「あたりまえ」からはじめなさい

千田琢哉

「あたりまえ」だけで成功できる! 成功する人は僕らとどこが違うのだろうか? 頭がいいのだろうか? 特別なスキルやノウハウを身につけているのだろうか?そうではない。成功する人は「多くの人が見落としがちなあたりまえのこと」を誰よりもきちんとやっているだけなのだ。きっと君はバカにするだろう。「あいさつをしましょう」「ありがとうと言いましょう」「時間を守りましょう」。ところが不思議なことに、大人になるとほとんどの人はそれができていないのだ。英語の勉強の前に、きちんとあいさつをしよう。ロジカルシンキングを学ぶ前に、口約束を守ろう。世界平和を熱く語る前に、今隣にいる人を笑わせよう。断言してもいい。あたりまえのことを、あたりまえにできるようになるだけで君は突出できるのだ。

アゴマッチョ人生に、別れを告げよう。

「夢を実現したい」という人はたくさんいる。

「お金持ちになりたい」という人もたくさんいる。

「モテモテになりたい」という人もたくさんいる。

だが大半の人の人生は夢も実現しないし、
お金持ちにもなれないし、
モテモテにもならないままに幕を閉じる。

カフェや居酒屋で群がって
弁舌爽やかに夢を語り続けて人生を終えていく。

語ることだけしか取り柄のない、
アゴの筋肉だけやたら発達したアゴマッチョ人間として。

アゴマッチョ人生を歩みたければ、
今すぐ本書を閉じて引き続き群れの中で
アゴの筋トレに励むことだ。

多くの人たちがそうしているように、
アゴマッチョ人生を歩むのもきっと楽しいはず。

でも、もしあなたが
アゴマッチョ人生なんて
死んでもゴメンだ」
と感じたのなら、本書を読む価値がある。

アゴマッチョ人生に別れを告げて、
とりあえず一歩動くことだ。

一歩動くといっても、
難しいことは何1つ書いていない。

原点は幼稚園の頃に砂場で学んだ
あたりまえ」のことばかりだ。

きっとあなたはバカにするだろう。

  • あいさつをしましょう。
  • 人の嫌がることをやってはいけません。
  • 順番を守りましょう。
  • 何かしてもらったら「ありがとう」と言いましょう。
  • 迷惑をかけたら「ごめんなさい」と言いましょう。
  • 時間を守りましょう。

ところが不思議なことに、
大人になるとほとんどの人はそれができなくなる。

自分からあいさつのできる人は少ないし、
職場では人の嫌がることばかり平気でやっている。

電車に乗る順番を守れない人や、
待ち合わせの時間に遅刻する人は多い。

「ありがとう」「ごめんなさい」が言えない大人は
珍しくも何ともない。

英語の勉強の前に、きちんとあいさつをしよう。

ロジカルシンキングを学ぶ前に、口約束を守ろう。

世界平和を熱く語る前に、今隣にいる人を笑わせよう。

断言してもいい。

あたりまえのことを、
あたりまえにできるようになるだけで、
あなたは突出できる。

豊富なボキャブラリーを駆使した言い訳の天才集団「アゴマッチョ人間」を置き去りにして。

噓だと思うなら、本書の項目を
1日に1つずつでいいから試してみよう。

拍子抜けするほど簡単なことばかりなのに、
効果絶大である。

古き悪しき習慣を「やめる」ためには、
まずあたりまえのことを1つ「はじめる」ことだ。

あたりまえ」からはじめよう。

「あたりまえ」が「あたりまえ」にできるようになった頃、気がついたら夢もお金もモテモテもすべて獲得できている。

2012年7月吉日 南青山の書斎から 千田琢哉

目次1

目次2

目次3

職場の10の「あたりまえ」

成果を出す人は

特別なスキルやノウハウが

あるわけではない。

多くの人が意外とできていない

「あたりまえのこと」を

やっているだけなのだ。

1あいさつをする。

あいさつは人としての基本だ。

あいさつのできないものは
どんなに才能があっても
必ず干される。

誰にも応援されず、
実力を広めてもらえないからだ。

あいさつは100%
自分から先にすることだ。

あいさつができない大人が急増中だ。

あいさつにはレベルが2つある。

1つは相手からあいさつをされたら返すレベル。

「おはよう」と言われたら「おはよう」と返す。

「こんにちは」と言われたら「こんにちは」と返す。

これができなければ幼稚園児未満のレベルだということになる。

だが実際には幼稚園児に満たない大人は少なくない。

率直に申し上げて、このレベルの人間はどんなにほかの要素が最高水準でも、社内外から嫌われていずれ必ず干される。

ノーベル賞級の頭脳を授かっても、オリンピック級の運動神経を授かっても、100年に1人の音楽的センスを授かっても必ず干される。

誰にも応援されず、誰にも実力を広めてもらえないからだ。

世界中を見渡してみても、あいさつのない国は存在しない。

ましてやごく普通の凡人で幼稚園児未満のレベルとなると、これはもう目も当てられない。

もう1つはあいさつを自分から発信するレベルだ。

年齢・入社年次・性別・役職にいっさい関係なく、視界に入った瞬間にあいさつするのが成人式を迎えた大人のスタンダードだ。

相手と目が合った瞬間にあいさつを交わすのでは遅いくらいだ。

相手が気づいていなくてもこちらが気づいたら振り返らせるつもりでちょうどいい。

たったこれだけであなたの周囲はあいさつに溢れる環境になる。

職場のあいさつが溢れるから売上や年収がアップするとは限らない。

残念ながらそこまでビジネスは甘くない。

だがこれだけは断言できる。

あいさつがない職場は必ず衰退していずれ消滅する。

間違ってお忍びのデートをしている同僚に元気なあいさつをしないように。

2締め切りを守る。

頼まれた仕事は、遅くとも
期限の24時間前に提出しよう。

成功者は人生すべてが
前倒しで進んでいるから
つねに時間があり、ゆとりがある。

前倒し人生で豊かになろう。

約束の期日に遅れても平気な人がいる。

酷い場合には期日を過ぎてから「延期」のメールが届けられる。

「延期」のメールを開いてみると、「忙しい」「一生懸命」という文字が並べられている。

世の中は貧しくて地位が低くて遅刻する人のほうが「私はこんなに忙しいから」「私はこんなに一生懸命だから」と威張っている。

言い訳ばかりしなければならず、余計な仕事が増える。

卑屈になったり虚勢を張ったりしなければならないから、顔が歪んでいく。

期日の24時間前に仕上げている豊かで地位の高い人のほうが「忙しいところごめんね」「一生懸命がんばっているね」と気遣っている。

人生すべてが前倒しで進んでいるからいつも時間があり余っている。

あり余っている時間に周囲が幸せになるための知恵をゆったり絞ることができる。

だからますますお金持ちになって人相も良くなっていく。

他人事だと思わず笑ってしまうかもしれない。

だが人生で大切なことは他人を嘲笑うことではなく、あなたが笑うことだ。

どうせやる仕事の量は同じなのだから、まず目の前の1つを多少無理してでも前倒してみることだ。

1つ前倒しにすると連鎖的に人生すべてが前倒しになって時間持ちになる。

最高の人生とは好きな人と好きなことを存分にできる時間持ちになることだ。

たった今、1回がんばるだけで人生が変わるのだ。

前倒し人生で豊かになろう。

35分前集合をする。

遅刻する人は、たいてい
組織の底辺層の貧しい人だ。

仕事の遅れ、作業の遅れは、
遅刻が象徴しているからだ。

集合時間の5分前には到着しよう。

集合場所に到着する順番は、
出世する順番と同じだ。

約束の時間に必ず遅れてくる人がいる。

遅れてくる人の思考回路はたいてい決まっている。

集合時間ギリギリに到着することを目標にして生きていることだ。

ギリギリ到着を目標にすると必ず遅刻する。

なぜなら人生には想定外のことがつきものだからだ。

「電車が人身事故で遅れています」

「タクシーが渋滞で遅れています」

「仕事が急用で入ったので遅れます」

なぜか遅刻している人はふんぞり返って威張っている。

開口一番自分ではなく、電車やタクシーや仕事を主語にした言い訳をする。

散々言い訳をした挙句、「ごめんなさい」のひと言すらない人もいる。

ここで大切なことは、人身事故も渋滞も急用もすべてを乗り越えて時間前に到着している人がいるという厳然たる事実だ。

遅刻する人はたいてい組織の底辺層で貧しい人だ。

なぜならすべてにおいて遅刻する人だから、事務処理で周囲に迷惑をかけるし会社のノルマも達成できない。

いつもノルマが達成できない人は、約束の期日までに売上を作れなかったという遅刻が原因なのだ。

遅刻する人はあれもこれも安請け合いして、何かあったら原因をすぐに他人に求める。

その上後ろめたさからなのかいつも威張っている、いやらしい人なのだ。

反対にあらゆる理由を乗り越えて、いつも約束の5分前に到着して待っている人は仕事のノルマも素早く達成して組織に貢献している偉い人だ。

集合場所に到着する順番は、出世する順番と同じだ。

今から5分前に到着して待つ側の人間になろう。

4予定時間の5分前に切り上げる。

モテない人に限って
終電ギリギリまで
過剰サービスしてしまう。

しがみつく側から
しがみつかれる側に回りたかったら
予定時間よりも前に
さっと切り上げてくることだ。

相手先を訪問して長居する人がいる。

長居すると自分の市場価値はどんどん下がっていく。

カードゲームのブラックジャック同様に、超過は不足よりも罪が重い。

時間オーバーも正真正銘の遅刻なのだ。

ビジネスにおいてだけではない。

恋愛や人生すべてにおいて超過するとあなたの市場価値が下がっていく。

あなたは楽しんでいたり、サービスのつもりだったりするかもしれないが、相手から「申し訳ないけれど次の用事がありますので」と言われたことはないだろうか。

率直に申し上げてそれは「今すぐ目の前から消えてくれ」という意味だ。

もう少しオブラートに包んだ表現を使えば「早く帰ってください」ということだ。

モテない人に限って終電ギリギリまで過剰サービスしてしまう。

そして次第に鬱陶うっとうしがられるようになる。

「この人と一緒にいるといつも時間を盗まれる」と思われたら人生おしまいだ。

市場価値の高い人は予定時間の5分前には切り上げる。

相手に「もっと話したかったのに」と名残惜しさを感じさせる。

「次はいつ会えるの?」と懇願される。

モテる人も同じだ。

終電の1本前でさっさと帰ってしまうから相手は心配になる。

「え? ひょっとして私のこと好きじゃないの?」と不安にさせて、別れた直後には「好きだよ」を確認するためのメールが相手から届けられる。

不思議なことに多くの人たちは逆のことをやって自ら市場価値を下げ続ける。

しがみつけばつくほど、嫌われるのは仕事も恋愛も同じこと。

しがみつく側からしがみつかれる側に回りたかったら、今まさにこれから会う相手と予定時間の5分前に切り上げて帰ってくるだけでいい。

5長々とメールをしない。

長いメールは読まれない。

もしくは、後回しにされる。

やがてはメールだけではなく
仕事、人生すべてを後回しにされる。

メールは相手に
スクロールさせないように
まとめることだ。

するとトントン拍子で仕事は進む。

デキない人が返事を待つ間に
成功者はとっくに世に出て
人生を謳歌しているのだ。

がんばっている割には報われない人がいる。

がんばっている割には煙たがられてしまう人がいる。

「こんなに自分はがんばっているのに」とキレてしまう人がいる。

キレる前に一度だけでいいから確認してもらいたいことがある。

あなたのメールはうっかり長文になってはいないだろうか。

最愛の人からもらうラブレターを除いては、長文は迷惑以外の何ものでもない。

とりわけビジネスにおいては、メールは短ければ短いほどいい。

できる人のメールはたいてい3行メールが多い。

最悪なのは相手にスクロールをさせてしまうようなメールを送ってしまうことだ。

ただでさえみんな忙しいのに、スクロールしなければならない暑苦しいメールは即後回しにされる。

メールを後回しにされるということは、仕事がすべて後回しにされるということだ。

ついには人生すべてが後回しにされてしまうのだ。

長文メールを送る人に限って「送ったメール、ちゃんと読んでもらえましたか?」とこれまたしつこい。

たいていこういう人とまともに関わったらそれだけで半日無駄にされる。

典型的な時間泥棒だ。

私はスクロールしなければならない長文メールが届いたら、いかがわしいジャンクメールと見なして即削除している。

これで今まで困ったことはただの一度もない。

反対に、できる人たちの3行メールはすぐに読んでもらえる。

とんとん拍子で仕事が進むから次々に夢が現実となっていく。

スクロールさせてしまう時間泥棒たちが「メールの返事はまだですか?」とキレている間に、とっくに世に出て人生を謳歌しているのだ。

たった今から相手にスクロールさせる長文メールを作成しないのはもちろんのこと、そんなメールを送ってくる時間泥棒とは関わらないようにしよう。

6電話にはすぐに出る。

オフィスの電話は
1コール以内に出ることだ。

3コール目で出るのと
1コール目で出るのとでは
労力はほとんど変わらないのに
評価は断然1コールのほうがいい。

早く出過ぎて
大きなご縁になったことはあっても、
クレームになった記憶はない。

サラリーマンでオフィスに電話がかかってきた際に、なかなか出ない人がいる。

たとえば会社で入社年次順や役職順に電話を取ることに決まっていたら、誰が取らなければならないかは最初からわかっているはずだ。

なぜわざわざ目配せして3コール目まで待つ必要があるのか。

受話器に手を触れたふりをしながら、誰かが先に取ってくれる期待をする必要があるのか。

ないはずだ。

もしあなたが今いる職場で電話当番なら、どんなに遅くても1コール以内に出ることだ。

1コール目が鳴り終わるまでに電話に出ると、「お、この会社やるな」という印象を相手に与えることができる。

ただそれだけで「元気だな」「明るいな」「気持ちがいいな」と伝わるのだ。

どうせ電話に出るのは自分と決まっているのなら、1コール目に出ても3コール目に出ても労力は同じだ。

だったら1コール目で評価を上げたほうが断然お得だろう。

私が電話当番だった時は0コール目に挑戦し、まるでテレクラのように楽しんでいた。

オフィスの電話が鳴る直前に、ほんの一瞬だが真空状態になったように「スッ」と微かな音が聞こえたのだ。

その瞬間を逃さなかった。

だからいつも電話が鳴らなくてシーンと静まり返った中、私が1人で電話に出て話しているのは異様な光景だったろう。

中には驚いてかけ間違いだと勘違いしてしまった人もいたし、それが縁で名前を憶えてくれた人もいた。

女性の先輩の中には私を超能力者だと勘違いしていた人もいたくらいだ。

早く出過ぎて大きなご縁になったことはあっても、クレームになった記憶はない。

7つべこべ言わずにまずやる。

やらなかったことに
「ごめんなさい」と謝る人生は
惨めで退屈極まりない。

やっちゃったことに
「ごめんなさい」と謝る人生は
毎日がエキサイティングだ。

上司から何か指示を与えられた際、受ける注意には大きく分けて2通りある。

上司が「ポイントは3つある」と説明している傍から、2番と3番を聞かないうちに動き出してしまって受ける注意。

「お前はちゃんと説明を最後まで聞け」とられるタイプだ。

もう一方の注意は上司の説明が終わった後に、食い下がって質問を繰り返しいつまで経っても動かないから受ける注意。

「とりあえず一度自分でやってみろ」とられるタイプだ。

どちらが伸びるかといえば、明らかに前者だ。

人の話は聞くなという意味ではない。

人の話はぜひ聞くべきだ。

だがどんなに長時間にわたって丁寧な説明を受けても、一度自分でやってみて転ばなければ理解できないものは理解できないのだ。

食い下がって質問してくる後者のタイプの口癖はこうだ。

「根拠は何ですか」「もし間に合わなかったらどうするのですか」「前にもやりましたがダメでした」と言って傍を離れようとしない。

単に動き出すのが怖いから質問攻めにして時間稼ぎをしているだけなのだ。

あなたが上司なら前者のタイプと後者のタイプのどちらを応援したくなるだろうか。

そしてどちらが10年後や20年後に花開くだろうか。

他人事だと実によくわかるだろう。

分厚いルールブックを全部暗記してからでなければ走れない人より、数ページも読んだらルールブックを放り投げていきなり走り出してしまう人のほうがスポーツは上達していく。

スマートフォンの解説書を睨めっこしながら頭からバリバリ読み込んでいく人より、いきなりいじり始める人のほうが上達していく。

仕事も人生もすべてにおいてつべこべ言わずにまずやろう。

やらなかったことに「ごめんなさい」と謝る人生は惨めで退屈極まりない。

やっちゃったことに「ごめんなさい」と謝る人生は毎日がエキサイティングだ。

8出張精算は呆れるほど正直にする。

「出張精算のやり方」と
「人となり」は似ている。

精算でウソをつく人は
仕事でもウソをついている。

精算を正直にする。

それだけでライバルは半分になる。

幼稚園の頃にあなたは「噓をついてはいけません」と教わったはずだ。

中には自分の子どもに「噓をついてはいけません」としつけている大人もいる。

だが子どもより大人のほうがずっと噓つきだ。

なにしろ大人は噓をつき過ぎて自分が噓をついているという自覚症状すらない人が多いからだ。

たとえば出張精算を思い出してもらいたい。

経理部から計算ミスを指摘されて戻された経験は、誰でも一度や二度はあるだろう。

問題なのはミスの中身だ。

「うっかり」高めに間違えていることが圧倒的に多いのだ。

地下鉄料金を160円のところを190円としてみたり、200円のところを230円としてみたりというように。

その逆はまずない。

つまり無意識のうちに水増し請求をしているということに他ならない。

無意識の罪ほど罪の重いものはない。

念のため経理部で長年働いていれば、サラリーマンの水増し請求の手口なんていとも容易く瞬時に見抜くことができる。

企業のコンサルティングに入って財務戦略を練る際に、経理部の責任者と話す機会が何度もあった。

いかに有能な社員でも、水増し請求の常習犯としてブラックリストに掲載されていたら出世できないと知ればあなたは驚くかもしれない。

私がサラリーマン時代に管理職として、のべ数十人のメンバーたちの出張精算を承認チェックしてきた。

経理部にいなくても1年も待たずして出張精算の状態とメンバーの人となりが繫がるようになった。

出張精算で噓をつく人は、仕事でも必ず噓をついている。

しかもその噓は年齢と共に陰湿でスケールも大きくなり、文字通り警察沙汰になる人だっている。

耳にたこができるほど聞いた「噓つきは泥棒の始まり」というのは、子どもを戒めるためにあるのではなく我々大人のためにあるのだ。

たった今から、「出張精算だけは噓をつかない」と決めて、それを定年まで貫き通すことだ。

何とも寂しい話だが、たったそれだけで半分以上のライバルたちから抜きん出ることができてしまうだろう。

9決まった方針にはちゃんと従う。

中途半端なプライドを持った人は
決まった方針に抵抗をして

組織のお荷物になる。

本物のプライドを持った人は
好き放題意見を言うが
決まった方針には忠実に従う。

だから次は
応援してもらえるようになる。

将来出世していく人たちとそうでない人たちの違いは知能指数でもなければ、並はずれた体力でも類稀たぐいまれなカリスマ性でもなかった。

決まった方針にはちゃんと従うというスタンスがあるか否か、であった。

優秀で努力家ほど決まった方針に従うのに抵抗を示すから要注意だ。

自分は勉強もしていて優秀で他の人とは違うというプライドがある。

プライドがあるのはいい。

プライドがなければ人は成長できない。

問題はそれが中途半端なプライドだということだ。

せこいプライドの人は「こんなに自分は正しいのに」「どいつもこいつもバカばかり」と愚痴を言ってふて腐れる。

ふて腐れた瞬間、組織の一番のお荷物になってしまう。

なまじっか優秀なだけに、ふて腐れた時の対応にも手を焼くから始末が悪い。

周囲からも「邪魔だな」「さっさと辞めてくれないかな」と思われる。

こうしてせこいプライドの人たちは誰からも応援されることなく、孤立無援人生で幕を閉じるのだ。

本物のプライドを持った人はプロセスでは好き放題に自分の意見を述べるが、別の意見が通ったらアッサリそれを応援する。

まるで最初から自分がその意見であったかのように掌を返す。

周囲は驚くと同時に、「次はこの人についていこう」と全幅の信頼を寄せる。

その結果、次の別のプロジェクトでは周囲から応援されるので、自分の意見が通りやすくなる。

これは選挙も同じだ。

最初はラッキー当選するのではなく、ボロボロに落選しておくことだ。

落選しても腐らずに、自分が負けた相手の方針に従っていると、応援されるようになる。

最終的にはライバルを包み込むことだって可能だ。

10約束を守る。

「近々、飯でも行きましょう」

こんな小さな約束でも
守れない大人はゴマンといる。

「あの人は信頼できる」というのは
口約束を守る人のことだ。

口約束にこそ命をかけよう。

「約束を守りましょう」と幼稚園の頃に教わった。

ところが約束を守れない大人はとても多い。

放っておくとどいつもこいつも約束を破るようになるから、紙約束として契約書を交わすのだ。

特に日本人は紙約束や印鑑が大好きな国民だ。

契約書は相手のためではなく、ひたすら自分の身を守るための「保険」になっているからどれも無味乾燥で読んでいると虚しくなる。

お客様の読む気が失せるように、わざと細かい文字でビッシリと書かれている。

いちいち読んでいられないから「もういいよ」と戦意喪失した頃を見計らって押印させるのだ。

ところがいざ何か問題が起こった際には、それこそ虫眼鏡で読まないと見えないような細かい部分を持ち出してくる。

「自己責任」という言葉に便乗して、お客様を好き放題利用した業界も少なくない。

だから紙約束は誰もが真剣に交わすし、緊張感も生まれる。

ところが人生で本当に大切なのは紙約束よりも口約束だ。

紙約束を破れば法律で厳しく取り締まられるが、口約束は言葉を発した瞬間に証拠が消えてしまう。

だからこそ人の信頼として脳裏に深く刻まれるのだ。

「あの人は信頼できる」というのは口約束を守る人のことなのだ。

「あの人は信頼できない」というのは口約束を破る人のことなのだ。

口約束を守る人になる方法は簡単だ。

できもしないことを言わないに限る。

そして口にしたことは些細な約束ほど必ず死守する。

口数が少なく口にした約束を守れば、あなたは誰からも信頼されるようになる。

「近メシ」などの小さな口約束こそ、今から命がけで守ろう。