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新人賞投稿作品

女性社員が子供の看護休暇をとった時に内心イラッとしてしまうあなたへの処方箋

坂上 新
2015年02月05日 投稿

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「表面だけフェミニスト」はもうやめよう!

カテゴリ

教養

内容紹介

キレイごとばかりの「男女平等論」に嫌気が差していませんか?
「結婚したらどうせ辞めるくせに…」、「生理、出産・育児、子供の看護と休暇ばかり。仕事なんて任せられない…」。そんなことを内心思いながら、表面だけフェミニストを装っているあなたへ。なぜ、今、日本で「男女共同参画社会」を実現しなければならないのか?理論と現実、両方の観点から世界一分かりやすく、納得できる「男女平等論」を提供します。

目次案・語りたい項目

シーン1:「男女平等なんてくそくらえ!」―男女共同参画の理想と現実
シーン2:「子供がいなきゃ日本は滅ぶよ」―少子化対策と経済成長戦略
少子高齢化という悪夢/法人税減税というチキンレース/子供のいない国で企業は夢を見ない/仏・北欧諸国の出生率が高い理由
シーン3:「昔は良かった、と人は言うけれど」―高度経済成長と「日本型雇用慣行」の崩壊
偉大な成功と負の遺産/グローバル化により崩壊した「日本型雇用」/専業主婦というエリートたち/独身貴族という現実主義者たち
シーン4:「これは合理的な差別です」―ポジティブアクションとインセンティブ
女性の政治参加という劇薬/ダイバーシティ戦略という武器/新しいジェンダー論
シーン5:これからの日本と明日からのあなたへ

書き出しの第1章

シーン1:男女平等なんてくそくらえ!―男女共同参画の理想と現実

Prrrr...Prrrr...
Aくん「はい、坂上る商事です。」
モブ子「あ、A君?ほんっとに申し訳ないんだけどー、また、子供が熱出しちゃってー...。     今日休みますって係長に伝えておいてくれない?」
Aくん「分かりました!お子さんのことならしょうがないですね。必ず伝えます。お大事に。」
モブ子「うん!ありがとー。いつもごめんねー。それじゃ!」

Bさん「モブ子さん?今日休み?」
Aくん「ええ、そうみたいです。お子さんが熱を出しちゃったって。」
Bさん「そっかー。…じゃあ、モブ子さんにお願いしようと思ってた仕事があるんだけど、今日中の仕事だからA君にお願いするね。」
Aくん「えー!そんなぁ、勘弁してくださいよー。」
Bさん「だって、しょうがないじゃん。」
Aくん「…なんかいつも僕らってモブ子さんの尻拭いさせられてません?去年は新プロジェクトの施行もあって僕らは毎日残業…。Bさんだって新婚で帰りたかっただろうに奥さん家に待たせて毎日頑張ってましたよね?一方、モブ子さんはその間ずっと育休で抜けてましたし、今も仕事はたくさんあるのにちょくちょく休むし…。」
Bさん「お、結構言うねえ」
Aくん「みんなだってそう思ってますよ!なんか社会人になる前は女性の権利とか女性の社会進出とかも大事だーって思ってましたけど、いざ社会人になると昔のやり方の方が賢かった気すらしますよ。男は外で働き、女は家を守る。これなら、会社は目いっぱい働ける男しかいないから、戦力が急に抜けることもない。常にフルメンバーで全力で目の前の仕事に当たれるじゃないですか。全員じゃないとはいえ、女性の方が結婚とか出産・育児で辞めやすいし、仕事しててもいろんな理由ですぐ休みますよね。出産休暇くらいはいいとしても、育休を長々ととったり、子供が熱出したからってその日の朝急に休んだり、最近は生理休暇がある会社も増えているって聞きますよ。僕が社長だったら、絶対女性より男性を雇いますけどね。あ、もちろん同じ能力の男性と女性を比較したらって話ですが。」
Bさん「なるほどな。まー、昔より男女平等が叫ばれてるけど、いや、だからこそお前のように思っている人たちは多いだろうな。」
Aくん「男女平等なんてくそくらえですよ!」
Bさん「くくっ。モブ子さんに聞かれたら大変だな。」
Aくん「あ、でも、勿論、女性の人でも男性に混じってバリバリ働く人なら許せるかな。急に休みたいとか泣き言を言わないで仕事に打ち込む!って人であれば男性でも女性でも変わらないです。そんな感じで仕事ができれば女性でも立派なチームメンバーですね!」
Bさん「でも、そういう人も恋をして、結婚したら変わったりすることもあるからな。そういえば、この前、聞いた話だけど営業部の「鉄の女」って言われてた係長、結婚して子供できて今、出産休暇中だってよ。」
Aくん「あの女軍曹が!?うーん、それならやっぱり雇うなら男性が一番ですね!男性なら結婚しようが、子供作ろうが、家庭を守るため働かなきゃいけないから一生懸命頑張るし、出産だの育児だの子供の看護だので休むこともないですし!」
Bさん「まー、でも、お前だって親死んだら休むだろ。子供の看護休暇ってのは頻度こそ違うが質的にはそれと似たようなもんだと思うぞ?」
Aくん「うぐっ…。確かにそれはそうですけど…頻度が違いすぎます!それに今の日本は女性が無理に社会進出しすぎなんです!女性が無理に社会進出なんてしないで、ちゃんと結婚して出産すれば出生率だって上がるし、日本の将来だって明るいじゃないですか!」
Bさん「確かに現在の出生率の低迷は大きな問題だな。」
Aくん「先輩だってそう思うでしょ?」
Bさん「んー、ただ、俺の意見を言わせてもらえば、お前の意見は半分正しい。しかし、どうかな。これから先の会社のあり方、社会のあり方を考えた時、将来の見通しが甘いと思うな。」
Aくん「?どういうことですか?」
Bさん「うーん、そうだな。じゃあ、お前に質問をしよう。」

質問1:「女性の社会進出、言い換えるなら女性が正規職に就くのを一切禁止する法律を作ったら、出生率はどうなる?」

Aくん「どうなるって…。子供を産めない体の人、子供がそもそも欲しくない人以外は子供を産むでしょうから出生率は上がるんじゃないですか?」
Bさん「そうだろうな。それじゃー、次の質問はどうだ?」

質問2:「女性の社会進出は自由であり、また、全ての組織において女性が出産・育児を行うための環境が整っており、女性は出産等により何等の不利益を受けないとする。この場合の出生率はどうなる?」

Aくん「うーん、子供を産めない人、産みたくない人、それに加えて、自分のキャリアのために邪魔だと考える人は産まないかも。あれ?でも、そうすると子供をちょっとでも産みたいと思ってる人は子供を産むから出生率はあまり低くならない…?」
Bさん「そうだな、俺もそう思うよ。」
Aくん「でも、そんなの現実的じゃないですよ。確かに、制度はほとんどの会社にあるかもしれないですけど、その利用状況がどれだけあるかが大事なんじゃないですか。うちの会社だって有給制度はあるけど、僕は3割も使えてないですよ…。」
Bさん「まぁ、これは仮定の話だからな。そういうな。それじゃあ最後の質問だ。」

質問3:女性の社会進出は自由であるが、女性が出産・育児を行うための環境が整っており、女性は出産等により何等の不利益を受けない組織は全組織の半分程度である。この場合の出生率はどうなるか?

Aくん「これは…ダメでしょうね。環境が整っていない会社にいる女性は仕事か出産を選ばされることになる。単純にいって半分だとすれば、組織の半分のさらに半分、仕事をしていて、子供を欲しいと思っている女性のおよそ4分の1が子供を産まない計算になります。」
Bさん「正解だ。つまり、何が言いたいかというと、女性の社会進出と出生率は必ずしも背反する関係ではない。実際、フランスや北欧諸国では女性の社会進出と出生率の高水準を実に見事に実現している。ただし、女性の社会進出は、ある条件の下では出生率を引き下げる非常に大きな要因となりうる。」
Aくん「女性が社会進出しているのに、出産や育児をするための環境がそれに追いついていない場合、ですね」
Bさん「その通りだ。」
Aくん「ちょっと待ってください!でも、さっき言ったように出産や育児をするための環境を整備するのは並大抵の努力じゃうまくいかないですよ!・・・それに、そもそも出生率って上げる必要あるんですか?少子高齢化で労働人口が減ってまずいとか言うけど、業務の機械化や効率化で労働力が今後、少なくなっても大丈夫な可能性もありますよね?もしくは、さっき言ったように、昔のように女性の社会進出自体を抑えちゃえばいいんじゃないですか?大体、出産や育児をするための環境整備って聞こえはいいですけど、それで割を食うのは結局僕ら男性社員じゃないですか!」
Bさん「あー、分かった。分かった。じゃー、ここまでの話を整理して、それから今の質問について一緒に一つずつ考えてみるか。」

まとめ1:女性の社会進出と出生率は必ずしも背反するわけではない。
まとめ2:女性の社会進出が実現しているにも関わらず、女性の出産・育児についての環境が整っていない場合、出生率は著しく低下する。

Aくんの質問1:少子高齢化は本当に問題なのか?
Aくんの質問2:女性の社会進出を抑えれば上手くいくのではないか?
Aくんの質問3:出産・育児環境によって男性社員は割を食うのではないか?

応募者紹介

坂上 新さん

市役所職員。1987年生まれ。首都大学東京大学院社会学研究科博士課程中退。研究分野は社会学・ジェンダー論。2014年4月市役所入職。総務部人事課勤務。男女共同参画社会推進委員。いわゆる「ゆとり教育」世代であり、義務教育を通して「男女平等」教育を刷り込まれる。一方で、高校在学中は、叔父の自動車整備工場を手伝い、「男尊女卑」的な一面を有する「日本的雇用慣行」、そして、倒産によるその崩壊を目の当たりにする。

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