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ジセダイ総研

9月のチェックしておくべきだったニュース

船登惟希
2014年10月10日 更新
9月のチェックしておくべきだったニュース

「ジセダイ総研」主任研究員の船登惟希です。

9月のチェックしておくべきだったニュースを編集部と一緒にまとめてみました。

日本は、そして世界はどう動いたのか。トピックをご覧ください。

国際情勢

世界は「民主主義」だけでは理解できない

 武力によって国境線を変更する行為は、日本人である我々の感覚では「よくないこと」に分類されるのではないかと思います。また、政治体制に関していえば民主主義が通常であり、与党が変わることはあっても国家の政治体制そのものが変わるというのは考えにくいでしょう。

 けれども、それは世界の常識ではありません。民主主義というOSを全ての国家が採用しているわけではありませんし、平和外交というルールを皆が守っているわけでもないのです。

 たとえば、「カリフ宣言」を行ったバクダディ率いるイスラーム国は、現在進行形で国境線を書き換え続けています。イギリスの植民地であった香港も、中国への「返還」によって民主主義を喪失し、中国共産党による一党独裁体制に飲み込まれようとしています。

 このように、これらの国々は、西側に属する日本とはそもそも異なるOSで動いているのです。

 また、民主主義国家に暮らす我々は普段、民主主義を自明のものであり、優れたシステムであると無前提に判断しがちですが、これにも疑問が残ります。

 アメリカは近年のアフガンやイラクなどの例を挙げるまでもなく、「民主主義の輸出」に幾度も失敗していますし、現時点でイギリスが作った香港の民主的な体制は危機に瀕しています。「全ての国家が優れた民主主義になる」という考え方は、共産主義の考え方と同じ陥穽にはまっている可能性があります。

 さらに、独裁国家が民族の自立性を守ることもあるでしょうし、計画経済のもとでより幸福に暮らせる人がいたっておかしくありません。

 例えば、石油資源に恵まれた中東のレンティア国家は王制であったりしますが、国民は皆中流以上の生活が保障されていて、福祉も無料で保証されている場合もあります。民主主義国家が、無条件にこのような社会を実現できるでしょうか?

 このように、我々は無意識のうちに、我々のものさしで彼らを測ろうとしてしまっているのです。イスラーム国や中国を、どこかで「劣った国」と思ってはいないでしょうか?思っているとしたら、そもそもそれが間違いな気もします。その傲慢が、アフガンやイラクを泥沼にした原因でないと言い切れるでしょうか?

 世界には、日本と異なるルールで動いている国があり、彼らは彼らで、国益や国民の幸福を追求していたりします。そして、我々はそのような国々とも何らかの形で付き合っていかなくてはなりません。

 石油資源は中東のイスラーム世界に依存していますし(脱原発論者の多くは、この視点が欠落しています)、中国との貿易がストップすれば我々の日常生活は大ダメージを受けます。イスラーム国や中国だけでなく、我々と異なるルールで動いている人々と、どのように関係を築いていくかを真面目に考える必要があります。

 もっとも良くないのは、何事も反射的に、無意識に「良い悪い」を判断してしまうことです。国際ニュースに目を通すとき、こうした「前提とするOSの違い」にも注目していただければ、より思索が深まるのではないかと思います。


ジセダイ総研編集部


重大ニュース

イスラーム国情勢 バグダッドをうかがうまでになったイスラーム国をめぐる情勢は、今月も大きく動いた。9月30日には新たに英国が空爆を開始し、イスラーム国側は捕えたイギリス人を殺害するなどして報復行動に出ている。また、クルド人が大挙して越境し、トルコに避難している。継続的に空爆を行っている米国の戦費はすでに莫大なものとなっているが、効果は限定的であると言われている。地上戦については、オバマ大統領は未だ否定している。


エボラ出血熱 拡大を続ける西アフリカでのエボラ出血熱も、未だホットなトピックだ。アメリカ人の感染者も確認されるなど、海を渡っての拡大が懸念されているが、9月26日には富士フィルムの開発したインフルエンザ治療薬が患者に投与されて効果が確認されるなど、明るいニュースも聞こえるようになってきた。


感染拡大が続くエボラ出血熱に対応する「国境なき医師団」の様子を伝えるWIREDウェブ版のニュース

http://wired.jp/2014/07/05/ebola-hemorrhagic-fever/


香港で大規模デモ 香港における「雨傘革命」が数十万の市民を集めている。普通選挙を骨抜きにする中国政府の政策に対し、学生団体が抗議することによって開始されたこのデモは、鎮圧側が催涙弾を用いたことへの反発で一気に拡大した。デモ側の代表者と香港政府要人との会談による収束も図られたが、警察がデモ隊を標的とする暴徒を制止しなかったことからデモ隊側が態度を硬化させ、未だに収束の糸口は見えていない。


金正恩に健康不安説 北朝鮮の金正恩主席の消息が途絶えており、その原因について様々な推測が飛び交っている。体調不良として痛風説も伝えられるが、失脚したとの情報も浮上している。拉致問題の再調査への影響も懸念されている。


対中印象「よくない」が9割超え 9月9日、言論NPOによる調査で、日本人の対中印象が史上最低を記録した。良い印象を持っていない人の割合は9割を超え、05年の統計開始以降最低だが、中国人の対日感情は小幅ながら改善している。


スコットランドで住民投票 9月18日、スコットランドの英連邦からの独立の是非を問う住民投票が行われた。賛否が拮抗していると報じられていたが、結果は独立反対が55%という結果となった。なお、スペインのカタルーニャ地方でも11月19日に住民投票が行われ、独立の是非が問われる。


iPhone6発売 9月19日、Apple社のスマートフォン、iPhone6とiPhone6 Plusが日本でも発売となり、都内のアップルストア前には長蛇の列ができた。大型化したiPhoneには発売前から賛否両論があったが、発売から3日間で世界出荷数1000万台を突破し、過去最高の初速を記録。改めて、Appleブランドの強さを見せつける形となった。




国内情勢

朝日新聞を叩けば問題は解決するのか

 従軍慰安婦報道問題や吉田調書問題、池上彰コラム問題などで、朝日新聞が大バッシングを受けています。

 もちろん、誤報は大きな問題です。訂正されるべきですし、徹底した再発防止策が講じられてしかるべきです。

 けれども、昨今の(特にネット上での)「朝日叩き」は些か加熱し過ぎているように思われます。もし朝日新聞を叩くことで国際社会における従軍慰安婦を問題視する風潮を止めようとしているのであれば、ピントがずれている気がします。

 そもそも、日本は第二次世界大戦の敗戦国です。

 それゆえに、未だに「悪い戦争を起こした悪い国」だと思われている部分も大きいのです。その前提に対して反論しても、効果はないでしょう。

 国際社会の枠組みである国連の常任理事国は、第二次大戦の戦勝国によって形成されています。いくら経済発展を遂げて、沢山のお金を拠出しても、日本は常任理事国に入れませんでした。

 世界は、勝者の論理で動くのです。

 ですから、日本が戦ったあの戦争について、我々の立場に立った意見が容れられることは、基本的にないと考えた方がいいでしょう。

 従軍慰安婦問題も、靖国問題も(そして、もしかしたら原爆ですら)、戦勝国側の理解を得られるようなものではない可能性が高いのです。

 むしろ、従軍慰安婦問題や靖国問題において理解を求めていくことの方が、国際社会での日本の立場を悪くする可能性すらあります。「常識的な人々」が「軍国主義の復活」「日本がまた悪の道に進もうとしている」ととらえてしまう可能性は十分考えられます。

 もちろん、国内ではその限りではありません。歴史的経緯や事実関係を学術的な研究で明らかにし、国民がそのことを知っておく必要はあるでしょう。けれど、朝日新聞をバッシングし、国際社会に慰安婦問題に関する日本の立場を説明しようとしたところで、白い目で見られるのがオチだと考えられます。

 日本には日本の立場があり、考え方があって構いませんし、それが当然でしょう。

 ただ、それを世界に向けて大声でアピールするかどうかは、冷静に損得を計算した後でもいいのではないでしょうか?


ジセダイ総研編集部


重大ニュース

朝日新聞「池上コラム」掲載一時拒否問題 9月2日、週刊文春WEBは、「ジャーナリストの池上彰氏が、朝日新聞の慰安婦報道検証記事の問題点を指摘したコラムを執筆するも、朝日新聞は掲載を拒否」と報道。本人もこれを認め、「信頼関係が崩れたので連載中止を申し入れた」とコメントした。朝日新聞関係者もTwitter上で「情けない」などと投稿。一時大炎上となったが、該当記事は9月4日に無事掲載。朝日新聞社は、9月11日に会見を開き、経緯を説明した。


第2次安倍改造内閣発足 9月3日、第2次安倍改造内閣が発足した。5人の女性閣僚が入閣したが、高市早苗氏らが極右団体メンバーと写真を撮った問題など、早速批判が相次ぎ、安倍首相は難しい舵取りを迫られている。また、「江戸しぐさ」など偽史の教育現場への導入を進める下村文科相の続投についても、懐疑の声があがっている。


国内で70年ぶりにデング熱確認 9月4日、代々木公園の蚊からデング熱ウイルスが検出され、公園の約8割が封鎖となった。9月2週目には15都道府県にわたって100人以上が感染。爆発的な感染拡大こそ起こっていないものの、その脅威は未だ続いている(9月末日現在)。


李香蘭こと山口淑子さん死去 9月7日、女優で戦後は参議院議員も務めた山口淑子さんが死去した。享年94歳。山口さんは1920年に中華民国奉天省撫順市に生まれた。日本語と中国語が堪能であり、美声と美貌の持ち主であったことから、満州国の国策会社・満映から中国人の専属映画女優「李香蘭」としてデビュー、大スターとなった。戦後は帰国し、女優、司会者、参議院議員を務めた。


プロテニスプレイヤー錦織圭がアジア人男子初の4大大会決勝進出 9月8日、プロテニスプレーヤー錦織圭が全米オープン決勝に進出。日本人では男女とも初。アジア人でも男子初となる快挙に、日本中が熱狂した。地上波で生中継されなかった決勝を観ようと、新規入会希望者がWOWOWへ殺到。回線がパンクする事態に発展した。


朝日新聞「吉田調書」の誤りを認める 9月11日、「吉田調書」について朝日新聞が報道内容の間違いを認め、謝罪した。吉田調書は、福島第一原発事故当時、所長であった吉田昌郎が「東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会」の聴取に応じた際の記録の通称。朝日新聞は5月、吉田調書を非公式に入手したとし「福島第一の所員、命令違反し撤退、吉田調書で判明」とスクープとして報道。直後にジャーナリストの門田隆将氏がブログで抗議していたが、朝日は抗議取り消しを要求していた。しかし、8月に入って産経・NHK・読売が次々と朝日の報道を否定。この流れを受けて政府は吉田調書を正式に公開。同日、朝日新聞は謝罪会見を行うに至った。


土井たか子死去 政治家で、日本社会党の委員長、衆議院議長、社民党党首などを務めた土井たか子氏が、9月20日に死去した。初めての女性党首、初めての女性衆院議長でもあった。80年代末から90年代初頭にかけて「おたかさんブーム」と言われる追い風を受け、一時社会党の勢力を躍進させ、55年体制崩壊のきっかけのひとつともなった。しかし、94年に自民党と連立政権を組むと翌年の参院選に惨敗、旧民主党に半数に及ぶ議員を引き抜かれ、党勢は一気に衰退していく。また、北朝鮮による拉致問題が明らかになった際、北朝鮮と太いパイプをもちながら、家族からの訴えを無視していたなど、強い批判を受けた。


御嶽山噴火 9月27日、長野県・岐阜県の県境にまたがる御嶽山(おんたけさん、3067メートル)が7年ぶりに噴火。週末だったこともあり、多数の登山客が噴火に巻き込まれた。これまでに、55人の死者、9人の行方不明者が確認されている(10/9現在)。これは、火山の噴火による被害としては戦後最大である。火山の噴火予知はこれまでに数少ない成功例しかなく、しかも今回は、予測がより難しい水蒸気爆発であった。



FC2捜索 9月30日、京都府警サイバー犯罪対策課および三重、島根、山口、高知各県警の合同捜査本部は、公然わいせつほう助の疑いで、大阪市のネット関連サービス業「ホームページシステム」など関係先数カ所を家宅捜索した。これらの企業は違法アップロードの温床となっているサイト「FC2」の実質運営元であると見られている。




 

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ライターの紹介

船登惟希

船登惟希

1987年 新潟県佐渡市生まれ。東京大学理学部化学科卒業。東京大学大学院理学系研究科化学専攻修士課程中退。教育、特に「edutainment」に興味があり、「楽しみながら勉強する」「わかりやすく本質をついた教育コンテンツ」の作成を通じ、社会に貢献したいと考えている。著者に『宇宙一わかりやすい高校化学』シリーズ、『大学受験らくらくブック(化学)』『大学受験らくらくブック(生物)』などがある。

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ジセダイ総研 研究員

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