

税務署に行く場合は、確定申告のシーズンは繁忙期だから、できれば避けたほうがいいでしょう。開業届を出す時にアドバイスしてもらうのが一番いいと思いますよ。各種の用紙や手引きがひと通り揃っていますからね」

前回はわけがわからないまま、白色申告をした。

前の会社からもらった源泉徴収票とフリーランスになってからの支払調書などをまとめて見せて、税務署のおじさんの言う通りに記入して提出したのだ。

その後に「あなたの場合は青色のほうがいいよ」と勧められて青色申告の届け出をしたんだっけ。なぜ青がいいのかは謎。まあ嫌いな色ではないけど

フリーランスになったらこの2つを税務署に提出

「本来なら個人事業主としての『開業届』と一緒に、『青色申告承認申請書』という書類を提出しておくと、初年度から青色申告にできたんですよ。開業前後は忙しくて忘れちゃいがちでしょうし、確定申告の時期にならないとピンと来ないというのが実態でしょうけど」

僕はまったく知らなかったけれど、フリーランスになったら、税務署で右のような書類を提出し、手続きを済ませておくのが理想だ。

書類は税務署にあり、国税庁のホームページからもダウンロードできる。

なお、帳簿の付け方がわからない時は、最寄りの税務署の個人課税部門に問い合わせるといいようだ。記帳説明会も開催され、税理士が自宅などに訪問して1年間に4〜5回無料で指導してくれる制度もあるという。

考えてみれば、国の機関は僕たちが納めている税金で運営されているのだから、タダで利用できる制度は遠慮しないで、どんどん活用したほうがいいんだよね。知人や友人に相談するより専門的で正しい知識を教えてくれるわけだし。

「なんか漠然と確定申告って難しいイメージがあるんですよね。漢字ばっかり出てくるし」

「記帳の仕方がわかって集計さえできてしまえば、確定申告はそんなに難しいものじゃないですよ。わからない部分があれば申告シーズンに、税理士も応援に行く税務相談コーナーなどで質問すればいいでしょう。これも無料です。事業所得以外の不動産や株式関連の所得があると、やや面倒だけど、最近はパソコンで入力できるし、基礎の数字さえ揃っていれば、だいたいその場で申告書が完成するはずですよ」

「自分だけでやろうとしないで、専門家を上手に使っていけばいいわけですね」

「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出する

確定申告ってなんだ? 〈超〉ざっくり解説

「確定申告、ぼんやりとはわかってきたんですが。いったい僕は何をすればいいんですっけ? はじめての申告はバタバタすぎて、結局何したのか覚えてないんですよね」

「うーむ。では、ざっくりと説明しますから聞いておいてくださいね」

「お願いします」

「まず、確定申告というのは、『所得税』をきちんと計算して申告する、ということでした。ここまではいいですよね?」

「バッチリです」

「で、その所得税というのは、当然ながら所得の額に応じて税率が変わるわけです」

「はいはい」

1月〜12月に売り上げた『売上高』から『経費』を引き、さらに『各種控除こうじょ』を引いた金額に対して課税されるわけですね」

「『控除』ってなんでしたっけ?」

「まあ、ごく簡単に言えば『所得から差し引くもの』です。俗っぽく言えば、控除の額が大きければ大きいほど節税になる、というわけです」

「控除とか、そういう言いまわしが難しく感じるんですよね

「まあ、独特の用語が使われますからね。ただ、すぐに慣れますよ。
話を戻すと、確定申告というのは実質、経費の集計作業をして、控除がどれくらいになるのか計算をして、申告書に記入して提出する、ということです」

「集計して、紙に書いて、提出、と。レシートや領収書は提出しなくていいんですよね?」

「提出はしません。ただ万が一、税務調査が入ったときは見せなければいけないので、きちんと集めてとっておいてくださいね」

「レシートとか領収書とかを集めるのが意外と面倒なんですよね〜」

「お気持ちはわかりますが、個人事業主は、いわば小さな会社みたいなものなんですから、お金の管理はきちんとしておきましょうね。経理業務のない会社なんてないでしょう」

「フリーランスって、もっと自由なものだと思ってたなー。自由というものには責任もつきまとう、ということか」

確定申告は経費などを計算し、
用紙に記入して、税務署に提出すること